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望月衣塑子を追うドキュメンタリー、森監督が東京国際映画祭での上映に感謝。伊藤詩織氏、籠池夫妻も観賞

2019年11月01日 14:21

『i-新聞記者ドキュメント-』が東京国際映画祭で上映された

第32回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門作品『i-新聞記者ドキュメント-』(11月15日公開)のQAイベントが11月1日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズで開催され、森達也監督と製作の河村光庸が出席。この日の上映は、劇中に被写体として登場するジャーナリストの伊藤詩織氏、籠池泰典被告、妻の諄子被告も観賞。河村から「それぞれいろいろなことを考えながら、抱えて、いま戦っている方々」と紹介されると、会場から拍手が送られた。

観客からの質問に答えた

本作は映画『新聞記者』(19)を手掛けたプロデューサー、河村光康が放つ社会派ドキュメンタリー。東京新聞社会部記者の望月衣塑子の姿を通して、日本の報道の問題点、日本社会が抱える同調圧力や忖度の正体に迫る。監督を『A』(98)『A2』(01)や、佐村河内守を題材にした『FAKE』(16)で知られる森達也が務めた。

森監督は「東京国際映画祭での上映が実現した。よくぞこの作品をこの映画祭でかけてくれた。僕自身、無理だろうと思っていた」と映画祭スタッフに感謝。続けて「シネコンは僕にとって映画を観ることころで、観せるところじゃなかった。これまではずっと小さな劇場ばかり。非常に居心地が悪いです」と語り、会場を笑わせていた。

観客から「日本では勧善懲悪な作品が受けるのに、いざ現実で望月さんや伊藤詩織さんなどが行動をとると、揶揄する人たちもいる。この現状についてどう思う?」と質問が上がると、森監督は「個人的には、こっちは正義、こっちは悪とわけることは好きじゃない。映画ってわりとそういうことで成り立っているものだけれど」と口火を切り、「現実はそうじゃない。黒とか白。右とか左とかも全部そうだけど、そんな簡単にわけられるものじゃない」とキッパリ。

続けて「特にメディアが発達すればするほど、二分化しようとする。その結果として、それぞれが互いに批判し合ったり、攻撃し合ったりね。いまそういうとても傾向が強くなっている。それがとても嫌だなと。それに対して僕自身は、非常に居心地が悪い思いをしている」と胸の内を明かした。

河村は「誰に向かって攻撃している映画、というわけではない。この映画は、私たちが問題なんじゃないかと訴えようとしている」と語り、「最も怖いのは、同調圧力や忖度によって世の中が動いているということ。そういう事態が起きるということは、そもそも私たちに問題があるのではないか」と思いをめぐらせ、「若い人たちにぜひこの映画を観てほしい」とコメント。「全国で公開されて、頑張っている被写体の人たちを応援し、自分たちの問題として考えるきっかけになれば」と映画の力に期待していた。

取材・文/成田 おり枝


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