高梨臨が「ものすごく気さく!」と言う、堂珍嘉邦の意外な素顔 |最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
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インタビュー 2014/5/22 13:00

高梨臨が「ものすごく気さく!」と言う、堂珍嘉邦の意外な素顔

繊細にして、大胆。小説家、ミュージシャン、演出家など多彩な顔を持つ辻仁成が脚本・監督を務めた『醒めながら見る夢』(公開中)は、彼の世界観を堪能できる美しいラブストーリーだ。2011年に辻自身が作・演出をした同名舞台の映画化となり、舞台に引き続き、堂珍嘉邦が主人公を演じて、映画初主演を果たしている。

その中で、主人公を愛で包み込むヒロインに抜擢されたのが、NHK朝の連続テレビ小説『花子とアン』にも出演中の注目の若手女優・高梨臨だ。「最後に、主人公が取る選択にとても惹かれた」と高梨。辻ワールドの魅力、堂珍との共演の感想を聞いた。

舞台は、夏の京都。人気演出家の優児(堂珍)が、看板女優だった恋人の亜紀(高梨)と、その妹(石橋杏奈)との関係に悩みながら、真実の愛を探し求めていく姿が描かれる。「台本を読んでいるというより、小説を読んでいるような感覚になった」と、脚本から感じ取ったのも、辻の紡ぐ言葉の美しさだった。「私は以前、辻さんの朗読劇(『辻仁成 その後のふたり』)に参加させていただいたことがあったんですが、その時にも辻さんの世界観がすごく素敵だと思って。いつか映像でご一緒できたらと思っていたのが、こんなに早く次のお話をいただけて、すごく嬉しかったです」。

「ト書きも、セリフも美しい」と彼女。「言葉にしてしまうと、文章を読み取るのとはまた感じ方が違ってきてしまう。なるべく、文章で読んだ時に感じた世界観を失いたくないと思って。セリフの一つ一つを、大事にしようと強く思っていました」と、辻作品に真摯に向き合った。

愛情と嫉妬。明るさと儚さ。亜紀という役柄は、相対する感情表現を要する難役だ。国際的女優として、アッバス・キアロスタミ監督やモー・ブラザーズ監督など、世界の名だたる名匠とタッグを組んできた彼女だが、「亜紀役はとても難しい役でした。こういう役を演じたことはありませんね」と振り返る。「辻さんからは、『優児にとって、陽だまりのような存在でいてほしい』と言われました。亜紀を演じるには、優児の気持ちを読み取ることが大事でした」。

「辻監督は、1つ聞けば10の返事をくれるような監督」と信頼感を吐露する。「今回の役はとても難しい役でしたし、優児の気持ちがわかっていないとできない役。なので、作品を生み出した人でもある辻監督に、一つ一つ、相談していました。すると、私の話をじっくりと聞いて、こちらが何を質問したのかを忘れるくらいの勢いで、いろいろと返事をくれるんです」。

2011年の舞台でも優児役を演じているのが、堂珍だ。「辻監督は、堂珍さんをすごく理解していると感じました」と、ふたりの強い絆を感じたとか。堂珍との共演で特に印象的だったのが、彼の集中力と爆発力だという。「クライマックスの鴨川のシーンは、夜明けの瞬間、ほんの数十分を狙っての撮影だったんです。みんなの緊張感が高まるなか、1回で決めるのって、やっぱり大変なこと。でも堂珍さんは、バシっと決められていた」。その迫真の演技には、「カット」の瞬間にスタッフからも万雷の拍手が起きるほどだったそうだ。

「優児って、すごく感情の揺れ動く、大変な役なんです。演じている堂珍さんを見ていて、やっぱりアーティストも役者も、気持ちを込めて表現するという点では一緒なんだなと思いました」と、堂珍との共演で刺激となった部分も多かった様子。「でも私、最初は堂珍さんに対して、『CHEMISTRY』としての勝手なイメージがあって。もの静かでちょっと暗い感じの方なのかなって思っていたんです(笑)。ご一緒してみたら、全然違って!ものすごく気さくに話してくださる方で。楽しいし、よくしゃべる方なんですよ」。意外な素顔まで教えてくれた。

辻仁成が、2011年の東日本大震災を受けて作り出したという『醒めながら見る夢』。美しいセリフのなかでも、「優児が言う、『死者を忘れない』というセリフが好きなんです」と高梨。生と死に向き合い、強いメッセージを投げかける渾身作となった。【取材・文/成田おり枝】

スタイリング:梶雄太
ヘアメイク:佐鳥麻子(Nestation)

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