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男女の本音を赤裸々に。黒崎博監督が語る『セカンドバージン』撮影秘話

2011年10月12日 14:49

不倫愛を純愛に昇華させた『セカンドバージン』 | [c]2011映画「セカンドバージン」製作委員会

アラフォー女性の性愛を赤裸々に綴り、話題を呼んだテレビドラマの映画版『セカンドバージン』(公開中)。鈴木京香演じるヒロインるいと、妻がいる年下男性・行(長谷川博己)の繰り広げる激情の愛は、ふたりのロマンスがささやかれるほどリアルだ。そこで、ドラマから引き続きメガホンを取った黒崎博監督に、作品の見どころと撮影裏話を聞いた。

「映画ならではの表現に挑戦した」と語る黒崎博監督は、大人の女性たちから支持を受けた理由について「赤裸々に本音を描いているから」と分析する。「るいにしても、決して格好良いスーパーウーマンなんかじゃなくて、行との恋愛の中で間違ったこともたくさん言うし、失敗もする。るいにとって恋愛は“血を流す覚悟があるもの”だから、行に対しても、周囲に対しても全力でぶつかる。だから、傷つくし、みっともないんだけど。そんな不器用な彼女を、鈴木京香さんが等身大の女性として昇華させてくれたから共感を呼んだんだと思います」。

辣腕出版プロデューサーのるいは、離婚後、仕事一筋に生きてきた。ところが、17歳年下で妻がいる行と出会ったことから、禁断の愛の世界に身を投じていく。映画版『セカンドバージン』では、突然るいの前から姿を消した行とマレーシアで再会するところから物語は始まる。舞台となったマレーシア郊外のクアラルンプールについて監督は、「どの川を見ても赤黒く濁った泥水が元気よく流れていて、原始的なパワーに満ちた場所。異国情緒たっぷりだから、無理に感情を作らずとも、自然と芽生えてくるので、スッと撮影に入っていけました」と語る。

だが撮影初日は、現地の声を録るシーンもあり「苦戦した」と監督は振り返る。「マレーシアは多国籍だから、1つのことを説明するだけでも、日本語、英語、マレー語、中国語、ヒンズー語が飛び交うんですね。伝言ゲームみたいに、少しずつ意図したことと違う風に伝わっていくんですね。結局、最後はジェスチャーで、目と目で通じ合わせる現場でしたね」。

話を聞いていると、何ともにぎやかな現場を想像してしまうが、スクリーンに映し出されるのは幻想的で静かな世界。その中で、銃弾に倒れ、死の淵をさまよう行と、それを献身的に支えるるいの愛が交錯していく。これについて監督は、「見た目は静かな物語なのですが、その静けさの裏では、ものすごい男女のバトルが繰り広げられている。るいも行も、心の中では激しく感情が揺れ動いているんです。この燃え盛っているバトルを楽しんでいただきたい」とアピール。行の妻・万理江(深田恭子)も乱入し、物語は濁流の中へと飲み込まれていく。

「とにかく鈴木さん、長谷川さん、深田さんの3人が、身も心もさらけだして、ドラマ以上に温度の高い芝居でぶつかりあってくれました。それぞれが達した新境地を堪能していただきたいです」と笑顔で監督が語る本作は、深まりゆく秋にぴったりな大人の恋愛ドラマ。マレーシアの美しい情景と共に、揺れ動く男女の濃厚な愛の世界にたっぷりと浸るのもお勧めだ。【取材・文/大西愛】

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