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二階堂ふみ、浅野忠信と命懸けのラブシーンは「寒かったけど楽しかった」と振り返る

2014年6月14日 15:00

『私の男』で禁断の愛を体現した二階堂ふみにインタビュー | 撮影/金井尭子

“攻め”の女優・二階堂ふみ。2013年は、『脳男』、『地獄でなぜ悪い』、『四十九日のレシピ』の強烈なインパクトを放った助演が評価され、第35回ヨコハマ映画祭および第56回ブルーリボン賞で助演女優賞を受賞した。どんな役にも全身全霊で挑む。浅野忠信と共演したセンセーショナルな衝撃作『私の男』(6月14日公開)を見て、再度、その姿勢に感服した。若手女優のなかで抜きん出た演技力を持つ二階堂ふみにインタビューし、体当たりで挑んだ禁断のシーンについて話を聞いた。

原作は、第138回直木賞を受賞した桜庭一樹の同名小説。彼女が演じたのは、10歳の時、天災で両親を失い、遠縁の男・淳悟(浅野忠信)に引き取られた花役。孤独な2人の魂は寄り添い合い、やがて禁断の関係に陥っていく。メガホンをとったのは『夏の終り』(13)の熊切和嘉監督だ。

舞台は北海道の紋別。まずは冒頭、二階堂は流氷の海から顔を出すシーンで、見る者の度肝を抜く。もちろん、彼女自身が極寒の海に身を投じて撮影を行った。「冷たかったけど、楽しかったです」と、あっさり言う彼女。着用したセミドライスーツは気休めにしかならず、凍りつくような氷点下の温度はスクリーンからも伝わってくる。「体を張ることが面白いというよりも、ひとつの素晴らしい作品を作っているということを、現場ですごく感じていたので、何をしていても楽しかったです」。

でも、実は、流氷のシーンよりも寒かったのは、浅野忠信と2人が濃厚に絡み合うラブシーンだったようだ。血塗られた関係性を示すがごとく、抱き合う2人の体に、赤い雨が降り注ぐという壮絶なシーンだ。あのシーン、実はカメラアングルの都合で、壁面が取っ払われ、外気にさらされた状態で撮影を敢行した。二階堂は「マイナス10度とか、15度でした。真水と血のりを混ぜたものでやっていたので、あれこそ命懸けというか、とにかく寒かったです」と告白。

しかも、何テイクも重ねたと聞いてびっくり。「最初は1テイクと言われていたのですが、時間を置いたら、血のりにとろみがついちゃったそうで。そこにまた水を足して、4、5回はやりました」と、さらりと語る彼女。「あのシーンを特別視はしていませんでしたが、大事なシーンというか、この映画を作るのなら、なくてはならないシーンでした。だから、あのシーンをやれてすごく良かったなと思いました」。

2人が愛を交わすシーンは、2日間に分けて撮影をした。「赤い雨が降る前のシーンも通しでやって、その後、赤い雨のシーンをやって…と、すごく大事に撮りました。2人のものすごい愛の世界を、ダイレクトに撮るというか、2人だけの世界なんだということを映す印象的なシーンでした。寒かったので、待ちの時間も浅野さんとずっとくっついたままでいさせてもらったので、あの時間、1つになれたような気がしました。浅野さんもそうおっしゃっていたし、監督に対しても、ずっと同じような一体感を感じていたと思います」。

加えてこう語る。「ふたりでいる時の浅野さんの雰囲気はずっと淳悟で、何かがつながっている感じはありました。やっぱり素晴らしい方でしたね。藤(竜也)さんもそうだけど、映画のレジェンド的な存在だと思います。自分は、そういう映画人の作品を見て、映画が好きになり、この世界に入ってきました。そういう一時代を築いてきた人たちなんだと、現場でひしひしと感じました」。

「40歳になったからこそ、この役に挑めた」と舞台挨拶で語っていた浅野忠信。『愛のコリーダ』(76)でハードコアポルノのアイコンとして名を馳せた藤竜也が、本作ではモラルを象徴する役どころを演じていることでも話題だ。確かに2人とも日本映画界のレジェンドに相違ないが、二階堂ふみも間違いなく、その系列を受け継ぐ映画スターとしての道を歩んでいる。そういう意味でも、『私の男』は、役者の揃った快作だ。【取材・文/山崎伸子】

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撮影/金井尭子| [c]2014「私の男」製作委員会