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『大鹿村騒動記』の松たか子が語る、原田芳雄らとの「木綿のハンカチーフ」

2011年7月13日 10:16

原田芳雄主演の人情喜劇『大鹿村騒動記』に出演した松たか子

原田芳雄が映画化を切望し、阪本順治監督と7本目のタッグを組んだ人情喜劇『大鹿村騒動記』(7月16日公開)に出演した松たか子にインタビュー。本作で、原田芳雄、大楠道代、岸部一徳らベテランの名優陣と共演した、濃くて愉快な撮影裏話を語ってもらった。

長野県大鹿村で300年以上続く村歌舞伎を背景に、個性あふれる村人たちの人間模様を明るくユーモラスに、ちょっぴりほろ苦く綴った本作。松が扮したのは、都会の彼と遠距離恋愛中である村役場総務課の織井美江役だ。まずは、本作に出演した理由から聞かせてくれた。「面白そうな話だったし、原田さんや大楠さんら先輩方とご一緒できるなんて、それだけで是非現場を経験したいと思いました。また、阪本監督とも仕事をしたことがなかったので、是非とも出演したかったです」。

ベテラン勢と共演した現場は「本当に面白かったです」と笑顔で語る松。「メイキングを回しておけば良かったって思うくらい、あの映画そのままの夢のような時間でした。会話の全てが面白いんです。また、原田さんの情熱や思いを、長いお付き合いで仲間のような存在の皆さんが、何も言わずに受け取って、それをそのまま表現している。その関係性が温かく物語に反映されているなんてすごく素敵。皆さん軽やかで、お芝居の上手な人たちばかりだったから、見ているだけで勉強になりました」。

原田と岸部と松の共演シーンで言えば、ふたりが美江の恋愛を「木綿のハンカチーフ」を絡めてからかうやりとりが爆笑ものだ。「あのシーンは初日だったし、1カットで撮るってことでものすごく緊張しました。でも、原田さんのような風貌の人が、あの歌を歌う姿はそれだけで面白いので、とても素直にリアクションができて、緊張どころじゃない感じでした(笑)。私はただ、岸部さんからの流れを止めてはいけないと思っただけで。毎回アドリブのようで、皆さんの存在感が新鮮だったので、それにどう対応できるかってことが面白かったです。映画全体の雰囲気はとても緩そうに見えるけど、志しているところは非常に高いというか、喜劇ってこうやって緊張感を保って作られていくものなんだと思いました」。

ロケをした大鹿村でのお弁当のエピソードが面白い。「全然苦情じゃないんですが、お弁当を開けたら、ご飯とお漬物、焼きそば、みかんがゴロンと入っていて。きっと大鹿村にはこれまでこんなに大勢の撮影クルーが来ることなんてなくて、お弁当屋さんや仕出し屋さんがないから、皆さんで手分けをしてお弁当を作ってくださったんだなあと思って、とても嬉しくなったんです。本当に皆さん素朴で、小さな村だから助け合って生きていらっしゃる中に、今回私たちがお邪魔したというか、ちょっとの間だけ仲間に入れてもらったんだって感じました」。

最後に、映画、舞台、テレビドラマ、ミュージシャンとして幅広く活躍する彼女に、今後の抱負を聞いてみた。「お芝居も歌も上手くなりたいって思うくらいですね。カメラの前でも、舞台の上でも、ライブでも、そこで普通にいられるような人になりたいです。映画向きとか、テレビ向き、舞台向きのことをするのではなく、そこにいる時はそこの人だって見た人が思ってもらえるような役者さんになりたい。今は何の力も入っていないけど、頑張らなきゃ、無理をしなくちゃいけないと思う瞬間って、1つの作品で必ず1回はあるんです。そこで集中できるかどうか。辛いのは今だって苦しめるのが幸せだと思っています」。【取材・文/山崎伸子】

松たか子オフィシャルサイトはこちらから

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