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ふたりの7月15日を23年間綴った斬新なラブストーリーの舞台裏に迫る!

2012年6月20日 10:41

『ワン・デイ 23年のラブストーリー』のロネ・シェルフィグ監督を直撃!
『ワン・デイ 23年のラブストーリー』のロネ・シェルフィグ監督を直撃![c]2011 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

7月15日の大学の卒業式で初めて言葉を交わしたエマとデクスター。その後、付かず離れずのふたりの7月15日を、23年間に渡って追った新しいラブストーリー『ワン・デイ 23年のラブストーリー』(6月23日公開)。ふたりを演じた『プラダを着た悪魔』(06)のアン・ハサウェイと、『アクロス・ザ・ユニバース』(07)のジム・スタージェスの魅力はもちろんのこと、斬新な手法で愛の奇跡をまとめ上げたロネ・シェルフィグ監督の手腕にうならされる。その舞台裏が知りたくて、シェルフィグ監督にインタビューを敢行した。

アカデミー賞3部門にノミネートされた、キャリー・マリガン主演作『17歳の肖像』(09)で、揺れ動く主人公の心のひだをリアルに描き出したシェルフィグ監督。今回は23年間、7月15日だけを撮っていくという特殊なアプローチの仕方で、新鮮なラブストーリーを紡ぎ上げた。監督は「年によって、音楽やカメラワーク、車などの小道具、衣装やメイクなど、いろんな要素を用いて、ふたりの変化を表していきました。23個の違った映画を組み合わせた1本になるような発想で作ったのです」と語る。

カメラワーク1つをとっても、多岐に渡った手法を用いた。「たとえばデクスター(ジム・スタージェス)がテレビの司会者をやっている時代は、1990年代っぽいスタイルで撮ったり、後半ではドグマ的な手法でダークな雰囲気の画にしたりしました。撮影監督が、いろんな幅を持った方だったので、工夫してくれたんです。ただ、情報量が多い映画なので、スタッフも大勢いるわけで。いわば、私の監督としての最大の仕事は、様々な要素を用いて撮った23個の映像を、1本の映画として一貫性のあるスタイルの作品に仕上げるということでした」。

ヒロイン、エマ役のアン・ハサウェイについては大絶賛。「女性として色気や温かみがあるだけではなく、ユーモアもあり、ドラマティックな感情表現もできる。彼女は人としても素晴らしく、舞台もやっているし、大学も卒業しているし、いろんなことを経験している女優さんなのです。アンのような人じゃないと、これだけの長い年数を演じ分けられるのは難しかったでしょうね。おまけに一緒にいて楽しいんです」。

ジム・スタージェスについては「アンとの化学反応がすごく良かった」と話す。「イギリス人で、現代的な雰囲気を持ち、若い年代から23年分を演じて、説得力のある役者を探していましたが、ジムは群を抜いてました。特に、デクスターを良い人として演じようとしていないところが良かったですね。ジムは、相手に良い影響を及ぼしてくれる役者です。もしも自分の娘が、ジムのような彼を連れてきてくれたら嬉しいと思える人ですね(笑)」。

ふたりが演じた、親友以上、恋人未満という関係の男女の恋愛について、監督自身はどう思っているのか。「私は今年、結婚して20周年を迎えました。でもそれは、夫が友人でもあるからこそ続いたんだと思います。だから、私はそういう愛を映画で描きたいと思いました。エマは最初からデクスターが好きたけど、デクスターはそうではない。いろんな恋を経て、本当に大切な愛に気づくんです。愛情が時を経て、どういうものに発展できるか、ふたりの人間が互いに良いところを引き出し合い、お互いを許していく。そういう関係性を描きたいと思いました」。

恋とはいつでも一筋縄ではいかない。でも、もどかしさやじれったさは、ラブストーリーの最高のスパイスだ。至福の絶頂期に浸ったと思えば、衝撃の展開に言葉を失うこともあるだろう。この映画には、その酸いも甘いもが丁寧に映し出されている。23年分のふたりの愛のヒストリーを是非なぞってみてほしい。【取材・文/山崎伸子】

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