ジョン・ファヴロー監督、『ライオン・キング』で編みだした独自の撮影方法を語る |最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
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インタビュー 2019/8/8 18:45

ジョン・ファヴロー監督、『ライオン・キング』で編みだした独自の撮影方法を語る

『ライオン・キング』のジョン・ファヴロー監督を直撃
『ライオン・キング』のジョン・ファヴロー監督を直撃

これぞまさしく映像革命!ディズニーが放つ名作アニメーションの“超実写版”『ライオン・キング』(8月9日公開)で観たシンバのビジュアルは、まさに生きたライオンそのものだった。ほかの動物たちもしかり。本作を手掛けたのは、『ジャングル・ブック』(16)でも、最新テクノロジーの映像で観客をうならせたジョン・ファヴロー監督だ。来日したファヴロー監督を直撃し、気になる制作秘話をうかがった。

「ファンを裏切らないように、アニメーション版のレガシーを大切にした」

動物たちの王国、プライドランドを治める偉大な王、ムファサの息子であるシンバの冒険を通して、親子の絆と、生き物すべての命がつながっている“サークル・オブ・ライフ”というテーマを描く本作。オリジナル版やその舞台が、圧倒的な人気を誇る作品だけに、ファヴロー監督は「ファンを裏切らないように、アニメーション版のレガシーを大切にして制作していった」と溢れる想いを口にする。

可愛すぎる!子ども時代のシンバ
可愛すぎる!子ども時代のシンバ[c]2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

今回『ライオン・キング』を手掛けた理由について「ディズニーは、過去作をたくさんリメイクしているが、すばらしい物語であれば観客も、実写、アニメーション、舞台と、いろんな形でその作品を観たいと思ってくれる。また、そこにいいメッセージがあれば、僕は次の世代にもそれを届けたいと思っている」と述べた。

CGで作成したプライドランドの中で、VRを使用して撮影を行ったという本作は、どちらかというと実写版に近いアプローチを取っていて、その方法は『ジャングル・ブック』の撮影時よりもかなりアップロードされた。「『ジャングル・ブック』はモーションキャプチャーを使用して撮影をしていたけど、そこから時間が経ち、業界も進化を遂げ、映像の仕事に携わってない素人でも使えそうな新しいテクノロジーも登場した。それを使えばきっと、ナチュラルな映像の新しい映画が作れると思ったんだ」。

シンバと交流するザズー
シンバと交流するザズー[c]2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

ファヴロー監督が生みだしたのは、 “ブラックボックスシアターテクニック”という独自の撮影方法だ。全方向型のシアターで、カメラもカーテンの後ろに隠れているから、役者同士がカメラを意識することなく、演技に打ち込める。「通常、アニメーション映画の声優さんには、できるだけエネルギッシュに演じてもらうのだけど、今回はそうではなく、あくまでナチュラルにやってほしくて、そうできる環境を用意したかったんだ」。

そのシアターでは、実際に全キャスト揃っての録音がなされた。「アニメーションで描かれるキャラクターの表情は通常、声優の声を聞いて、アニメーター自身が鏡を見ながら、顔を作って動かしていきます。ピクサーの作品ならその方法がぴったりなんだけど、今回は自然ドキュメンタリーのような実写風の映画にしたかったので、役者同士の間や、いつ目を合わせるかというタイミングなどを、すべて役者主導にしたかったんだ」。

【写真を見る】超実写版ではこうなった!シンバ、プンヴァ、ティモンが一緒に眠るシーン
【写真を見る】超実写版ではこうなった!シンバ、プンヴァ、ティモンが一緒に眠るシーン[c]2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

「僕が好きな自然ドキュメンタリーのように作ることを目指したんだ」

動物たちの映像は、本物と見紛うほどリアリティが追求されているが、ストーリーはオリジナル版をそのまま継承している。たとえば、ライオンのシンバと、イボイノシシのプンヴァ、ミーアキャットのティモンたちによる種を超えた友情のドラマも健在だが、動物の生態におけるリアリティをどこまで落とし込むかというさじ加減も難しいところだった。

「そこは監督としての選択が問われたよ。僕自身は自然界そのものがとても美しいものだとわかっているから、ドラマティックに作り込みすぎてもダメだし、動物をキャラクター化しすぎてもいけないと思っていた。アニメーションの場合はそれでいいと思うけど、今回は実写だからね。そこで僕が好きな自然ドキュメンタリーのように作ることを目指したんだ。音楽や編集がすばらしければ、きっと同じように心を動かされるし、観客もそっちに引き込まれると思った」。

『ライオン・キング』であみ出した独自の撮影方法を語るジョン・ファヴロー監督
『ライオン・キング』であみ出した独自の撮影方法を語るジョン・ファヴロー監督

ディズニー映画のすばらしさを、ファヴロー監督はこう捉えている。「ストーリーテラーの役目とは、知恵というものを、1つの世代から次の世代へと継いでいくことじゃないかと思う。ディズニー映画の役割もそうで、もともと古くは、神話などからインスピレーションを得たものを後世へ伝えているところだ。人は子どもから大人になっていくうえで、人生においていろいろなことを経験していく。だから、その準備をしておくことも大事だとも思うんだ」。

本作の“サークル・オブ・ライフ”というテーマもそれに当たる。「それは言わば、“死生観”だと思う。子どもにとっては少しヘビーなトピックで、若いころはあまりそういうことに直面しなくていいと考える人も多いが、それを学べるような物語も必要なんじゃないかと僕は思う。僕はサークル・オブ・ライフという考え方がすごく好きだ。それは、家族だけじゃなくて、自然界のすべてが自分とつながっているという考え方で、特にこれからの世代にとってはすごく重要だと思っている。なぜなら、環境破壊が起こっていて、この先、世界がどうなっていくのかわからないから。だからムファサがシンバに言う『すべてのことがつながっている』という台詞が僕は大好きだ。シンバもいろんなことを学び、最後は自分が父になるわけだから」。

シンバ、プンヴァ、ティモンが友情を育んでいく
シンバ、プンヴァ、ティモンが友情を育んでいく[c]2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

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