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阿部寛の「何kgやせましょうか?」の申し出に行定勲監督が感動

2013年1月25日 8:00

主演の阿部寛と行定監督がタッグ!

阿部寛主演、『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)の行定勲監督による『つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語』が1月26日(土)より公開される。小泉今日子、野波麻帆、風吹ジュン、真木よう子、忽那汐里、大竹しのぶというそうそうたる顔ぶれの女優陣と共演した阿部と、豪華な布陣をまとめ上げた行定監督にインタビュー。待望の初タッグを組んだふたりの表情からは、相思相愛な関係性が伝わってきた。

恋多き女・艶を巡り、人生をかき乱された男女の愛憎劇が情緒豊かに活写された本作。阿部が演じたのは、奔放な妻・艶に翻弄された夫・松生春二役。阿部は今回、行定監督からのラブコールをとても喜んだという。「行定監督はいろんな作品を撮られているけど、それぞれチャレンジされていて、幅がとても広い。すごく羨ましいと感じて、いつか一緒にできたらと思っていました。しかも今作、女優さんたちがいっぱいで、こういう立ち位置でやらせていただくとは本当に光栄です。行定監督は役者に寄り添うように、後ろからそっと支えてくれるような演出をしてくれました」。

行定監督も阿部について「魅了されました。すごく取り組み方が真面目ですが、奥底では遊び心も持っていらっしゃる」と手放しで絶賛。「俳優としての質問、内容や演出についての質問がほとんどないんです。阿部さんは役の空気のなかで作っていき、セリフも違うものになっていくんですが、それも許せる。なぜなら、それら全てが松生でしかないから。それくらい取り憑かれたように、松生になっていました。僕が理想とする俳優像がここにいた!って感じがしました」。

行定監督の阿部への賛辞が止まらない。「阿部さんと僕が最初にお会いした時、口を開いた言葉が『監督、何kgやせましょうか』でした。そんなことを言われたのは初めてで、面食らいましたね。『何kgと言われても。病気じゃないですから』と返したら、阿部さんが『11kgですね』と言って、“11kg”と台本に書かれたんです。『別の仕事があるので、ギリギリになったらやせます』と仰って。それがものすごく印象的でした。やせるから偉いというのではなく、精神的なアプローチが良いなあと。普段、デ・ニーロ・アプローチみたいに、見てくれで、やせてどうだ!という俳優さんはいるけど、阿部さんはそうじゃなかった。精神を作るために肉体がある。すごく感銘を受けました」。

阿部は恐縮しながら苦笑いする。「行定監督は、テイクが多いとお聞きしていましたが、僕はすごく心地良かったです。いろんなチャンスをいただけるので、毎回こうかな?と思うものをやらせていただき、そのなかで一番良いものを監督が選んでくださるんです。すごく充実した時間を過ごさせていただきましたから、松生役を演じられたことに、とても感謝しています」。

松生については「すごく純粋な男で、懐かしい気もしたんです。10代、20代の恋愛って一直線に走っていくじゃないですか?そういうものを感じました」と語る阿部。行定監督は、本作で描かれているものこそ、本当の恋愛だと語る。「出会いって恋愛じゃなくて、出会ってそこからが恋愛なわけです。人を好きになれば恋愛だと思っているけど、そうじゃない。本当に人を好きになるってことはこういうことだと言っているのが松生です。端から見ると狂っているように見えるけど、狂ってないんですよね、きっと。愛を全うしているんです。この物語は、僕が理想に描く恋愛映画でした」。

常に第一線をひた走る阿部寛と行定監督による『つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語』。確かな情熱の相乗効果は、しっかりとスクリーンに焼き付けられている。本作を見て、本物の愛の手強さ、気高さ、深さを是非とも体感してほしい。【取材・文/山崎伸子】

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