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ジョン・ウーが台湾の新鋭監督とタッグ。彼に惚れ込んだ理由とは?

2011年8月25日 14:00

『レイン・オブ・アサシン』のジョン・ウー監督(左)とスー・チャオピン監督を直撃

ミシェル・ヨーとチョン・ウソンという2大スターが共演した武侠アクション映画『レイン・オブ・アサシン』が8月27日(土)より公開される。本作で来日したジョン・ウー監督と、台湾の新鋭監督スー・チャオピンを直撃した。『レッドクリフ』2部作の大ヒットも記憶に新しいジョン・ウー監督が、新鮮な武侠映画というジャンルで若手監督とタッグを組んだ理由とは?

『レイン・オブ・アサシン』は女刺客が忌まわしい過去と決別し、新しい人生を切り開こうとする物語。ジョン・ウーが本作を手掛けたのは「スー監督のオリジナル脚本のシノプシスを読んだ時、今までにない武侠映画になると思ったから」だという。「まず、人間が描けている。そしてアクションの全てが、登場人物の性格やストーリーの必然性に従って出てくる点です。含蓄があり、ただ技を見せるためのアクションではなかった。私は『シルク』(06)以来、スー監督を買っていたので、彼の夢を実現するお手伝いをしたいと思いました」。スー監督は「ジョン・ウー監督の監修で、私のようにキャリアが浅い監督が武侠映画をやれたのは非常に幸運なことです」と恐縮する。

女性が主役の武侠映画という点も興味深い。スー監督によると、「今は男女平等の社会。でも、武侠映画は男性中心で、女性像を反映させた映画ってあまりなくて。だから、是非現代の女性像を映画の中に織り込みたかったんです」とのこと。このポイントをウー監督も気に入り、本作では監修に徹したが、そこには後続の監督を育てたいという思いがあったようだ。「今はなかなか才能のある若い人が監督をする機会って簡単にはないんです。投資方面や映画製作会社とのやりとりが非常に難しいから。だから、彼らが自分の夢や理想を映画化するお手伝いをしたいと以前から思っていました」。

ウー監督が思う、良い監修者であることの条件はこうだ。「優れた才能を見抜けること。やはり映画を撮ることは慈善事業じゃない。この監督だったら、きっと映画の質を保障できる、観客も動員できるという見通しが必要です。そして、監修者は、監督のためにいろんなトラブルを解決し、スタッフとのコミュニケーションの手助けもしなければいけない。スー監督はアクションものを撮ったことがなかったので、アクション監督とのやりとりや、カメラワークなどで、私は色々なアドバイスをしました。でも、だからといって、作品の意図にまで口出ししては駄目。この作品はスー監督作のもので、ジョン・ウー監督作にしてはいけなかったから」。

ベテランが若手を育てるのは素晴らしいことだが、我々はジョン・ウー監督作ももっと見たい。そこで今後の予定について聞いてみた。「ハリウッドでは、今までのような、いわゆる超大作ではないけど、幾つかの企画が進行中です。今、考えているのが、アラン・ドロンの『サムライ』(68)のリメイク映画で、これはフランスとアメリカの合作になると思います。また、監修作としては、かつて私が撮った『狼 男たちの挽歌・最終章』(89)のリメイク作品『ザ・キラー』が動いてます。その他、中国で2本、日本でも2本ほど企画があります」。

それを聞いて一安心だ。監督としても、プロデューサーとしても、精力的な活躍ぶりを見せるジョン・ウーはやっぱり器の大きい人だ。そしてそんな巨匠の眼鏡に叶ったスー監督も『レイン・オブ・アサシン』でかなりお株を上げそうな予感がする。是非、スー監督にもジョン・ウーのようにアジアの枠に留まらず、ワールドワイドな作品を届けてもらいたい。【取材・文/山崎伸子】

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