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吉田羊、声優・水瀬いのりの演技に「圧倒された」

2015年9月17日 8:00

吉田羊が意外な過去を告白!

大ヒットを記録したアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の監督・長井龍雪、脚本・岡田麿里、キャラクターデザイン・田中将賀の3人が結集して描く劇場版オリジナルアニメ『心が叫びたがってるんだ。』(9月19日公開)。ヒットメーカーが集う話題作で、初めてのアニメ声優にチャレンジすることになったのが女優・吉田羊だ。声優業には一体、どのような苦労があったのだろうか。

本作は、心に傷を抱えた少女・順が、仲間や音楽との出会いを通して、自らの殻を破ろうとする姿を描く再生の物語。吉田は、順の母親・泉役を演じている。初めてのアニメ声優、しかも話題作とあって、プレッシャーはなかっただろうか?吉田は「アフレコのお仕事はいつかやらせていただきたいと思っていたので、うれしかったですね。初めてで知らない世界だからこそ、プレッシャーを感じずにすみました」とにっこり。「とにかく、飛び込んでみなければ何があるかわからない。絶対的な信頼を持って、長井監督やみなさんの胸を借りるつもりで現場に入らせていただきました」

「アフレコ用の台本というものも初めていただいて。読み方からわからなかったくらい(笑)」と、初体験の感想を吐露する。「実際にお芝居をやるときというのは、感情を乗せていく足し算のお芝居なんです。でも、アフレコというのは引き算のお芝居だなと感じました。できるだけ自分の感情を引き算していくことで、私の言葉ではなく、キャラクターの言葉として観客の方に届いていくものなんだと。それはこれまでのお芝居とは違うアプローチの仕方でしたが、面白かったし、やってみないとわからないことでした。やはり、飛び込んでみないとわからないことばかり。無駄なことってひとつもないんですよね」。新たな経験も充実の時間となった様子だ。

娘である順役の水瀬いのりについては、「ものすごくかわいらしいんです」と思わず笑みをこぼしながら、印象を明かす。「見た目は少女のようなのに、いったんマイクの前に立つとすごくしっかりされていて。発声から違いますから、プロだなあと思いました。順は、劇中で小学生から高校生へと年齢を経るのですが、声のトーンや無邪気さなども、年齢によってまったく変化している。声優さんってこんなにすごいんだと圧倒されました。こういう方々がアニメ界を支えているんですね」

アニメ制作の現場に飛び込んだが、「アニメだからこう、というのはあまり感じなかったんです。アニメであろうが、舞台であろうが、映画であろうが、関わっているスタッフさんは一人残らず、この作品を愛して、よくしたいという思いで現場に携わっているんだということをひしひしと感じて。長井監督も初体験の私に優しく接していただき、リラックスして声を出せる環境を作ってくださいました」と、ものづくりの現場の熱量はどこも同じであることに気づき、おおいに刺激を受けたようだ。

順をはじめ、様々なタイプの高校生が登場する。吉田の高校時代と重なるキャラクターはいただろうか。すると、「順に近いですね」と回答。さらに「高校時代、女子校だったんですが、体育祭で応援団長をやったんです。でも私は、自信のない目立ちたがり屋という面倒臭い性格で。応援団長をやりたいのに、やりたいと言い出せなかったんです。すると周りがその気持ちを汲んでくれて、『吉田でいいんじゃないか』と神輿に乗せてくれた。基本的に自分に自信がない人間なんです。自分で何かを発信するということは苦手でしたね」と意外な過去を告白する。

女子校で吉田が応援団長をやったとしたら、さぞかし人気が出たのではと想像するが、「ファンクラブのようなものもできて」と笑う。「人前でパフォーマンスをして、誰かが喜んでくれるというのがこんなに気持ちいいものなんだと思った初めての体験でした。あのときに、ひとつ自分自身の殻を破れたという気がするので、順の体験ともすごくリンクするんです。それに今振り返ってみると、それが女優という仕事を選ぶ原体験だったのかなと思います」

「一歩、踏み出さなければゼロ。何事も飛び込んでみることが大事」と彼女。吉田羊の凛とした佇まいが、『心が叫びたがってるんだ。』で綴られるテーマとピタリと重なる。この清らかな勇気が、彼女の美しさの秘訣なのかもしれない。【取材・文/成田おり枝】

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