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悩み抜いた櫻井翔と幸せだった宮崎あおい。『神様のカルテ』の深川監督が2人を語る

2011年8月24日 16:07

『神様のカルテ』のメガホンをとった深川栄洋監督

櫻井翔、宮崎あおいの共演作『神様のカルテ』(8月27日公開)のメガホンをとった深川栄洋監督にインタビュー。主人公の医師・栗原一止役に扮した櫻井の現場での苦悩や、パーマヘアのコンセプト、そして櫻井とは打って変わって現場を楽しんだという、妻・ハル役の宮崎について話を聞いた。

本作は、夏川草介の同名医療小説の映画化作品。24時間、365日対応の本庄病院で内科医を務める一止が、多忙な毎日を送りながら成長していく。深川監督は櫻井に「キラキラしないでほしい」というリクエストを出した。「地方の医療にまみれた、本当のお医者さんになってほしかったんです。服は奥さんが買ってきたものや昔からあるものを着ていて、髪の毛も2、3ヶ月間、切るタイミングを逃した髪型ってことで。自意識に気を配れない人の象徴として、くせ毛というものをやりたいと彼に言いました」。

そこで生まれたのが、あのパーマヘアだ。「とはいえ本作の撮影中も、彼には嵐としての仕事があるので、その兼ね合いがどうかなって思ったんです。でも、そこで引いてはいけないと思って、僕自身もパーマをかけ、他にもかつらを2つ用意して彼の元へ行き、『どれが良いですか?』って聞きました。本気だってことを伝えたくてね。そしたら、彼が『監督のパーマです』って選んでくれたので、かつらは使わず、地毛に天然パーマに見えるくせ毛を作ってもらいました」。

撮影が始まってからも、櫻井は演技について大いに悩んだと会見で言っていた。深川監督はその理由について、「役柄が何の答えも導き出せなかったから」と言う。「この表情ができたら大丈夫とか、相手を打ち負かせたらOKとか、そういう演技ではなかったので。一止は優しいから、いつも抑えている役柄で、櫻井くんは自分が何を撮っているのかもわからないという消化不良のまま、一日の撮影が終わっていく。でも、それで良かった。その苦しさや居心地の悪さがこの映画にとってとても大事なことなんだと彼に説明しました」。

でも、櫻井は後半の撮影で徐々に役へのアプローチの仕方を変えていった。「これからは、君が役を広げていく作業です、と言いました。そのためにクライマックスの撮影を最後の方に寄せていたんです。最初の頃、彼に言う言葉の量が100あったとしたら、その頃から30とか20に減っていきました。そして最後の方では、櫻井くんのどこを切っても一止っていうふうになっていました。でも、相当苦しかったと思いますよ。僕はストレッサーなので(苦笑)」。

その一方で、妻・ハル役の宮崎あおいは撮影をとても楽しんだとか。「脚本の段階で、ハルについてはどうやるかをはっきりと決めてなくて。彼女と長い時間、話をした時、熱い気持ちをぶちまけてくれたので、それを全部見てやろうと思いました。宮崎さんは、僕があまり出会ってこなかったタイプの女優さんでした。彼女にとって、役を演じるためのヒントはリアリティじゃないんです。映画という世界で幼い頃から生きてきた人なので、アプローチの仕方が違いました。撮影前にとことん話し合った分、撮影に入ってからはとてもリラックスしていて。彼女って嘘がつけない人なんです。現場では毎日、『幸せだ、幸せだ』って言ってました」。

櫻井と宮崎について、深川監督は『時代が産んだスターどうし』と表現する。「櫻井くんはテレビの世界や、アイドル業界で生きてきたスター。宮崎さんは時代が選んできた映画スター。畑は違うけど、ふたりとも紛れもないスター。その片鱗をふたりから感じました」。

深川監督の緻密な設計図の元で紡がれた『神様のカルテ』。病院内のドラマがメインだが、ふたりが演じた病院の外の夫婦の物語も実に味わい深い。本作は幾層もの人間ドラマが堪能できる良作だ。【取材・文/山崎伸子】

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