橋本環奈と小関裕太『シグナル100』で感じた、怒号も飛び交う緊張感 |最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
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インタビュー 2020/2/5 19:45

橋本環奈と小関裕太『シグナル100』で感じた、怒号も飛び交う緊張感

『シグナル100』で共演した橋本環奈と小関裕太
『シグナル100』で共演した橋本環奈と小関裕太撮影/野崎航正

宮月新原作、近藤しぐれ作画による同名コミックを、橋本環奈主演で実写映画化した『シグナル100』(公開中)。深作欣二監督作「バトル・ロワイアル」シリーズなどの系譜を汲む“デスゲーム映画”の本作では、令和時代を担う若手俳優陣がしのぎを削る熱演を見せている。主演の橋本と、共演の小関裕太に「とても熱かった」という現場の撮影秘話を伺った。

ある日突然、担任教師の下部(中村獅童)から、特定の行動を取ると自ら命を絶ってしまう “自殺催眠”をかけられた36人の高校生たち。「スマホを使う」「涙を流す」「あくびをする」など、催眠を発動させるシグナルは、全部で100あるようだが、そのすべてを把握できるわけではない。そして生存者が残り1名になるまで、催眠は解けないという。次々と生徒が自殺に追い込まれていくなかで、人間の本性が暴かれていく。

橋本は、主人公の樫村怜奈役を、小関は怜奈に想いを寄せるサッカー部の榊蒼汰役を、中村獅童が狂気に満ちた下部先生役を演じた。メガホンをとったのは『春子超常現象研究所』(15)の竹葉リサ監督で、「GANTZ」シリーズの渡辺雄介が脚本を手掛けた。

「マイペースともちょっと違う“小関裕太ワールド”でした」(橋本)

【写真を見る】橋本環奈と小関裕太のナチュラルな表情がたまらない!
【写真を見る】橋本環奈と小関裕太のナチュラルな表情がたまらない!撮影/野崎航正

スタッフ陣が本作での橋本の座長ぶりを絶賛しているが、橋本自身は「デスゲームを繰り広げている現場とは思えないくらい、皆がもともとすぐに打ち解けて仲良くて楽しかったから、自分が座長としてなにか意識して特別なことをやったということはないです。撮影期間中は、常陸大宮に泊まり込みで、皆ずっと一緒にいたから、クラスメートとしての空気感を自然と出せて良かったと思います」と言うが、小関は「僕は、すごい座長だなと思いました。年下だけど、年下に思えなかったです」と橋本の座長ぶりをリスペクトする。

「すごいと思ったのは、生徒役全員の名前を初日から覚えていたことです。この物語はどんどん人が死んでいくし、死に様だけの演技だけでは、その子が一体どんな子なのかはわからないから、コミュニケーションを取るうえで、名前を覚えるということは必要だったのかもしれない。でも、36人もいたわけだから、そこはなかなかできないことだなと思いました」。

しかも橋本は、役名と本名の両方を覚えていたという。橋本は、小関が現場で自発的に行っていた気遣いが印象的だったそうだ。

突如、担任教師、下部(中村獅童)によって自殺催眠をかけられた36人の生徒たち
突如、担任教師、下部(中村獅童)によって自殺催眠をかけられた36人の生徒たち[c]2020「シグナル100」製作委員会

「36人もいたので、なにかアクションを起こすにしても、全員が揃った撮影では、監督も演出をつけたり、撮影したものを確認したりするのにけっこう時間がかかったんです。でも、小関さんは、監督やスタッフさんとのやりとりを率先してされていました。最初に小関さんがそういう仲の良い空気感を作ってくれたから、生徒や中村獅童さん、スタッフさんとの距離感がつかみやすくなったんです」。

小関は「うれしい。1年も前のことなのに覚えてくれていたんだ。ありがとうございます!でも、しゃべっていて、けっこう怒られた気もするんだけど」と苦笑いする。橋本が「そうそう。『ちょっと!静かにして』と、監督に言われた時もありましたよね」とツッコみ、小関が「ありました!」と笑うと、橋本は「そういうことも込みで、楽しませてくださってありがたかったです」と小関に感謝を述べた。

また、橋本は「小関さんはおもしろい立ち位置でした」と小関のムードメーカーぶりも明かす。「みんなで話していても、ちゃんと輪に入っているのに、なぜか1人だけ独自の空気感を持っているんです。マイペースともちょっと違う、まさに“小関裕太ワールド”でした。たとえば、AB型の人をすぐ当てられるとか」。

2人ともAB型だそうだが、小関によると、「AB型の人は、独特のテンポ感があって、自分の好きな空間や好きなものがはっきりしている人が多いんです」とのことだ。「AB型は、世界的に見ても数が少ないけど、ふと見渡すとけっこういます。この業界もAB型が意外と多い気がしますが、今回の現場もそうで、居心地が良かったです」。

「緊張感がゆえに怒号が飛び交う時もありましたね」(小関)

怒号も飛び交う緊張感があったという現場について語った2人
怒号も飛び交う緊張感があったという現場について語った2人撮影/野崎航正

クラスメートが次から次へと自ら命を絶っていくという壮絶な内容の本作。橋本は「最初と最後には、中村獅童さんも含め、皆で楽しくアドリブを入れたワイワイしたシーンもあったのですが、やはり1人ずつ死んでいくシーンは、ピリっとした緊張感がありました」と言うと、小関も「緊張感がゆえに怒号が飛び交う時もありましたね」とうなずく。

「演じるうえで、“シグナル”によるいろいろな制約があるので難しいんです。たとえば、相手の胸ぐらをつかむにしても、暴力的なやり方だとシグナルが発生するけど、相手を守るために力強くつかむのはシグナルに引っかからなかったりするんです」と言うと、橋本も「“10秒以上見つめあう”というのもダメなので、目をそらさなきゃと、焦ったこともありました」と、100あるシグナルに触れないように意識しながら演じることに苦労したようだ。

さらに、橋本が「自殺するシーンでは特殊メイクもすごかったです。本作は学園モノと言いつつ、ただの学園モノではないので。皆が必死でした」と言うとおり、生徒たちが無残な死を遂げるシーンはかなりリアルで息を呑む。

小関も「戦争映画みたいに闘うシーンもありました」とうなずく。「毛細血管が切れていたんじゃないかなと思う演技も見ました。ある人は自分で息を止めながらすごく力ませることで、目を血走らせながら演じていて、すごいなと思いました」。

『シグナル100』は公開中
『シグナル100』は公開中[c]2020「シグナル100」製作委員会

橋本も「非現実的すぎて、リアルには演じられないんですが、だからこそ、皆がお互いに限界点を突破しあった現場でした」と、現場での一体感を口にした。「そういう意味では、相手がいるからこそ成り立っていた部分が大きかったのかもしれない。1人でも欠けてしまうと、全体的にパワーダウンしてしまうので、皆の熱量をすごく感じました」。

小関も「だから演技のうえでも、どれだけ1人の死が重いのかを考えて演じていきました。まさに、皆で作っていった感覚でした」と、ワンチームになって取り組んでいたと言う。

連載当初から、壮絶な描写に実写化不可能と言われていた『シグナル100』。映画版も、最初から最後まで予断を許さない衝撃作となっているが、なんといっても役者たちの闘魂ぶりがすばらしい。役柄でも普段でも、凛とした頼もしさを感じさせる橋本と、同じくらいの熱量で現場に臨んだ小関はもちろん、必死に爪痕を残そうと大奮闘したほかの新進俳優陣も含めて注目してほしい。

取材・文/山崎 伸子

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