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男女逆転『大奥』の堺雅人、肉食系で挑んだラブシーンに菅野美穂の反応は?

2012年12月20日 11:00

『大奥 永遠 右衛門佐・綱吉篇』で主人公・右衛門佐役を演じた堺雅人

男女逆転の大奥という斬新な設定で人気を誇る、よしながふみの人気コミック「大奥」。その映画化第2弾『大奥 永遠 右衛門佐・綱吉篇』(12月22日公開)と、現在放映中の連続ドラマ「大奥 誕生 有功・家光篇」でW主演を務めた堺雅人を直撃。映画で堺が演じたのは、菅野美穂扮する五代将軍の綱吉に仕え、権勢を振るう主人公・右衛門佐(えもんのすけ)だ。底知れぬ野心と知性を兼ね備えた役どころを体現し、ラブシーンにもトライした堺に、撮影秘話を聞いた。

右衛門佐の魅力だけではなく、勇ましい女将軍と、柔和で女性的な側室たちとの構図も興味深い『大奥』。菅野が演じた綱吉や、側用人・柳沢吉保役の尾野真千子の男らしさ、西田敏行演じる綱吉の父・桂昌院の強烈なキャラクター、綱吉の側室・伝兵衛役の要潤の女々しさが光る。堺は、豪華俳優陣との競演を心から堪能したようだ。

「西田さんには圧倒されました。桂昌院って、おじちゃんとおばちゃんと子供が一緒になったキャラクターでしょ。男と女が同居している。ああ、こういうことなんだという説得力がありました。お芝居の楽しさでは、尾野さんとガツンとぶつかれたことが良かったです。菅野さんとは、ぶつかるやり甲斐というよりは、押しても、押しても、どこまで突き刺さっているかわからない懐の深さを感じました。非常に頼り甲斐があり、おんぶに抱っこでしたね。僕は、菅野さん、綱吉という大きな木に巻き付くツルのような気持ちでいました。お菓子をよく食べる方で、ほぼ毎日、現場へ差し入れをなさるスタッフさん思いの方でもあり、菅野さんがいらっしゃると現場の雰囲気がわっと華やぐところもありました」。

菅野について、「悩ましくも危険な美しさを持ったモンスター」と表現する。クライマックスでは、綱吉と思いが通じ合う展開となるが、菅野とのラブシーンについては「なけなしの男性ホルモンを振り絞ってやりましたが、菅野さんから『草食系ですね』と言われて、すごくショックでした(苦笑)。『え?結構、肉食系のつもりで演じたんですけど』と言ったら、ワッハッハと笑っていましたよ」。ちなみに、堺の素顔は草食系なんだろうか?「どっちでしょう?あまりガツガツ行く方ではないから、そういう意味では草食系ですね。右衛門佐のように成り上がりたいとか、良い女を抱きたいとかって、あまり思ったことがないし」。

ふたりのラブシーンは、本作の肝になると思っていたという堺。「実は、そのシーンを撮った時、思っていたよりも淡々としていて、それほどエロティックじゃないような気がしたんです。でも、翌日、朝のシーンを撮った時、初めて『ああ、帳尻が合ったな』と感じました。右衛門佐の人生が、綱吉に向かって放たれた一本の矢だったとすれば、撮影中、僕はその矢が刺さっているのかどうかが半信半疑で、ズブズブと飲み込まれていたような感覚だったんです。のれんに腕押し、とまではいかないですが、あまりにも菅野さんの懐が深すぎて、ちゃんと刺さっているのか不安でしたから。でも、今思えば、菅野さんはおそらく全部計算のうえで役作りをされていたんです。それで、最後の最後、その矢は一番深いところにピンポイントで刺さっていたんだと、ようやくわかった気がしました」。

言わば、右衛門佐と綱吉の関係は、究極のプラトニックラブなのかもしれない。「失うものがたくさんあるなかで、見つけた愛。最後の最後で帳尻があった愛だから、僕は幸せだとも思わない。でも、どんな形であれ、あの時、幸せだと思える瞬間が訪れたってことは、素晴らしいです。春日局から始まったいろんな人たちの呪いが、綱吉の体に取り憑いていて、最後の最後にそれを解き放ってあげられたんでしょうね」。

確かに、見終わった後、言い知れぬ切ない思いが余韻として押し寄せる『大奥 永遠 右衛門佐・綱吉篇』。怒涛のような運命の渦に飲み込まれながらも、必死に生き抜いた綱吉と、彼女に寄り添った右衛門佐の愛の顛末は、スクリーンで見届けてほしい。【取材・文/山崎伸子】

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