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映画10本分楽しめる!『カツベン!』“こだわり”が凝縮された劇中映画全まとめ<写真21点>

2019年12月18日 11:30

サイレント映画時代の日本で活躍した“活動弁士”が巻き起こす騒動を『Shall we ダンス?』(96)の周防正行監督が描いた『カツベン!』(公開中)。セットや小道具など、大正時代の日本を再現した徹底ぶりでも話題を集めている本作は、劇中で上映されている映画にも周防監督のこだわりが詰まっている!

城田優と草刈民代が共演した『椿姫』の再現映画
城田優と草刈民代が共演した『椿姫』の再現映画[c]2019「カツベン!」製作委員会

『カツベン!』は、無声映画にしゃべりで説明をつける日本独自の文化で、スター的な存在とされた“活動弁士”にスポットを当てたコメディ。青年の俊太郎(成田凌)が、流れ着いた町の活動写真小屋・靑木館で雑用として働き、様々なトラブルに見舞われながらも、憧れの活動弁士を目指して奮闘していく。

活動弁士に憧れる青年が巻き起こす騒動を描く
活動弁士に憧れる青年が巻き起こす騒動を描く[c]2019「カツベン!」製作委員会

本作を語るうえで外せないのが、靑木館やそのライバルであるタチバナ館などで上映される無声映画たち。これらは「自分が撮った大正時代の中に、本当に大正時代に撮影された作品があると、違った時制、つまり“大過去”があるようで違和感があった」という監督のこだわりから、なんとすべて新作として一から作られている。例えば、映画の冒頭で無声映画の撮影風景が描かれるのだが、そのシーンで(実際に)撮影されていた映像が『後藤市之丞』という作品として映画館の場面でスクリーンに映し出されていくのだ。

重要な劇中作品となる『後藤市之丞』の撮影
重要な劇中作品となる『後藤市之丞』の撮影[c]2019「カツベン!」製作委員会

これ以外にも、主演作が千本以上と言われる尾上松之助の『怪鼠伝』(1915)のたった1枚現存するスチール写真から着想を得た『怪猫伝』や、映像が残っていない『南方の判事』(1917)の有名な一説を元ネタにした『南方のロマンス』、のちに国定忠治と夫婦になる博徒・お万を描いた『火の車お万』(1923)をアレンジした『火車お千』と、本作で脚本を担当する片島章三が新たに物語を作り出したオリジナル映画の数々が劇中で流されていく。

『火の車お万』に着想を得た『火車お千』
『火の車お万』に着想を得た『火車お千』[c]2019「カツベン!」製作委員会
【写真を見る】上白石萌音、城田優らが『カツベン!』の劇中映画に登場<写真21点>
【写真を見る】上白石萌音、城田優らが『カツベン!』の劇中映画に登場<写真21点>[c]2019「カツベン!」製作委員会

また尾崎紅葉の小説を原作とした『金色夜叉』(1912)や特殊メイクでオリジナルそっくりのクァジモドを描き出した『ノートルダムのせむし男』(1923)、紅海が真っ二つに割れるシーンを再現した『十誡』(1923)にアレクサンドル・デュマの名作『椿姫』(1921)。さらに度々映画化されている新派悲劇の代表作『不如帰(ほととぎず)』(1922)と大衆演劇の定番のひとつ『国定忠治』(1924)といった名作たちを忠実に再現した劇中映画も登場。オリジナルのものと合わせ本作のために実際に撮影された映画は、なんと10作品にも及ぶのだ。

『ノートルダムのせむし男』の再現では、巧みな特殊メイクが施されている
『ノートルダムのせむし男』の再現では、巧みな特殊メイクが施されている[c]2019「カツベン!」製作委員会
シャーロット・ケイト・フォックスは『南方のロマンス』に登場
シャーロット・ケイト・フォックスは『南方のロマンス』に登場[c]2019「カツベン!」製作委員会

しかも、それらの映画は可能な限り35mmのモノクロフィルムで撮影が行われたという徹底ぶり。さらに『椿姫』の城田優と草刈民代のほか、上白石萌音やシャーロット・ケイト・フォックスなど、豪華なキャストが起用されておりクオリティもお墨付きなのだ。

可能な限り35mmのモノクロフィルムを使用した撮影が行われた
可能な限り35mmのモノクロフィルムを使用した撮影が行われた[c]2019「カツベン!」製作委員会
唯一の実在の映像となる『雄呂血』
唯一の実在の映像となる『雄呂血』[c]2019「カツベン!」製作委員会

エンドロールには、二川文太郎監督による『雄呂血(おろち)』(1925)の実在の映像が流れるなど、細部にまで無声映画への最大限のリスペクトを込めた周防監督。そのこだわりっぷりを、ぜひスクリーンで感じてほしい。

文/トライワークス




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