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「『ダークナイト』は覚えていなかった」“ジョーカー”はいかに生まれたか?ホアキン・フェニックス ロングインタビュー【後編】

2019年10月06日 19:00

「ジョーカーの役をできるかどうか、一番の迷いの原因はその自信が僕になかったということだ」。第78回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した『ジョーカー』(公開中)で、DCコミックスを代表する“悪のカリスマ”ジョーカーを演じきったホアキン・フェニックスは、初めてアメコミキャラクターを演じること、そしてそれがジョーカーというあまりにも大きな役柄だったことで相当の葛藤があったことを振り返る。「この役をこなせるのかどうか、できないかもしれないという恐怖心に駆られた。この役を演じるというのは、この映画が言わんとしていることを深く掘り下げなければならない。それだけでもかなりの挑戦だと感じたし、同時に役者として、人間としての大きな挑戦だとも理解した」。

偉大な俳優たちが演じてきた“ジョーカー”にホアキン・フェニックスはどう挑んだ? | [c]2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & [c]DC Comics

俳優一家の次男で、早逝した名優リバー・フェニックスの弟としても知られるホアキンは、8歳の頃に俳優としてのキャリアをスタートさせる。その後ガス・ヴァン・サント監督やオリヴァー・ストーン監督ら名だたる巨匠たちの作品に出演し、リドリー・スコット監督の『グラディエーター』(00)でアカデミー賞助演男優賞にノミネート。『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(06)でゴールデン・グローブ賞を受賞し2度目のオスカー候補にあがるが、2008年に突然俳優業を引退することを宣言し歌手活動に転身。

その後俳優として再始動を果たしたホアキンは『ザ・マスター』(12)でカリスマ性を持つ男の思想にのめり込む青年を演じ、フィリップ・シーモア・ホフマンとともにヴェネチア国際映画祭男優賞を受賞。その5年後にはリン・ラムジー監督の『ビューティフル・デイ』(17)で第70回カンヌ国際映画祭男優賞を受賞するなど、いまや稀代の演技派俳優として知られるように。

「演じる役から、これでもかというほど挑まれたいという願望がある」

――「ジョーカー役は大きな挑戦だった」と仰いましたが、それでもこの役をやろうと思った決め手は?

「スーパーヒーローが登場するタイプの映画はもちろん観たことがあるし、どれもよくできた映画だと思う。でもキャラクターがどんなヒーローなのか、彼らのモチベーションや動機がなんなのかがはっきりしていて、キャラクターはすっきりはっきりと描かれていて複雑な要素がなにひとつない。すべて見え見えという感じなんだ。だからいままでアメコミのキャラクターを演じることに惹かれなかった。深みを持って描かれていないと感じていたからね。楽しそうだけど中身が詰まっていない。楽しみながらやれる役は好きだけど、僕は自分が演じる役からこれでもかというほど挑まれたいという願望があるんだ。チャレンジされることで新しいなにかを学びたい。キャラクターを選んで演じることで、ひとりの人間として知らなかったことや知らなかった社会の一部が目の前で広がっていけばいいなと、そういうふうに望んでいたんだ。

だからこの『ジョーカー』という映画は、それら諸々のことをすべて満たしてくれたような気がしたんだ。上っ面だけの答えは出していない。簡単な答えが出るものなんてこの世にないからね。生きるってことはそんなに浅くて簡単なことじゃないし、人間の心理は複雑なものだ。我々はなんでそんなことをするんだろう?という人間の言動の裏側は理解できないことの方が多い。わかっていると思っていても、ほとんどの場合わかっていないんだ。だからトッドがこの映画を作るのには大変な勇気が必要だったと思う。ましてこの映画で扱っている複雑なテーマは、簡単に取り組むことはできないからね」

メガホンをとったトッド・フィリップス監督については「大変な勇気が必要だったと思う」とコメント | [c]2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & [c]DC Comics

――あなたが演じられたアーサーはパフォーマーであり、メイクをしたりピエロになったり、ほかの誰かになったりします。あなたが普段やっている俳優業と共通している、また共感した部分は?

「んー…わからないよ(笑)。でも間違いなく多くのことがあると思う。僕はあまり『どうすれば僕はそのキャラクターに共感できるだろうか?』という考えは持たず、ただひたすらに情報を消費していくんだ。だって僕が消費している情報や、僕に興味を持たせることは間違いなく僕がどういう人間かということと関係があるからね。そうは思わないか?だからもし2人の役者に同じリサーチの資料を渡したら、彼らはそこからそれぞれ違うものを取りだすことになるだろう。明らかにそこには僕自身と呼べるものが存在している。でも僕はそれがなにかということを明らかにしようとはしないし、気にもしない。それが僕のアプローチの仕方だよ」

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