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“ダバダバダ”…53年経っても色あせない『男と女』に漂う大人の色香<写真12点>

2020年2月01日 21:30

『男と女』(66)から53年の年月を経て、オリジナルスタッフ&キャストにより、その後が描かれたことでも大きな話題を集めている『男と女 人生最良の日々』(公開中)。『男と女』は1966年の公開当時、日本でも一大センセーションを巻き起こし、その後のフランス映画ブームの火付け役にもなった作品だ。では、なにがそこまで人々を惹きつけたのだろうか?

53年ぶりの続編となる『男と女 人生最良の日々』 | [c]2019 - Davis Films - Les Films 13

『男と女』は、そのタイトル通り、ある男と女の関係を描いた恋愛映画の金字塔。スタントマンの夫を亡くした女性アンヌ(アヌーク・エーメ)は、娘を寄宿学校に入れ、自分はパリで一人暮らしをしていた。娘に会いに寄宿学校へ行った帰り、パリ行きの列車に乗り遅れてしまった時、そこでパリまで送ってくれるというレーサーの男性、ジャン・ルイ(ジャン=ルイ・トランティニャン)と出会う。彼も自殺で妻を亡くすという悲しい過去を持ち、息子を寄宿学校に預けているという同じ境遇にあり、二人は自然と惹かれ合い恋に落ちる…というシンプルな物語が展開していく。

フランシス・レイの“ダバダバダ〜”の音楽も話題を集めた | [c]1966 Les Films 13

本作の特徴と言えば、まずはなんと言ってもいま観ても新鮮に映る映像美だ。現在、CMやMVなどから映画に進出する監督は多いが、『男と女』を手掛けたクロード・ルルーシュ監督はその先駆けとも呼べる存在。ジュークボックスで流れるスコピトーンと呼ばれる映像を量産してきた。コマーシャル出身ならではの洗練されたセンスが『男と女』でも活かされており、カラー、モノクロ、セピアの使い分けや、実際のレースシーンを挿入するといった巧みな映像演出で、登場人物たちの心の機微を表現している。

時にセピアになったりとオシャレな映像が話題を集めた(『男と女』) | [c]1966 Les Films 13

大人の恋愛事情が描かれる『男と女』 | [c]1966 Les Films 13

さらに、“ダバダバダ~”のフレーズ(スキャット)でおなじみのフランシス・レイによる印象的な主題歌や、少ないセリフとリアルな心理描写で、暗い過去を感じさせる大人の恋愛が映しだされていくという点でも、よくあるラブストーリーとは一線を画す作品だった『男と女』。その年のカンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを獲得し、アカデミー賞でも最優秀外国語映画賞を受賞するなど、興行と評価の両方の面で成功を収めた。

【写真を見る】53年ぶりにオリジナルキャストとスタッフが集まった、奇跡の作品とは?(『男と女 人生最良の日々』) | [c]2019 - Davis Films - Les Films 13

そんな『男と女』から53年後を描いた『男と女 人生最良の日々』は、過去の映像を散りばめながら、アンヌとジャン・ルイの現在を描いていく。老人ホームで暮らし、かつての記憶を失いかけているジャン・ルイ。彼の息子はそんな父を心配し、彼がずっと追い求めているアンヌを捜し出すと「もう一度、父に会ってほしい」と申し出る。後日、久しぶりの再会を果たすが、ジャン・ルイは相手がアンヌだと気づかずに彼女への想いを話し続け、アンヌはいかに自分が愛されていたのかを知る。そして二人は、思い出の地であるノルマンディーへと車を走らせていくことに…。

年月を経たからこその男と女の姿が描かれていく(『男と女 人生最良の日々』) | [c]2019 - Davis Films - Les Films 13

『男と女』の続きを描いていながらも、前作の力に頼りすぎず、ルルーシュ監督が思い描く自立した作品として成立している本作。“人は晩年、寛容になれる”という、53年待ったからこそのオリジナルとは異なる男女の姿が描かれており、実生活でも様々な経験をしてきた俳優たちの演技からも、その年月がもたらす力を感じ取ることができる。また、2018年にこの世を去ったフランシス・レイの遺作でもあり、彼が手掛けた名曲の数々には酔いしれてしまうことだろう。


53年を経て、その年月が新たな魅了を生みだしている本作。オリジナルのスタッフ、そしてキャストが集結した“奇跡のような映画”の世界に、ぜひ浸ってみてほしい。

文/トライワークス

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価格:3,900円+税
発売元:ドマ、ハピネット
販売元:ハピネット

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