• INTERVIEW

新垣結衣&三木監督、もがいた“15歳の自分”を告白

2015年2月27日 16:00

新垣結衣と三木孝浩監督、15歳を振り返る!

「拝啓、この手紙 読んでいるあなたは どこで何をしているのだろう」。15歳の“僕”が、大人になった自分へ悩みを打ち明ける姿を綴ったアンジェラ・アキの名曲『手紙 ~拝啓 十五の君へ~』。『くちびるに歌を』(2月28日公開)は、同曲をモチーフにした小説を映画化したみずみずしい青春物語。

孤独なピアニストと離島の生徒たちが奏でる合唱が、観客それぞれの15歳を呼び覚ますような感動作に仕上がった。主人公を演じた新垣結衣とメガホンをとった三木孝浩監督を直撃し、自身の15歳を振り返ってもらった。

舞台は九州・長崎県の五島列島。新垣が演じるのは、臨時教師として数年ぶりに故郷に戻った柏木ユリ役。ある出来事をきっかけに心を閉ざし、生徒たちにも冷たく接してしまう主人公だ。それぞれの悩みに胸を痛め、合唱に打ち込む生徒たちと向き合うにつれ、柏木も自身を見つめ直していく。

三木監督は原作小説を読んだ印象をこう語る。「15歳の子たちには、15歳なりの覚悟やそれぞれの悩みに対する向き合い方があって。大人になった自分が忘れていたことを思い出させてくれる物語に、すごく感動したんです。なんだかその頃って、なぜ自分がこの世に存在しているんだろうとか、答えの出ない問いを自問自答していたような気がして。でも今では、そういうことで悩まなくなってしまったなぁと思ったり」。

新垣も「そういえば私も、何のために存在しているんだろうって考えていたかもしれない」とうなずく。完成作を見て「すごく心が洗われた」というが、「柏木と同じように私も生徒たちのまっすぐな姿にすごく心が洗われたし、自分を思い返していくことで心が洗われたということもあるんだと思う。見終わった後に、監督に対して『気持ちよかったです!』という言葉が出てきたくらいで。画面からマイナスイオンが出ているのかと思った」と三木監督と笑い合う。

合唱部の生徒たちは、全員をオーディションで選出。半年間にわたる合唱練習を経て、長崎での合宿撮影に臨んだ。年下のキャスト陣と共演する機会に恵まれたが、新垣は彼らの成長を間近に見た瞬間を思い出し、目を細める。「撮影期間中に何度かみんなでバーベキューをしたんですが、その都度みんなが合唱を披露してくれるんです。その度に声が変わって、めきめきと成長していて!私は撮影に入る前の練習風景から見ていたので、その時とは比べものにならないくらい成長していた。声や気持ちを出していくということが、どんどん彼らにとって当たり前のことになっていっていて、見ていて気持ち良くもあり、羨ましくもありました」。

「みんな一生懸命だし必死だし、でもちょっとだけ浮足立ったところもあって(笑)。そういう常にドキドキしている感じが画面にも出ている気がする」とまさに柏木目線で、生徒達を見つめていた新垣。「スタッフさんもみんな15歳の子たちに心を動かされて、みんなが柏木になっていたし、みんなが15歳の自分とも重ねていた」と撮影現場を思い返すと、三木監督は強くうなずく。

「僕が映画監督になろうと意識をし始めたのって、たぶんちょうど15歳くらいの頃で。今回は、その頃につくりたいと思った映画をつくれているのかなとずっと自分に問いかけていた。15歳の自分と一緒に映画をつくっているような感じでしたね。15歳の自分に見つめられているのは、なかなかプレッシャーでした」と苦笑い。

新垣は、15歳の頃にはすでに芸能の世界に飛び込んでいた。どんな15歳だったのだろうか?「中学生の頃、部活をしていて。女子バスケ部のマネージャーだったんですが、仕事もしていて東京にも通わなければいけなかったので、部活にも参加しきれなかったんです。そういうこともあって、『私はここに必要なんだろうか』と思ったりしたこともあって。でも、高校生になって上京するときに、みんなが寄せ書きと、さみしくないようにと大きなぬいぐるみをくれて。そのときにすごく、私も部活の一員として見てくれていたんだなとわかったんです」。

15歳の自分と再会し、また気持ちも新たにした様子の二人。本作のひとつのテーマは“前進”だが、最後に自身にとって前進する原動力を聞いてみた。三木監督は「僕は、未熟な人間が未熟な部分をどう克服するかということが、撮りたい映画の永遠のテーマになっていて。それは10代でも20代でも、中学生でも社会人でも、僕にとって変わらないもの。自分に足りないものに対してもがく、一生懸命になる姿が好きで。そういう作品を撮ることで、自分も成長していける面白さがあると思っています」。

新垣は「今までは前進せざるを得なかったというのもあって」とがむしゃらに走り続けてきた道のりを述懐。「でもそうやって道を歩いてこれたのは、一緒にものづくりをする人たちの中に必ず尊敬できたり、また会いたいと思える人がいたから。今回の五島列島でも私の以前の作品を見て、『すごく支えになった』と言ってくれる方がいて。そういう話を聞いても思うし、『また一緒にやりたいね』と言ってもらえた時には、『私もその時までに成長していなければ』と感じる。常にそういう声がけをしてくれる人が周りにいたので、非常に私はラッキーだなと思います」。【取材・文/成田おり枝】

■新垣結衣
ヘアメイク:藤尾明日香(Otie)
スタイリスト:道巻芳恵

関連映画

関連映画ニュース