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“母と子”の視点から原発事故の先にある希望を見つめた貴重なドキュメンタリー

2011年12月17日 16:00

チェルノブイリと福島の子供たちを映し、原発事故の先にある希望を見出そうとするドキュメンタリー | [c]2011 T.O Entertainment, Inc.

史上最悪の大災害に直面した2011年が終わろうとしている。東日本大震災の被災地は着々と復興に向かっているようだが、福島第一原発事故による放射能の影響は今後どういった形で表れるかわからないため、未だに安心はできない。特に子供を持つ家庭にとって、これは極めて深刻な問題と言えるだろう。そんななか、チェルノブイリと福島に暮らす母子たちを追ったドキュメンタリー『子どもたちの夏 チェルノブイリと福島』が12月17日(土)より公開されている。

無邪気に遊ぶ子供と、それを見つめながらも神経質にならざるを得ない母親のコントラストが印象的な本作は、母親の目線から原発事故を見つめた貴重な作品だ。今回のように長期的な影響が懸念される事故が起こった場合、幼い子供を抱えた母親というのは、ある意味で最も見えにくい弱者となってしまう。そんなことを教えてくれる本作は、漠然と被害者全体を映したドキュメンタリーと較べて、強い説得力を持っていると言えるだろう。

また、実は本作の企画は3.11以前からあったものだそうで、もともとはチェルノブイリの原発事故から25年が経過したことを受けて、原発をめぐる問題について再考するためのドキュメンタリーだったという。そのため、事故直後に国家首脳部の反対を押し切って、多くの子供たちを救った最高会議の女性議長や、現地の医師や教師が語る現実から、チェルノブイリ事故の被害者たちにも深く迫った作品となっているのだが、それが良くも悪くも福島に暮らす家族の未来を映し出すものになったというわけだ。

母子が経験した原発事故を見つめた重みのある作品であると同時に、チェルノブイリの経験を福島の未来に活かそうとする作品でもある本作。ただ単に起きてしまったことを悲観するだけでなく、今後どのように生きていくべきかを考える母親たちの強さ、そしてこれから母親になる若い世代の将来に対する前向きな気持ちに、希望を見出すことができるはず。子供をお持ちの方にはもちろん、そうでない方にも是非見ていただきたい作品だ。【トライワークス】

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