• Movie Walker TOP
  • ニュース
  • 『永遠の僕たち』で幽霊役を演じた加瀬亮「ヘビーに描いたら痛い映画になったはず」
  • INTERVIEW

『永遠の僕たち』で幽霊役を演じた加瀬亮「ヘビーに描いたら痛い映画になったはず」

2011年12月21日 11:30

『永遠の僕たち』に幽霊役で出演した加瀬亮 | スタイリスト:梶雄太、ヘアメイク:宮田靖士(VaSO)

余命少ない少女と死に取りつかれた青年の恋を、『MILK』(08)のガス・ヴァン・サント監督が描いた青春ラブストーリー『永遠の僕たち』(12月23日公開)。本作の主人公の友人役として加瀬亮が出演している。しかも幽霊役! 気になる映画の中身や、ガス・ヴァン・サント監督の魅力、俳優業へ思いなどを加瀬本人が大いに語ってくれた。今回、加瀬が演じたのは、第二次世界大戦で戦死した特攻隊員ヒロシ。両親を事故で亡くしたばかりの主人公イーノックの話し相手として登場するだが、その佇まいは、至って普通だ。生きている人間のような距離感を保ちながら、イーノックに寄り添う。「監督はいつも挑戦されている人。今回はある意味、ファンタジーの要素もあるし、ベタなラブストーリーにはならないだろうなと思いました。僕の役は幽霊でしたが、生きている人と同次元にとらえる姿勢は監督らしいなと思いました。特攻隊については色々調べてたりしましたが、その知識を演技に持ち込むというよりも、その時代を生きた一人の青年の気持ちが動いていくことを大切にしました」。

加瀬とガス・ヴァン・サントの出会いは2003年。『エレファント』(03)のPRで来日した監督と雑誌の企画で対談したことがきっかけだった。「来日する度に連絡をくれて、一緒にご飯を食べたり、『今日キャストたちは暇だから、どこか連れて行ってやってくれ』とか言われたり(笑)。今回、監督から初めてメールがきて、『次の映画で役がありそうなんだけど、脚本読んで感想がほしい』と書いてあって。メールを返したら、『じゃあ、オーディションを受けてくれ』というのが今回の出演のきっかけですね」。

恋人の死期が近づき、死に対してどう向き合うべきか模索するふたり。だが、そこはガス・ヴァン・サント。ありがちなただの感動映画にはしない。儚くも美しい若いカップルの恋愛を、まぶしいほどポップに描いていく。加瀬は、監督の人柄は、そんな映画の中にも表れていると話す。「監督はすごく優しい。そしてキャパシティーが広い。映画からも、『たいしたことないよ』って監督が言ってくれてるように感じるんですよね。若い頃に感受することって大袈裟になりがちだけど、傍から見たら大したことないように見える。監督はそういうことを優しく包んでくれる。今回の作品は台本だけ読んでると、いかようにも描けたと思うんですが、絶対大袈裟にはしない。重たいことをそのまま描いたらもっとヘビーになったと思うし、もっとドラマティックで痛い映画になってたと思います」。

主人公イーノックを演じるのは、故デニス・ホッパーの息子ヘンリー・ホッパー。彼の相手役を務めるのは『アリス・イン・ワンダーランド』(10)のミア・ワシコウスカだ。劇中メインとなる加瀬を含む3人は、撮影以外の時間も一緒に過ごしていたようだ。「実際のヘンリーは、かなり感情的な部分もあるけど、それだけ純粋だってことです。パソコンを持って僕の部屋に来て、『この本がすごいんだ』とか、よく夜中まで話したりしてました。ミアは映画の中よりもずっと明るい子ですね。今でもメールをしたりしてますが、どちらかと言うとミアの弟との方が仲が良くて、連絡回数が多いかもしれません(笑)」。

クリント・イーストウッドの『硫黄島からの手紙』(06)がハリウッド進出となった加瀬。さらに本作は、カンヌ国際映画祭で高い評価を受けたこともあり、今後ますます国外問わずオファーが殺到するだろう。グローバルな活躍を続ける加瀬が作品を選ぶうえで大切にしていることとは? 「インディペンデントからパーソナル、個人的なところから始まって、最終的にパーソナルに届くもの。最近は、アジアの監督と何かできたら良いなと思います」。

そして演じることへの現在の心境を真っ直ぐに語ってくれた。「続けていられることに自分でも驚いてます。キツイ仕事だし、窮屈さを感じることも本当に多いし、僕は大した技術を持っていない。ただ、その時の等身大の自分からその役を精一杯演じて、作品ごとに環境と周りの人たちと交わっていきながら、普通に生きているだけだと忘れてしまったり、気付かないような奥底の感覚を、少しでも画面を通して伝えられたらと思います」。国内外で様々な現場を経験しながら、その魅力に磨きがかかっていく加瀬亮。『永遠の僕たち』は、そんな彼のさらなる活躍を感じさせてくれる作品だ。【取材・文/鈴木菜保美】

関連映画

関連映画ニュース

スタイリスト:梶雄太、ヘアメイク:宮田靖士(VaSO)| [c]2012 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.| [c]2012 J Storm Inc.| [c] RUBY FILMS (JANE EYRE) LTD./THE BRITISH BROADCASTING CORPORATION 2011. ALL RIGHTS RESERVED.