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豊川悦司が語る恋愛観「恋は向かわざるを得ないもの」

2015年2月13日 14:00

豊川悦司に恋愛観を直撃!
豊川悦司に恋愛観を直撃!

西炯子の同名コミックを映画化した『娚(おとこ)の一生』が2月14日(土)より公開となる。恋に臆病になってしまった男女が繰り広げる大人のラブストーリー。原作はアラサー、アラフォー世代の女性を中心に絶大な人気を誇っているが、その大きな理由が主人公の女性・つぐみの複雑な心情をすくい取る丁寧な描写。そして、つぐみを熱烈に求める男性・海江田の存在だ。原作者の西も太鼓判を押したほどのハマりぶりで海江田役を演じた豊川悦司を直撃し、海江田の魅力、恋愛観までを聞いた。

「たくさんのファンのいる役。本当に僕でいいのかなという気持ちもあった」と豊川。海江田は、都会での仕事や恋に疲れたつぐみの前に突然現れ、強引に同居を始める52歳の独身男性。色気が匂い立つようなロマンスグレーの男だ。

豊川は「コミックに登場する海江田のイメージをなるべく損なわないように、髪の毛や衣装などビジュアル的には気をつけましたね。映画は別物とはいえ、コミックのファンは大切にしたいですから」と原作ファンの気持ちに寄り添い、役作りに励んだ。自ら進んで髪をグレーにするなど、アイディアも積極的に提案したそう。「最初に漠然と思い浮かんだのは、坂本龍一さんや姜尚中さんのイメージで。白髪交じりでこんなシャツを着て、こんなメガネでとイメージしていきました」。

榮倉奈々演じるつぐみを優しく見つめる包容力。一方、つぐみの元彼の出現に嫉妬心をむき出しにする少年っぽさなど、海江田は大人の女性が求める理想の男性にも思える。海江田の魅力を分析してもらうと、「こういう人はいそうでいない、いなさそうでいるのかもしれない」とニッコリ。「歳をとっているけれど、男性のあらゆる要素を持っている人で。演じるときに心がけたのは、つぐみにとって、父親であり、夫であり、恋人であり、弟でもあるということ。あらゆる世代の女性が関わる異性との関係性、すべてのエッセンスをシーンごとに織り込んでいければ、海江田の魅力に近づくことができるんじゃないかと思いました」。

豊川も50代を迎え、海江田とは同世代に当たる。「恋はつらいもの」と自覚しながらも、「恋なので、仕方ありませんでした」とつぐみに恋をしてしまったことをストレートに認める海江田。彼の恋愛観に共感する点はあっただろうか?「海江田の恋愛の種類は、年齢の割には、ものすごく恋愛経験の少ない人がしそうな行動に出るパターンが多くて(笑)。良い見方をすればものすごく純粋で、逆の方から見ると経験不足みたいな。でもそのひたむきさがつぐみには届いたんだと思います」。

「シビれるセリフも多くて、それが本質をとらえている」と海江田の“恋のセリフ”にも魅了された。なかでも、「恋なので、仕方ありませんでした」とのセリフには、うなずけるところがあったようだ。「男性が女性を求める、女性が男性を求めるというのは、たぶんもう決まっていることで。個人レベルでどうのこうのできるものじゃない。DNAに刷り込まれているというか、僕らがそういう風になるように作られている。だからこそ悩んだり、苦しんだりする時間もあると思うけれど、やっぱりそこに向かわざるを得ないんですよね。恋というのは、それを受け入れて、自分に素直になって、表現していくことなんじゃないかという気がしています」。

大人の男女を描く本作だが、豊川自身、年齢を重ねたことで、女性観に変化もあらわれたという。「女性という性の奥深さを感じるようになりましたね。世の中は女の人からすべてが始まったんだと、強く思うようになりました。よく、女性を太陽や海に例えたりするけれど、本当にそうだなと。若い頃は、自分は男で相手は女で、その関係は対等なんじゃないかと感じていた。でも今これくらいの年齢になってくると、女の人の方が全然、上だなという気がします」。女性にはかなわないと優しく語る姿は、まさに“大人の男”。「そう思えるようになったのは、良い女性に出会ってきたから?」と聞くと、「ラッキーでした」と目を細める。

「男の色気ってなんなんでしょうね。海江田のそういった魅力はコミックからもすごく伝わってきた。難しかったけれど、ものすごくやりがいのある役でした」と自らの放つ色気には、無自覚な様子の豊川。徹底した役作り。そこに豊川自身の色気がブレンドされ、見事にコミックから抜け出したような、それでいて血の通った海江田が誕生した。是非ともスクリーンで、大人の男の色気にシビれてほしい。【取材・文/成田おり枝】

ヘアメイク/山﨑聡
スタイリスト/長瀬哲朗

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