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第86回アカデミー賞、今年も辛酸を嘗めた人が続出!

2014年3月05日 10:08

作品賞を受賞した『それでも夜は明ける』のアフリカ系イギリス人監督、スティーヴ・マックイーン | 写真:SPLASH/アフロ

現地時間の3月2日に開催された第86回アカデミー賞は、最後まで結果がわからない部門も多かったものの、作品賞、監督賞、主演男優及び女優賞、助演男優及び女優賞というメインの部門においては、アメリカの主要メディアの見通しがほぼ的中し、大きなサプライズは見受けられなかった。

13年7月から就任しているアカデミー協会の社長が初のアフリカ系アメリカ人女性であること、今年はシドニー・ポワチエがアフリカ系アメリカ人として初めて『野のユリ』(63)でアカデミー賞主演男優賞を受賞して50年という節目でることを考えても、初のアフリカ系イギリス人のスティーヴ・マックイーン監督作『それでも夜は明ける』が作品賞を受賞したことに納得がいく。また、会員があまりSFを好まないことを考えても、作品賞ではなく監督賞で『ゼロ・グラビティ』のアルフォンソ・キュアロンが選ばれたのも本来通りの傾向といえるだろう。

4度目のオスカーを手にできなかったレオナルド・ディカプリオについても、オスカー会員に嫌われているというよりは、「減量、増量、毛抜きなどの肉体的な変化を好む」ことや、「詐欺、殺人鬼などの、感情移入できない憎むべき人物を好まない」傾向が変わっていないからかもしれない。

しかし、過去の傾向から考えて、総スカンを食らった人が続出したことも間違いないようだ。

今回、最も辛酸を嘗めたのは、10部門でノミネートされていた『アメリカン・ハッスル』だ。デヴィッド・O・ラッセル監督はもともとオスカー会員からあまり好かれていないようだが、『ゼロ・グラビティ』と『それでも夜は明ける』の一騎打ちだと言われていた賞レースに、12月から一気に食い込んできた同作が、ほかの賞レースでは『それでも夜は明ける』をしのぐ勢いを見せていた。作品賞や監督賞は無理だとしても、脚本賞を近未来を描いたスパイク・ジョーンズ監督のSF『her 世界でひとつの彼女』に、映像、コスチューム部門をすべて『華麗なるギャツビー』や『ゼロ・グラビティ』に奪われたのは大きなサプライズ。10部門もノミネートされながら無冠に終わったのは、オスカーの歴史の中でも4例目だという。

オスカー会員好みのアレクサンダー・ペイン監督作で6部門にノミネートされていた『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』も『her 世界でひとつの彼女』に脚本賞を奪われ無冠だったことがサプライズになっているが、オスカー会員が好むコーエン兄弟の『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』が作品賞にノミネートすらされなかったことを考えても、以前とは少し傾向が変わってきているかもしれない。

また、主演男優賞の候補からトム・ハンクスが、監督賞の候補からポール・グリーングラス監督が外された『キャプテン・フィリップス』に関しては、5部門のノミネートで無冠だったほか、オスカー嫌いとして知られているマーティン・スコセッシ監督作で、12月の公開以来一気に盛り上がりを見せていた『ウルフ・オブ・ウォールストリート』も、5部門にノミネートされながら無冠に終わっている。

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』に関しては、レオナルド・ディカプリオが演じたジョーダン・ベルフォートが多くの人々をだまし逮捕され、すでに刑期は終わっているものの、彼の被害に遭って人生をくるわされた人物がまだ多数実存していること、映画史上2番目となる500回以上のFワードが使用されなどもあり、試写中に不快感から退出する会員も多かったと伝えられていた。そのため、オスカーへの影響が懸念されており、もともとメインの部門での受賞は厳しいと言われていたが、無冠だったのはサプライズだ。【NY在住/JUNKO】

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写真:SPLASH/アフロ