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「観た後に感想を話し合いたい作品」現役東大生芸人が『空母いぶき』を大解剖!場面写真42枚も一挙公開

2019年12月05日 18:00

それぞれの持つ信念のぶつかり合いも『空母いぶき』の見どころの1つ | [c]かわぐちかいじ・惠谷治・小学館/『空母いぶき』フィルムパートナーズ

謎の武装集団によって領土が占領されるという事態に遭遇した日本を舞台に、現場へ向かう航空機搭載型護衛艦「いぶき」のクルーたちの戦いと、それぞれの持つ信念のぶつかり合いを、西島秀俊、佐々木蔵之介ら豪華キャストで映画化した『空母いぶき』(19)。

本日12月5日に『空母いぶき』Blu-ray&DVDが発売されたことを記念して、現役東大院生でもあるお笑い芸人、XXCLUBの大島育宙が徹底解説。年間100本以上の映画を観る映画通で、独自の切り口で新作映画のおもしろさをレクチャーするYouTubeチャンネル「コンテンツ全部見東大生」でも注目を集めている彼は、果たして『空母いぶき』をどう観たのか。

現役東大院生芸人、XXCLUBの大島育宙

――『空母いぶき』を観た率直な感想を教えてください。

「近未来の話と言いながら完全に現代の話だったし、『エンド・オブ・ホワイトハウス』などの、政治の現場で起こる事件を描いたパニックアクション映画を日本が本気で作ったらこうなるのかな?という感触が味わえておもしろかったです。そこに憲法などリアルな問題が乗っかっているというふうに考えたら、誰もが観やすいんじゃないですかね」

――描写やディテールでリアルだなと思われたところは?

「ここで攻撃をするのか、しないのか?と逡巡する物語を、日本映画が昔の戦争ではなく、いまの話として描いたのは歴史上初めてのことだと思うし、それが大作でできちゃうんだというところに驚きました」

この2人の理想論のぶつかり合いが物語の核となっている | [c]かわぐちかいじ・惠谷治・小学館/『空母いぶき』フィルムパートナーズ

――それを最も象徴しているのが、平和のためには武力の行使も辞さないといういぶきの艦長、秋津竜太(西島秀俊)と、防衛に徹することを主張する副長の新波歳也(佐々木蔵之介)の信念のぶつかり合いです。

「あの2人が物語の核ですよね。彼らはどちらも自分の思想に基づく理想論をぶつけあっているから、どっちが完全に正しいとは言い切れない。どちらもある意味極論なので、現実的じゃない。それこそ、西島さんという俳優自体は好きだけど、秋津艦長の言ってることヘンじゃない?と思ったり、佐々木さんのファンだけど、この状況で新波副長が下す判断は本当にあってる?と考える人もいるだろうなと。そういう俳優自身のキャラクターと、演じている役の人格や主張を、切り離して作品を観る最初の練習になるかもしれない。でも、自分だったらどうするだろう?と考えた時にゾワっとしました」

――秋津の考えは間違っていると最初は思うけれど、あの状況なら仕方がないかもしれないし。

「そう、ちょっと過激じゃない?って気がするけれど、リーダーシップをとる人は倫理や道徳を1個外さないといけないのかもしれない。でも西島さんが演じることで、ズッシリ重い主義主張を持った、原作の秋津より尖った人物になったのはすごいと思いました」

佐藤浩市がオーラを抑えて、あえて“弱い首相”を熱演? | [c]かわぐちかいじ・惠谷治・小学館/『空母いぶき』フィルムパートナーズ

――佐藤浩市さんが演じられた総理大臣についてはどう思いました?

「『シン・ゴジラ』に登場する総理とけっこう同じ造形で、“弱い”ですよね。佐藤さんはいい意味でオーラを消していて、リアルでしたけど、フィクションの世界では弱い指導者が求められているのが少し皮肉というか、正義感の強い1人の人物を主人公にした作劇がもう時代に合ってないんでしょうね。そう考えると、総理はもっと弱くてもよかったかも。そのほうが、周りの人たちが強くなりますから」

――本田翼が演じた、いぶきに乗船するネットニュースの新人記者、本多裕子や、中井貴一が扮したコンビニの店長の描き方についてはどんな印象を持ちましたか?

「“和らげ担当”の人たちはみんな、物語に緩急をつけてくれる存在になっていていいですよね。この人たちには思想やスタンスは特にありませんという描き方をしているし、そういうシーンが多いから、誰でも気軽に観ることができる。個人的には、コンビニのバイト役の深川麻衣さんがモテないキャラを演じていたのが新鮮だったし、『新聞記者』では完全に蚊帳の外だった本田さんが渦中にいるのがおもしろかったです(笑)」

大炎上する戦艦がことの重大さを物語る | [c]かわぐちかいじ・惠谷治・小学館/『空母いぶき』フィルムパートナーズ

――逆に、何人かの人物が殉職するシリアスなシーンもありました。

「あそこは、こんな急展開があるんだ!ってびっくりするし、物語に影を残しますよね。そういう意味では、この映画にはいろいろな要素が詰め込まれていると思います。殉職シーンもわざわざ入れているし、能天気なクリスマスのシーンを無自覚に入れているはずがない。中井貴一さんの店長のキャラも、若い人たちに社会のことを教えなければいけない“大人”という立場の人が一番なにも知らないという、現実のコミュニティのメタファーともとれる。それこそ、リテラシーが低い、感受性があまりない人はこの映画のラストを見て、ハッピーエンドって思っちゃうかもしれないけれど、つくり手の意識はたぶんそうじゃない。観る人を踏み絵的に分ける、鑑賞者の解像度が問われる鋭い仕掛けになっているんじゃないかなと。だから、観たあとに皆で話せたらいいですよね。世代や住んでいる地域によっても感想は異なると思いますし、『空母いぶき』は皆で語るところまでを含めたエンタテインメントだと思います」



■『空母いぶき』
発売中
価格:Blu-ray特装限定版 7,800円+税/Blu-ray 4,800円+税/DVD 3,800円+税
発売・販売元:バンダイナムコアーツ
※特装限定版特典には、特典ディスク、スペシャルブックレット、メイキングフォトブックなど多数封入。

“パッケージ発売記念!『空母いぶき』を徹底解剖


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