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黒沢清監督と浅野忠信が苦笑。映画作りにおける海外と日本の国民性の違いとは?

2016年9月03日 14:34

浅野忠信と黒沢清監督が登壇

黒沢清監督と浅野忠信を迎えた「世界を舞台に活躍する表現者になろう」というトークイベントが、9月3日にアップル銀座で開催。黒沢監督は初の海外進出作『ダゲレオタイプの女』(10月15日公開)が、浅野は主演映画『淵に立つ』(10月8日公開)が待機中ということで、モデレーターに映画評論家の松崎健夫を迎え、3人で海外での撮影や2作品の魅力を語り合った。

共に「世界を舞台に活躍する表現者」である2人。海外と日本で映画を撮る時、どんな違いを感じるか?と尋ねられると、2人が興味深いエピソードを話してくれた。黒沢は「映画を撮るという行為のなかではびっくりするくらい日本と変わらない」と前置きをした後、フランスと日本のスタッフや俳優の違いをこう指摘した。

「フランスですが、文化の違いがあるので、みなさんが熱心に『あなたの希望に沿っているか?』と必ず聞いてくれた後、すべてが進んでいく。また、俳優の方と初めてお会いした時『疑問や質問がありますか?』と聞くと、『山のようにある』と言われて僕は絶望したんです。しどろもどろで説明をするんですが、でもそれは、彼らがどれだけやる気があるかということを見せるための行為でした」。

続いて、日本のスタッフについては「真逆です」と言う。「俳優の方は『何もありません』と言いつつ、いざ撮影に入ると6、7つ聞いてくるんです。フランスでは最初に『質問が100個くらいある』と言われるけど、フタを開けてみると、重要なのは5つか6つくらい。結果的には同じですが」と笑う。

浅野もうなずき「海外では主張しないといけないけど、日本では何か言うと怒られるから言っちゃいけないのかなと。僕は年を重ねるごとに疑問とかも重ねるようになったんですが、ある作品のオファーをもらった時、監督に『これはこうだ』とはっきりと自分の意見を言ったら断られました。オファーされたのにですよ」と苦笑いした。

また、撮影について黒沢監督は「何も不自由を感じませんでした。日本で映画を作るのも大変ですし、下手すると日本よりも海外の方がずっとやりやすい面もあるので。距離の遠さは感じない」と言い切ると、浅野も「そうですね。日本食が食べたくなるくらいです」と笑いを取った。

『ダゲレオタイプの女』は、世界最古の写真撮影方法“ダゲレオタイプ”を軸に、芸術にのめり込む写真家の父の犠牲になる娘と、写真家に雇われた青年との悲劇的な恋を描くサスペンススリラー。オール外国人キャスト、全編フランス語で撮りあげた。

『淵に立つ』(深田晃司監督)は、平凡な家庭に1人の男がやってきたことにより、少しずつ波風が立っていくサスペンスドラマ。第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞に輝いた。【取材・文/山崎伸子】

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