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【第53回NY映画祭】J・G=レヴィットらが明かしたゼメキス監督への愛

2015年10月03日 10:45

9月26日から開催されている第53回ニューヨーク映画祭で、オープニング作品に選ばれた3D映画『ザ・ウォーク』(日本16年1月23日公開)がワールドプレミア上映され、ロバート・ゼメキス監督、主演のジョセフ・ゴードン=レヴィット、シャルロット・ルボン、ベン・シュワルツ、ジェームズ・バッジ・デールが記者会見に応じた。

フィリップ・プティの挑戦とそれを見守る人々の姿が描かれる | [c]JUNKO

主人公のフィリップ・プティが、世界一高いワールドトレードセンター(以下WTC)での神業を成し遂げるのには、周囲の人間の協力も欠かせない。劇中では、プティの恋人役を演じたフランス人女優のルボン、プティのプロジェクトを支えた友人のシュワルツ、バッジ・デールらのチームプレーも最高だが、実際もかなり親密になったようだ。

【写真を見る】仲のよさそうなキャストたちとゼメキス監督

ルボンが「2本目のアメリカ映画出演で、こんなに偉大な監督とお仕事をさせてもらえるだけで胸が一杯だった。一番大変だったのはギターのレッスンをすることだったけれど、『映画の撮影中はキャストが家族のようになる』というのは本当だった」とはにかみながら述べると、ジョセフが、「僕たちは、実際の彼ら(劇中人物)のように絆を深めていったのは、週末にやっていた“あること”が大きかった。ゼメキス監督には言ってなかったんだけど、週末に監督の過去の作品を観賞したんだ」と撮影秘話を披露。

シュワルツもすかさず、「毎週末に集まってたんだ。食べ物をオーダーして、監督の過去の作品を観賞して絆を深めていった。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)、『キャスト・アウェイ』(00)、『ホワット・ライズ・ビニース』(00)、『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』(84)、『永遠に美しく…』(92)を見ながら、『自分たちも、監督のすばらしい映画の一部になったんだ!』って言ってね。本当に夢みたいだ」と仲のよさを見せつけると、ゼメキス監督は、「そんなことをしているとは知らなかったよ。監督はいつもカヤの外だからね(笑)」と寂しそうに語り、周囲の笑いを誘った。

WTCの思い出を語ったジョセフ・ゴードン=レヴィット | [c]JUNKO

今は無きWTCの頂上には、何度か上った経験があるというゼメキス監督だが、新たに建設されたフリーダム・タワー(1ワールドトレードセンター)はまだ未体験とか。ジョセフは、「大学生としてニューヨークに来た2001年の夏に、行ってみたくて初めてWTCの頂上に上った。ツーリスト気分だったけど、その時の感覚は明白に覚えている。高い建物の上にいるというより、空にいるようだった。グランドゼロの跡地であるフリーダム・パークに行って、WTCのあった場所に作られた、2つの池のサウスタワーの北側のコーナーからノースタワーの南側のコーナーまで歩いてみたんだけど、『なんて長い距離なんだ』というのが実感だった」とか。

ニューヨーク出身のシュワルツも、「WTCは、まさにNYの一部だった。それがなくなって、今度は改めてフリーダム・タワーに行ったんだけど、1つの池の端っこに立ってみて、もう一つの池の端っこまでどれくらいあるのか、実際に歩いてみたんだ。とにかく遠くて、改めて彼のチャレンジは正気の沙汰ではないと感じた」という。

同じくNY出身のバッジ・デールも、「子供のころから、WTCはそこにあるのが当然で、ただ遠くから見上げる存在であり、町の一部そのものだった。それが無くなってしまって、この映画の撮影が終わるまでは、メモリアルパークに足を運ぶことができなかった。でも実際に行ってみて、自分がこの映画に参加できたことがどんなに誇れることかと感じたし、またWTCの思い出として、ニューヨークにとってこの映画が非常に大きな意味を持っていると信じている」と、それぞれの思いを語った。

『ザ・ウォーク』のメガホンをとった名匠ロバート・ゼメキス監督 | [c]JUNKO

このようにすばらしい作品を作り出したゼメキス監督は、これまでにも“空”を題材にした作品を多数手掛けており、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』(89)で描かれた“未来”でもある2015年現在、過去の映画の3Dバージョンで新たな楽しみを見出したいと考えているファンも多数存在している。

しかしそれについてゼメキス監督は、「3Dは製作者にとって一つのツールであり、製作者はストーリーや脚本の段階で、白黒映画にするのか、立体映画にするのかを決めているはずです。3D映画は好きだし、『ザ・ウォーク』を製作するにあたっては、3Dで製作することを前提にすべてを進めてきました。3Dは、物語の感情を高める効果があると考えているので、例えば『フライト』(12)を『3Dにするべきではない』と決めて製作したら、それは3Dに向いている映画ではないということです。3D映画として構想を立てていないものは、3Dにしたところで何の広がりも生まれてこない。もし3D映画にするのであれば、編集の仕方やペース、カメラの動きやレンズ使いなど、すべてを変えなくてはならないので、最初から構想のないものを3Dにするつもりはありません」と否定的。ファンにとっては少々残念な答えが返ってきた。

1974年代の世界の再現にもこだわりを見せているゼメキス監督の集大成と言える同作は、あまりのリアルさで手に汗握る、3D映画の醍醐味を存分に堪能できる作品に仕上がっている。【取材・文・NY在住/JUNKO】

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