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ジブリのCM制作条件は「好きなように作る」! 鈴木敏夫プロデューサーが語る『ショートショート』の魅力

2019年7月17日 18:00

「尺が短いものほど、世間の目は厳しくなります」

終始和やかムードで行われたインタビュー。ここでは載せきれなかった映画談義もたっぷり!

――「長編ばかりがジブリじゃない。あれもこれも正真正銘ジブリ作品でした」とコメントを寄せられていますが、鈴木さんの思う“ジブリらしさ”について教えてください。

「ジブリでやっちゃいけないことって、まあ公序良俗に反さないこと。でも、やっぱり作品って公序良俗に触れたほうがおもしろいですよね (笑)。そういう意味では、ショートショートだと、ちょっと尖ったことも出来ますよね」

――先ほど、“ジブリっぽい”というお話がありましたが、作品集に収められている百瀬ヨシユキ(義行)監督と中田ヤスタカさん(DJ・音楽プロデューサー)が組まれたSF3部作(2004年の『ポータブル空港』、2005年の『space station No.9』『空飛ぶ都市計画』)は、ジブリらしさもありつつ、映像と音も含め最もジブリから離れた作品のように感じますが。

「当時、中田くんがYAMAHAの所属で、『ジブリでプロモーションビデオが作れないだろうか』という打診があったんです。ちょうどそのころ、これまで手書きだったアニメーションにCGが導入されはじめて。百瀬さんは、日本で初めてテレビシリーズCGで使った作品(『子鹿物語 THE YEARLING』)に関わってる人なので、ジブリでCGを実験するいい機会かなと思ったんですよ。だから、ジブリとは肌合いの違うものが出来るってことは、もう最初から覚悟していたというか、ここでやったことが未来を切り開けばいいなという思いでした。中田くんの曲を聞いた時 『あれっ』と思ったんです。ベースになってるのは60年代で、百瀬さんも60年代をリアルに過ごしてきた人。だとしたら、かたや音楽、かたやCGでドッキングが上手くいくんじゃないかなって思ったんです。なかなか、そういう練習をする機会ってないですから。実際、百瀬さんは『ホーホケキョ となりの山田くん』のCGとか、いろんなジブリ作品で活躍してくれましたよね」

『ジブリがいっぱいSPECIAL ショートショート 1992-2016』 | [c]2019 Studio Ghibli

――こうして、ショートショートというかたちで凄腕のアニメーターがとことん作った作品が残り、引いてはスタジオジブリの仕事を残していく…という意味合いにもなっているのではないですか。

「こうやって見てると、1本1本が懐かしいですよね。本当に多彩でね。僕はさっき申し上げたように、新人研修にも役に立つかなと思ったんだけれど、やっぱり尺が短いものほど、世間の目が厳しいですよね。そうすると、必然的に上手い人に頼まざるを得なくなる。だから、こうしてみると、スタジオジブリ歴代の、腕効きアニメーターの仕事がダーッと集まったものになりました」

...

後編では、鈴木敏夫プロデューサーが“優秀”だと思うアニメーターの条件から、40年以上伴走してきたからこそ分かる、宮崎駿監督のものづくり論までを語ってくれた。

取材・文/編集部

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発売日:7月17日(水)
価格:Blu-ray 4,700円+税
   DVD 3,800円+税
発売・販売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン

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