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オスカーなるか!?謎が謎をよぶ話題作『ゴーン・ガール』でNY映画祭開幕!

2014年9月30日 17:01

レッドカーペットに登場したスタッフ&キャスト陣!

第52回ニューヨーク映画祭が9月26日から開催され、ワールドプレミアとなるデヴィッド・フィンチャー監督作『ゴーン・ガール』(12月12日公開)が、メイン会場であるリンカーンセンター内Alice Tully Hallにてオープニングを飾った。しかし、1000人キャパの会場のチケットがあまりに早く売り切れてしまった為、この会場で2度の上映が行われた。さらに、300人キャパの会場でも3回上映という異例の措置が取られた。上映後は早くも“オスカー”の文字がニュースに並んだという。

同作は12年に出版され、600万部を売り上げているギリアン・フリン著作のベストセラー本「Gone Girl」の映画化だ。メガホンをとったフィンチャー監督、原作と脚本を手掛けたギリアン、そして主演のベン・アフレック、ロザムンド・パイク、ニール・パトリック・ハリス、タイラー・ペリーが記者会見に応じた。

ストーリーの中心は、幸せな結婚生活を送っていたはずのニック(ベン)とエイミー(ロザムンド)。しかし、結婚5周年の記念日の朝にエイミーが忽然と家から姿を消したことで、結婚のダークな部分や人間の持つ深い心の闇へと掘り下げられていく。

「小説を書いている時は、映画化されるなんて思っていなかった。でも、やってもらえるならフィンチャー監督を望んでいた。500ページという小説をそのまま映画にするのは難しいし重要だとは思っていなかったけれど、単なる推理小説にしたくなかったので、脚本を書く際にはニュアンスやダークなトーンをキープする努力をした」と作家のギリアン。その希望を叶え、複雑に展開するストーリーを見事な手腕でスクリーンに収めたフィンチャー監督だが、かねてからその緻密さゆえに、「納得するまで、何十テイクも撮り直す、役者泣かせの完璧主義者」という悪評がある。

そんな評判をものともせず、「人間は『もうこれ以上はできない』と音を上げた時に、最高のものを生み出したりするものだ」と持論を語るフィンチャー監督の手法についてベンは、「僕は3作品の監督をやったので、次は役者をやって監督業を充電させたいと思っていた。自分が監督になる前に『セブン』(95)を見て、『スイス製の時計のように、これほど完璧で綿密な作品は見たことがない』と思った。その監督と仕事ができ、いろいろと学ぶことができてラッキーだ。彼はとても面白くていい人だし、厳しいだけの人じゃない。これから何度でも一緒に仕事をさせてもらいたい」と監督にラブコールを送った。また同じく監督業もこなすタイラーも、「フィンチャー監督は、普通の人とは違って物事のすべてを一度に捉えることができるんだ。彼は完璧な絵画を描こうとするから、テイク中に1つでも納得のいかないものがあれば、全てやり直す。天才的な才能にとても感銘を受けた。自分の監督業にも生かせればと思う」と監督を絶賛した。

本作で最も注目すべき点の1つにメディアの存在がある。タブロイド紙やテレビ、ソーシャルメディアが、夫ニックを犯罪者にしたてていく過程は、ベンが02年にジェニファー・ロペスと婚約し、破局した後にメディアに翻弄され、オスカー受賞作『アルゴ』(13)で復活するまでの約10年間、映画界から干された過去とオーバーラップする。メディアの怖さをよく知っているベン自身が、「ニックは何をやっても嫌われ者になった。役作りは、あの時の経験が一番役立った」と自虐的に語っているほどで、まさにハマリ役といえる。

また、「エイミーの思考回路は、どう考えても完全に女性的で多面的。難しかったけれど、彼女が好きだし演じていて楽しかった」と語るロザムンドは、オスカーの呼び声も高く、完璧なキャスティングといわれている。それについてフィンチャー監督は、「幸いにも僕には、直感的に俳優の持つ才能を見抜いて、適切なキャストを選ぶ能力があると自負している。でも、生まれ持ってミステリアスなロザムンドについては、過去の作品を見てもわからなかった。3時間くらい話して彼女の中にエイミーを見つけた。ベンに関しては、『彼が暇そうだったから』」とジョークで会場を笑わせた後、「ベンには、すでに決まった監督作があったんだ。でも、その撮影を後回しにしてこの作品に出演してくれた。僕にはいわないけど、彼には、この作品で監督のオファーもあったんじゃないかな。いかにも適役という人を、キャスティングしてはいけないという決まりはないだろう」とベンを持ち上げた。

ベンによれば、「メディアの反応も、男女で大きく違っておもしろかった」とか。鑑賞後に大いに盛り上がれること間違いなしの本作は、12月12日(金)より日本での公開が始まる。【取材・文/NY在住JUNKO】

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