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サイレント映画の魅力を新たに提示!『ヒューゴの不思議な発明』より本編一部映像が到着

2012年3月8日 15:00

図書館で調べものをするヒューゴ
図書館で調べものをするヒューゴ[C]2011 Paramount Pictures. All Rights Reserved

第84回アカデミー賞で最多5部門受賞の『ヒューゴの不思議な発明』。3月2日に公開され、初週成績では興収、動員共に3位と好発進を切った。本作は巨匠マーティン・スコセッシが初の3Dに挑んだ作品でもあり、その映像の美しさは特筆すべきものがある。また、第84回アカデミー賞で作品賞を獲得したモノクロサイレントのフランス映画『アーティスト』(4月7日公開)が古き良きハリウッドへのオマージュだとすると、本作はその逆で、ハリウッドから見たフランス映画へのオマージュでもある。それは、フランス人で、世界初の職業映画監督とも言われるジョルジュ・メリエスが実名で登場し、物語を進めるうえでの2つの軸の一方を担っているからだ。

今回、公開された本編の一部映像では、機械人形の修復を終えたヒューゴとイザベルが、機械人形が描き出した『月世界旅行』(1902)の絵コンテをヒントに、ジョルジュ・メリエスの正体に迫るため、図書館で映画史を学ぶシーンが描かれている。リュミエール兄弟、エジソンからチャップリンまで、映画創世記の作品の映像が次々にカットインする、映画ファンにとって非常にワクワクするシーンだ。このシーンも、スコセッシ監督による映画愛が詰まった、最新技術で描く映画創世記という面を含んだ、本作の一つの見どころと言えよう。

ちなみに、ヒューゴとイザベルが映画史の本を読んでいる間に差し込まれるサイレント映画の傑作は、リュミエール兄弟『ラ・シオタ駅への列車の到着』(1896)と『工場の出口』(1895)、エジソン『アーウィンとライスの接吻』(1896)と『コルベット対コートニーのボクシング』(1894)、『バイオリンを弾くディクソン』(1894)、エドウィン・S・ポーター『大列車強盗』(1903)、D・W・グリフィス『イントレランス』(1916)、チャールズ・チャップリン『キッド』(1921)、ジョヴァンニ・パストローネ『カビリア』(1913)、ラオール・ウォルシュ『バグダッドの盗賊』(1924)などだ。興味を持たれた方は是非、劇場で確認して調べてもらいたい。

本作において、スコセッシ監督が描いた映画史には幾つかの矛盾や間違いもあるが、そんなことは創作上の都合であり些末な問題に過ぎない。肝心なのは、当時のパリを見事な映像を駆使して再現するなど、初挑戦となる3Dを最大限活用したスコセッシ監督のアプローチにある。映画初期のサイレント傑作を、私たちの前に示し、その素晴らしい魅力を提示してくれている。まさに心から映画を愛するスコセッシ監督ならでは演出なのだ。【Movie Walker】


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