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メリルもびっくり!「サッチャーはコックを雇わず自分で料理をしていた」

2012年3月14日 11:27

『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』のメリル・ストリープにインタビュー!
『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』のメリル・ストリープにインタビュー!

『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(3月16日公開)で、第84回アカデミー主演女優賞を受賞したメリル・ストリープが来日。本作のメリルは、風貌から所作まで、まさにサッチャー首相そのものだ。メリルがサッチャーの屈強な表の顔だけでなく、妻や母としての知られざる顔や、晩年の認知症を患った姿もトータルに演じ切ったことで、オスカーの女神が微笑んだ。徹底的にリサーチをし、サッチャーに成りきったメリルにインタビューし、撮影秘話を聞いた。

メリルは、アカデミー賞にノミネートされること最多17回目、『クレイマー、クレイマー』(79)で助演女優賞、『ソフィーの選択』(82)で主演女優賞を受賞しており、今回で3度目のアカデミー賞獲得となった。役作りを入念に行う彼女は、サッチャーの色々な情報を集める過程で、驚くことが多々あったという。

「彼女はイギリス史上、初めての女性の首相で、しかも20世紀で最長の任期を務めた人。でも、彼女は忙しかったその間、コックを雇ったことがなかったのよ。普通のビジネスマンでも、成功したら通常はコックを雇うものなのに、彼女は一人も雇わず、朝も夜も家族の分の食事を作っていたの。また、大臣たちを家に招いて会議をしたりすることもよくあったみたい。会議の途中で旦那さんが来て、『皆さん、お腹が空いてるよ』と言うと、サッチャーさんは『あ、そうね』と、ご自身で料理を作って振る舞ったらしいわ」。

また、お固い保守派で知られるサッチャーだが、意外な面もたくさん持っていたそうだ。「あまり宗教心を持っていなかったし、中絶についても容認派だったの。(コロイド)化学に詳しく、地球温暖化を阻止しなくてはいけないと言っていたし。保守派のイメージとは全く違ったのでびっくりしたわ」。

メガホンを取ったフィリダ・ロイド監督とは、『マンマ・ミーア!』(08)に続いてのタッグとなった。現場を仕切るロイド監督は、もしかしてサッチャーのような鉄の女なのだろうか?「いえいえ(笑)。監督は声を張り上げたりしないし、非常に静かな方なの。監督が場を仕切ってるって感じは一切なかったわ。彼女とやった『マンマ・ミーア!』では、ダンサーやシンガーがプロじゃなかったし、エキストラもたくさんいたから大変な現場だったの。そして、今回は全く勝手が違い、狭いロケーションで、人間を突き詰めていく映画でしょ。彼女は両方の現場において、みんなをまとめられるリーダーだったわ」。

現場が和やかだった理由については、主演女優や監督だけではなく、脚本家や編集者も女性だったことが大きいという。「女性たちが作った映画だったから、セットの中の雰囲気が全然違ったの。監督が男性だと、みんなが神様みたいに崇めるところがあるけど、今回は常に和気あいあいとしていて、コラボレーション精神がみなぎる現場だった。それぞれに敬意を持って互いに認め合う楽しい雰囲気だったの」。

劇中でのセリフのないシーンについては、女優としての本領を発揮する場だったと語る。「シナリオをもらうと、まず『私のセリフはどれ?』って自分のところだけ見るけど、観客として映画を見る場合、一番素晴らしいのは、セリフのない部分がどう描かれているかってことだと思うの。その部分については、お客さんがセリフに惑わされず、イマジネーションを働かせて、映画に入れるわけだから。今回、監督は私に自由をくれたから、良いシーンに仕上がったと思うわ」。

確かに、メリルが口ではなく目や所作で多くを物語る演技は、見る者の想像をかき立てる。特に晩年、鉄の女というイメージとは程遠い存在となった老女の姿は、“老い”という本作の隠れたテーマを突きつけ、見る者を揺さぶる。3度目のオスカー像を手にしたメリルの渾身の表情を見逃すべからず。【取材・文/山崎伸子】

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