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異常なまでの緊張感! 拘束・軟禁状態の巨匠監督が完成させたサスペンス映画とは?

2011年8月27日 18:00

映画に漂う尋常じゃない緊張感は、監督が経験した軟禁生活のためか!? | [C]2009 R.P. FILMS - FRANCE 2 CINEMA - ELFTE BABELSBERG FILM GmbH - RUNTEAM III LTD.

『チャイナタウン』(74)や、アカデミー賞監督賞に輝いた『戦場のピアニスト』(02)などの作品で知られる巨匠ロマン・ポランスキー監督の最新作『ゴーストライター』が8月27日(土)より公開される。同作は、英国の元首相に自伝執筆を依頼されたゴーストライターの男が、期せずして国家を揺るがすほどの重大な秘密に迫ってしまうという本格サスペンス映画だ。

嫌々ながらもゴーストライターを引き受けた主人公の男は、前任のゴーストライターが不可解な事故死を遂げた事実や、雇い主である元首相がイスラム過激派に対する不当な拷問に関与していたのではないかという疑惑に直面する。不審を感じ、ひそかに調査を続けた主人公がたどり着いたのは、事の背後にちらつくCIAの影と、暗躍する意外な黒幕の存在だった。

前任者が遺した文書に隠された暗号の解読など、ミステリー的な謎解きの要素を盛り込みながら、圧倒的な緊張感で描ききることに成功しているのは、もちろんポランスキーの天性によるところが大きい。だが、本作にはもう一つの別の事情があることも忘れてはならない。というのも、本作を撮影終了後の2009年当時、ポランスキー監督は約30年前の少女への淫行容疑でスイス司法警察に拘束され、同国で軟禁状態に置かれていたのだ。マーティン・スコセッシ、ウディ・アレンら、世界の映画人が釈放を要求する嘆願書に署名し、拘束に抗議。だが軟禁は解かれず、何と監督はその状態のまま本作の編集・仕上げ作業を行ったという。

劇中では、元英国首相役のピアース・ブロスナンが対テロ戦争に絡んだ戦犯容疑をかけられ、その政治スキャンダルを追って報道陣が詰めかけるという不穏なシーンがある。そして、この元首相のモデルがトニー・ブレア元英国首相ではないか?と、原作小説の発表当時にマスコミが騒いだことも。そんな英国政界のスキャンダルを主題にすえた作品と、監督自身のスキャンダルが重なるという奇妙なリンクも見受けられ、映画全編に満ちた異様なまでの緊張感は、軟禁下という特殊な状態でこそ生み出すことが可能だったと考えるのは決して間違いではないだろう。

紆余曲折を経てのワールドプレミアとなった2010年のベルリン国際映画祭で映画は大絶賛され、見事に銀熊賞(監督賞)を受賞。原作小説の著者であるロバート・ハリスをして「小説より面白い」と言わしめたという。監督の個人的な境遇と本編の緊張感とが見事にリンクし、スクリーンに引きずり込まれるような極上のサスペンスを味わえる本作を、是非劇場でご覧いただきたい。【トライワークス】

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