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ショーケン、ルトガー・ハウアー、アンナ・カリーナ…2019年にこの世を去った映画界のレジェンドたち

2019年12月31日 23:50

まもなく新年を迎えるが、2019年も監督や俳優など多くの映画関係者たちがこの世を去っていった。そんな彼らを偲んで、その功績を振り返っておきたい。

強烈な個性を放った日本のレジェンドたち

多くの巨星が去った2019年。中でも大きな話題となったのが、“ショーケン”こと萩原健一だ。たび重なるトラブルなど、まさに“永遠の不良”と呼ばれるような波乱に満ちた68年の人生だった。

1967年、17歳の時にザ・テンプターズのボーカルとしてデビューし、ヒット曲を連発すると『約束』(72)での高評価をきっかけに、本格的に俳優へ転向。マカロニ刑事を演じたドラマ「太陽にほえろ」や「傷だらけの天使」などで人気を博した。また映画でも『八つ墓村』(77)や『226』(89)などで強烈なインパクトを放った。また神代辰巳監督とのコンビでも知られ『青春の蹉跌』(74)、『恋文』(85)など数々の名作を作り上げた。

萩原健一のインタビュー集「ショーケン 別れのあとに天使の言葉を」
萩原健一のインタビュー集「ショーケン 別れのあとに天使の言葉を」

そんな彼が「キネマ旬報」「STUDIO VOICE」に遺したインタビューをまとめた本「ショーケン 別れのあとに天使の言葉を」が発売。神代辰巳、深作欣二、工藤栄一、鈴木清順、中島貞夫、そして黒澤明など、名だたる監督たちと出会ったショーケンだからこそ口にできる言葉が詰まったものになっている。ぜひ彼の映画への想いを感じとってほしい。

昨年9月に亡くなった妻・樹木希林の後を追うかのように、今年3月に79年の生涯を終えたのが内田裕也だ。歌手として1950年代にデビューした内田だが、俳優としても数多くの作品に出演。『ブラック・レイン』(89)では、松田優作演じる佐藤の子分の梨田を演じハリウッド進出も果たした。

作り手としても、数々の作品に携わり『コミック雑誌なんかいらない!』(86)では、脚本と主演を担当。テレビレポーターを演じキネマ旬報賞主演男優賞、報知映画賞主演男優賞を、毎日映画コンクールでは共同脚本の高木功とともに脚本賞を受賞。それ以外にも、企画・主演で名を連ねた若松孝二監督の『水のないプール』(82)や、プロデューサーと脚本を担った若松監督の『エロチックな関係』(78)など、多くの作品を生みだした。

また『羅生門』(50)、『雨月物語』(53)、『地獄門』(53)など出演作が海外映画祭で次々と賞を受賞したことから“グランプリ女優”と呼ばれ、ハリウッドの『八月十五夜の茶屋』(56)ではゴールデン・グローブ賞にノミネートされるなど、世界でもに活躍した京マチ子も5月に95歳で逝去。彼女以外にもアカデミー賞を受賞した『宮本武蔵』(54)など数々の作品に名を連ねた八千草薫や『黒い雨』(89)『うなぎ』(97)といった今村昌平作品で見事な演技を見せた市原悦子といった日本が生んだ名女優たちが生涯に幕を下ろした。

作り手では『鉄道員』(99)で日本アカデミー賞監督賞・脚本賞を受賞した降旗康男や、彼が助監督を務めた『陸軍残虐物語』(63)で監督を務め『新幹線大爆破』(75)『人間の証明』(77)など“ミスター超大作”と親しまれた佐藤純彌など多くの巨匠がこの世を去った。

海外のレジェンドたちも…

『ブレードランナー』などで知られるルトガー・ハウアーは75歳で生涯に幕を下ろした
『ブレードランナー』などで知られるルトガー・ハウアーは75歳で生涯に幕を下ろした写真:SPLASH/アフロ

『ブレード・ランナー』(82)でハリソン・フォード演じるデッカードと対峙するレプリカントのロイ・バッティ役で強烈なインパクトを放ったオランダ人俳優ルトガー・ハウアーも7月に75歳で逝去。『SPETTERS/スペッターズ』(80)、『女王陛下の戦士』(77)など同郷のポール・バーホーベン監督作に数多く出演した。

『女と男のいる舗道』は4Kデジタルリマスター版として日本初上映される
『女と男のいる舗道』は4Kデジタルリマスター版として日本初上映される[c]1962.LES FILMS DE LA PLEIADE.Paris
『女は女である』などで知られるアンナ・カリーナも12月にこの世を去った
『女は女である』などで知られるアンナ・カリーナも12月にこの世を去った[c]1961 STUDIOCANAL - Euro International Films,S.p.A.

ジャン=リュック・ゴダール監督の元妻であり『気狂いピエロ』(65)などフランスにおける映画の刷新運動「ヌーベルバーグ」の数々の作品に出演した女優のアンナ・カリーナも79歳で12月に亡くなった。そんな彼女の主演作『女と男のいる舗道』(62)の4Kデジタル・リマスター版と『女は女である』(61)が、2月21日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMAほかにて実施される特集上映「ミシェル・ルグランとヌーヴェルヴァーグの監督たち」で上映される。彼女のスクリーンでの姿をこの機会に目に焼き付けたい。

【写真を見る】ピーター・メイヒューら2019年にこの世を去った巨星たち
【写真を見る】ピーター・メイヒューら2019年にこの世を去った巨星たち写真:SPLASH/アフロ

彼ら以外にも、現在公開中の『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』にも登場しているチューバッカを『〜新たなる希望』(77)から『〜フォースの覚醒』(15)まで約40年にわたって演じ続けたピーター・メイヒューも74歳で亡くなり、『イージーライダー』(69)のピーター・フォンダや『ジャッキー・ブラウン』(97)のロバート・フォスター、『マーダー・ライド・ショー』(03)のシド・ヘイグといった多くのレジェンドたちがその生涯を終えた。また『ボーイズ'ン・ザ・フッド』(91)を手掛け24歳の若さでアカデミー賞監督賞・脚本賞にノミネートされたジョン・シングルトン監督は、51歳の若さでこの世を去り、まだまだ彼の作品を観たかったもの。

そして今年はアニメ制作会社、京都アニメーションでの非常に痛ましい事件も起きた。故人の方々のご冥福を心からお祈りしたい。

文/トライワークス

■「ショーケン 別れのあとに天使の言葉を」
著者:萩原健一
定価:2,000円+税
仕様:四六判 /260ページ
発行:立東舎
発売:リットーミュージック
URL:http://rittorsha.jp/items/19317411.html

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