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大林宣彦監督は「次回作のロケハンに出かけました」…妻・大林恭子プロデューサーが追悼コメント

2020年4月14日 18:32

4月10日の午後7時23分に、82歳で永眠した映画作家、大林宣彦監督。奇しくも同日が、20年ぶりに故郷である尾道を舞台にした『海辺の映画館-キネマの玉手箱』(近日公開)の公開予定日だった。2016年にステージ4の肺がんと診断され、余命3か月を宣告されながら、最後まで映画作りと向き合った大林監督の作品において、プロデューサーを務めてきた夫人の大林恭子より、愛と感謝に満ちたコメントが到着。「私との63年間の日々は、文学と音楽と映画の日々。いつも監督の口癖は『眠るのは死んでから充分眠れるのだから眠るなんて勿体ない』と本当に眠りませんでした」と監督との日々を振り返った。下記にて、全文を掲載する。

大学在学中に出会った恭子夫人と、生涯の伴侶として連れ添った
大学在学中に出会った恭子夫人と、生涯の伴侶として連れ添った[c]2020「海辺の映画館-キネマの玉手箱」製作委員会/PSC

<大林恭子コメント>

この度、監督は、次回作のロケハンに出かけました。連日連夜、映画の夢の中、撮影現場にいるらしい監督は元気な声で「ヨーイ、スタート。カット。オーケー。皆、お疲れさん、ありがとう」。毎晩その楽しそうな声に私は目を覚まし、「お疲れさま、ありがとう」と答えていました。数日前、真夜中に講演らしきお話をしていました。そんな中「岩井君、手塚君、犬童君、塚本君たちが映画をつないで平和な世の中に……」と、とぎれとぎれ聞こえてくる言葉、いつもと変わらない最後の言葉「ありがとう」。そして、監督が繰り返した「皆さん、ありがとう」を監督の遺言としてお伝え致します。

私との63年間の日々は、文学と音楽と映画の日々。いつも監督の口癖は「眠るのは死んでから充分眠れるのだから眠るなんて勿体ない」と本当に眠りませんでした。今頃、ロケハンの途中の天国村で、黒澤明監督や本多猪四郎監督、立川談志さん、高畑勲監督、和田誠さんにお会いして、映画談義が尽きることなく、やっぱり眠っていないのではと思います。

まだまだあふれる才能の持ち主、彼にあと三倍の映画の時間をあげたかった。大林作品を愛して下さったすべての人に監督の「ありがとう」をお伝えしたく存じます。

「ありがとう」の言葉に、毎晩、私からも監督に「ありがとう、愛してる」と真夜中の涙。

すると「お休み……」と返事が…。今頃ロケハンで未知なる道を見つけてくれていることと思います。 

2020年4月14日 大林恭子

 遺作となった『海辺の映画館-キネマの玉手箱』は、近日公開予定
遺作となった『海辺の映画館-キネマの玉手箱』は、近日公開予定[c]2020「海辺の映画館-キネマの玉手箱」製作委員会/PSC

文/編集部

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