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怪獣王に“救われた”子ども時代、ハリウッド版『ゴジラ』監督が明かすオリジナルへの敬意

2019年6月22日 15:30

マイケル・ドハティ監督を直撃インタビュー! | [c]2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

2014年にハリウッドで製作された『GODZILLA ゴジラ』の続編で、『キングコング:髑髏島の巨神』(17)に続くモンスターバースの第3弾となる、注目の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』が大ヒット公開中。Movie Walkerでは昨年12月、作品完成前に東京コミコンのため来日したマイケル・ドハティ監督のインタビューをお届けしたが、そんな彼が完成後に晴れて凱旋し、作品に込めた想いを語ってくれた。

ドハティ監督は、筋金入りのゴジラ・フリークだ

――公開が近づくほどファンの熱気も盛り上がったわけですが、これまでシリーズの一ファンだった監督が、「ゴジラ」の新作を作るのは大変な作業だったのではないですか?

「とても大変だったよ。自分が壊れるんじゃないかと不安になるほどの作業だった(笑)。どんなこともそうだけれど、好きなものを題材にしてなにかを作るのは大変だよ。子どもの頃からゴジラの大ファンだったし、思い入れも強いから、とにかく納得のいくものを作りたかった。思い入れがなければ、もっと楽にできたかもしれないね」

「ゴジラに救われた」と心情を吐露したドハティ監督 | [c]2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

――ゴジラに対して、どんな感情を抱いています?

「敬意、かな。子どもの頃は、本当にゴジラに救われた。いじめられたとき、恐怖を感じたとき、悲しいとき、退屈したとき、そんなネガティブな状態のときは、ゴジラが助けに来てくれると夢想したものだよ。それほど、僕はゴジラ映画に感情移入してきた。そんなゴジラに対して敬意を抱いているから、ふさわしい作品を作らなければならない。プレッシャーとの戦いの毎日だったし、いまも続いているよ」

マディを演じたのは「ストレンジャー・シングス」で知られる天才少女、ミリー・ボビー・ブラウン | [c]2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

――本作にはマディという女の子が登場して重要な役割を果たしていますが、監督の子ども時代を投影したキャラクターでしょうか?

「確かに、マディには僕の子ども時代の気持ちが入っているね。でも、いまの僕の目線を投影したのはセリザワだ。彼にとってゴジラはリスペクトの対象であり、人類はゴジラから学ぶべきことが多いと考えている。そして地球には人間の居場所も、怪獣の居場所もあり、共存できると思っているんだ。そんな彼のスピリットを継ぐ次の世代がいるとしたら、マディのような子だね」

――セリザワのセリフには地球の環境問題に迫るようなものもありますが、あれも監督自身の意見でしょうか?

「そうだね。人間は自然と共存する、よりよい方法を見つけなければいけないし、そのためには人間同士がつまらないことで争わず、歩調を合わせて協力し合わなければいけない。地球には人間の居場所は確かにあるけれど、どこでどうやって生きていくか?皆がそれを考えるべきだと思う」

渡辺謙が前作に続き演じるのは、オリジナルに対するリスペクトが詰まった“芹沢猪四郎”役 | [c]2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

――『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18)でもサノスというキャラクターに環境問題に対する言及がうかがえましたが、ハリウッドの映画人の間で、そういう意識の高まりを感じますか?

「ハリウッドに限らず多くの人々が、地球が危機的な状況にあるということを大なり小なり感じていると思う。現在の人間と自然の関わり方は良いとは言えない。そこに危機意識を持っていて、どうすればより良くできるのかを、それぞれに考えている。僕は、自分が感じているそのようなことを、映画のストーリーのなかに盛り込んでいくだけ。でも、それは太古の昔から、神話というかたちで人間がずっと語ってきたことだ。現代ではファンタジーを通して、それを語ることもできる。オリジナルの『ゴジラ』もそうだし、『ゲーム・オブ・スローンズ』もそうだよね」

優美さと獰猛さを併せ持ったモスラ | [c]2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

――怪獣の初登場シーンは、ゴジラはもちろん、キングギドラ、モスラにしても、かっこよくてドキドキしますが、とりわけラドンの出現シーンはインパクトがありました。ひょっとして、監督はラドンにもっとも思い入れがあるのでは?

「イエス!(笑)ゴジラは別格として、ね。とはいえ、好きだからかっこよく見せようとしたわけではない。日本のゴジラ映画には怪獣の登場シーンに独得の美学があり、本当にすばらしい。僕も、まずそれをきちんとやってみようと思ったんだ。登場した瞬間に、驚きや恐ろしさ、“スゴい!”というような多種の感情が沸きあがる、そういう場面になるよう心がけたよ」

監督は、「怪獣の登場シーンの美学」を再現しようと試みたという | [c]2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

――モンスターバースの次作『ゴジラVSコング(仮)』は、どうなるのでしょう。次作のアダム・ウィンガード監督とは話をされましたか?

「次作のことはなにもわからないよ。僕の作品じゃないしね。アダムには、きちんと引き継ぎをしたよ。前2作の監督たちから僕が、いろいろと教わったように、僕も自分の経験を彼に教えている。モンスターバースの監督4人からなる“怪獣クラブ”は、おたがいに支え合っているんだよ(笑)」

SF愛にあふれたドハティ監督の、今後の活躍にも期待大!

――では監督ご自身の次回作は、どんなものになるのでしょう?

「いくつかプロジェクトが進んでいるけれど、どれもモンスターは登場する。ゴジラほどの大きさではないけれどね。どれに取りかかるにしても、僕はSFやホラーが大好きだから、その方面を追求することになると思う」

――ちなみに監督にとってのマスターピースといえるSF作品は?

「『エイリアン2』だね。あれはオールタイムのベストだ。あ、それと『遊星からの物体X』もね!」

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は大ヒット公開中 | [c]2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

取材・文/相馬 学

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