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高畑勲、宮崎駿、山田洋次、R70世代の監督の果敢な挑戦に迫る!

2013年11月26日 16:30

『かぐや姫』の高畑勲監督、78歳
『かぐや姫』の高畑勲監督、78歳

78歳となった高畑勲監督が、『ホーホケキョとなりの山田くん』(99)以来14年ぶりに手掛けた『かぐや姫の物語』が11月23日に公開され、興行ランキング1位をマーク。現在公開中の宮崎駿(72歳)の監督作『風立ちぬ』もそうだったが、作品を見る限り、70代となったいまでも、両監督の感性はみずみずしく、物づくりに対する情熱の衰えは微塵も感じられない。それどころか2人は新しい表現に挑み、エポックメイキングな作品を仕上げた。改めて映画界を見渡してみると、70歳を超えたベテランの映画監督たちが、果敢な初挑戦している。

『風立ちぬ』は宮崎監督が手掛けた最初で最後の大人のロマンスで、巧みなインサート表現や人間の声を用いた効果音など、かなり実験的な試みをしていた。題材も思い入れの深いものだったので、宮崎監督も、自身の監督作として初めて泣いたという。また、高畑勲監督の『かぐや姫の物語』は、製作費50億円、製作期間8年をかけた、キャリア史上最大規模の映画となった。従来のアニメは、背景とセル画を別々の様式で描くが、今回高畑監督が挑戦したのは、背景とキャラクターを一体化させたアニメーション。それを実現すべく、高畑監督はスタジオジブリ本社から離れ、新スタジオを開設し、精鋭スタッフたちと共に、全く新しい表現に挑んだ。晩年になって守りに入るどころか、完全に攻めの姿勢で、それは、四尺玉の打ち上げ花火を打ち上げるくらいのインパクトがあった。

『男はつらいよ』シリーズで知られる山田洋次監督も、82歳にして『小さいおうち』(2014年1月25日公開)で初のロマンスにトライ。製作会見で山田監督は「こういうタイプの映画を作るのは初めて。撮りながら、僕まで一緒にドキドキし、初体験のような世界を恐る恐るたどっていきました」と、少年のようなコメントをしていた。また、『ニワトリはハダシだ』(04)の森崎東監督が、9年ぶりにメガホンを取った『ペコロスの母に会いに行く』(公開中)にも注目!森崎監督自身が86歳という高齢なだけではなく、本作で赤木春恵に、世界最高齢映画初主演女優(88歳、175日)というギネス世界記録(TM)をもたらしたのだから、その功績は大いに讃えたい。

宮崎駿監督が引退表明をしたかとも思えば、「釣りバカ日誌」の原作者として知られるやまさき十三は、『あさひるばん』(11月29日公開)で、同じ72歳にして監督デビューを果たしたのだからあっぱれだ。まあ、世界を見渡せば、現役最高齢の104歳のマノエル・ド・オリヴェイラ監督というスーパーおじいちゃん監督もいる。しかも、オリヴェイラ監督は、晩年に作品のペースを上げ、コンスタントに新作を放ってきた。9月には、オムニバス映画『ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区』の中の1作『征服者、征服さる』も公開されたばかりだ。改めて“生涯現役”という言葉の重みを実感させられる。R70世代の大御所監督たちには、まだまだ頑張っていただきたい。【文/山崎伸子】

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