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第87回アカデミー賞、視聴率大幅ダウンの原因は?

2015年2月24日 11:49

ニール・パトリック・ハリスの司会は賛否両論
ニール・パトリック・ハリスの司会は賛否両論写真:SPLASH/アフロ

現地時間の22日に開催され、米ABCテレビでオンエアされた第87回アカデミー賞授賞式のアメリカでの平均視聴数は、2000年以来最高を記録した昨年の4370万人から3660万人に減少した。これはヒュー・ジャックマンが司会を務め、『スラムドッグ$ミリオネア』(08)が作品賞を受賞した2009年の3630万人以来の低い数字だと米NBCテレビが伝えている。

ニールセンの調査結果によるもので、視聴率は16%ダウンで、3連連続で上昇していた視聴率にストップがかかった。いくつかの要因が考えられるが、昨年司会を務めたエレン・デジェネレスは、ピザのデリバリーなど一般人と受賞者を巻き込む手法で好評を博し、一般人からおおむね好評だった。

対して、今年司会を務めたニール・パトリック・ハリスは、独りよがりな司会で会場の笑いも少なく、評価は五分五分。Usウィークリー誌の1000人以上の調査結果でも47%の人が評価している一方で、52%の人があまり評価をしていない。

メディアはおおむね否定的な評価で、タイムズ誌は「最悪でも最高でもない。とにかく長い」、ニューヨークタイムズ紙は「最初から最後までニールの司会は緩慢で歯切れの良さがなかった」などとし、来年の司会はありえないと厳しい判断を下しているようだ。

しかし、一般人のなかには「視聴率が下がったのは彼のせいじゃない。知っている映画もあまりないし、最近のアカデミー賞は政治色が濃すぎて、なんだか見る気がしない」といったようにニールをかばう声も多い。というのも、視聴率の低下はあらかじめ想定できたからだ。今年は、世相を反映して、例年にも増してレイシズムが叫ばれる年でもあった。

特に、昨年のファーガソン事件に端を発した黒人差別問題が叫ばれるなか、「白人至上主義者の高齢者男性の集まり」と指摘されているアカデミーメンバーが選んだのは、主演男優賞、女優賞、助演男優賞、女優賞の20人全員が白人で黒人がいなかったこと、『Selma(原題)』の黒人監督がノミネートされなかったことも、大きな話題となった。

さらに、全米No.1のヒットアニメとなった『LEGO(R) ムービー』(14)が長編アニメ映画賞にノミネートすらされなかったことで、多くの一般人が視聴意欲を失ったといわれている。

また、ノミネートされる作品の認知度が低く、興行成績も低いのは例年いわれている通りだったが、特に今年はその傾向が顕著に現れた。1月15日時点でCNNが明らかにしたところによれば、『それでも夜は明ける』(13)が作品賞を受賞した昨年は、ノミネート9作品の興行成績の合計は8億900万ドル(約961億4000万円)。

今年は1月に拡大公開されたクリント・イーストウッド監督作『アメリカン・スナイパー』(公開中)が唯一快進撃を続け3億ドル(約356億8000万円)を突破。そのため、ノミネートされた8作品のトータルは6億ドル(約713億7000万円)を超えたが、作品賞など4冠に輝いた『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(4月10日公開)の興行成績は、限定公開というのもあってわずか3700万ドル(約43億9000万円)だ。

視聴率を伸ばすために作品賞を10作品にした2009年も視聴率は最悪だっため、作品のせいだけにはできないが、これではせっかく司会者のニールが、晴れの舞台でブリーフ1枚でのぞんでも、視聴者が何をパロっているかもわからないため、内輪の笑いに終わってしまっているのが現状だ。

昨年はジェニファー・ローレンスなど人気若手女優がノミネートされていたが、今年は、有力候補者もJ・K・シモンズ、パトリシア・アークエット、ジュリアン・ムーア、マイケル・キートンなど地味な中高年俳優が多く、ジョージ・クルーニーのような大スターが不在だったこと。

イギリス人俳優のベネディクト・カンバーバッチやエディ・レッドメインら若手俳優や、レディー・ガガ、リタ・オラをもってしても、若者をテレビに向かわせ、視聴率をけん引するには至らなかったようだ。【NY在住/JUNKO】

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