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「大きなエポックになった」北大路欣也&斎藤工が伝説の超大作を語り合う!

2019年6月04日 19:31

「午前十時の映画祭10 FINAL」のトークイベントに登壇した北大路欣也と斎藤工

2010年の第1回から今年で10年目の節目を迎え、最後の開催となった「午前十時の映画祭10」において『八甲田山 4Kデジタルリマスター版』が上映されるのに先がけて4日、TOHOシネマズ新宿にてトークイベントが開催。同作で青森歩兵第五連隊の神田大尉役を演じた北大路欣也と、俳優で映画監督の斎藤工が登壇。当時の撮影の裏話や、高倉健ら名優とのエピソードを語る北大路に、斎藤はいちファンとして目を輝かせながら熱心に耳を傾けていた。

1902年に起きた八甲田雪中行軍遭難事件をもとにした新田次郎の小説「八甲田山死の彷徨」を原作にした『八甲田山』は、黒澤明監督のもとで助監督としてキャリアを積んだ森谷司郎監督がメガホンをとり、高倉健を筆頭に北大路、加山雄三、三國連太郎ら豪華俳優陣が出演。1977年に公開されると、その年の日本映画でナンバーワンの大ヒットを記録した。今回撮影監督の木村大作監修のもと4Kデジタルリマスター版が制作され、本映画祭で待望の初上映。それについて北大路は「木村さんの作品への愛情をものすごく感じました。40年経って新鮮な気持ちで観させていただくことができて、木村さんに感謝します」と述べた。

『八甲田山』で神田大尉役を演じた北大路欣也。「もう一度やれなんて言われたって絶対できない」

そして北大路は、大先輩である高倉健と初めて出会った時のエピソードを振り返りながら「『八甲田山』というものすごい映画に出会えたことは、仕事の上でも人生の上でも非常に大きなエポックになった」と振り返り、共演者やスタッフなど当時の日本映画界を支えた先人への思いをにじませていく。当時北大路は『アラスカ物語』(76)や『聖職の碑』(78)、『漂流』(81)など過酷な作品がつづいていたが、その中でも本作は特に大変だったようで、劇中で雪の中に埋められるシーンを「あれは僕の雪中行軍初日だった」と明かした上で「全員が『帰ったら酸ヶ湯温泉に入れる』ということを救いに頑張っていました」とその過酷さを伺わせた。

撮影で実際に使用した小道具のカバンを持参した北大路は、撮影現場周辺で4メートル以上の積雪があったことや、高倉から極寒の撮影をしのぐために必要なものを教えてもらったこと、また脚本を担当した橋本忍が撮影現場に毎日来ていたエピソードなど次々と思い出を語っていく。そして「自然と向き合うことの凄さ。美しさや魅力の奥にある脅威に、人間がどうやったら立ち向かっていけるのか、それには周到な準備をしないといけないと全員が思い知りました」と語った北大路。「あまりにも若いんで、自分じゃないように思えた」と改めて本作を観た感想を語ると「もう一度やれなんて言われたって絶対にできない。健さんもそうおっしゃってましたね」と微笑んだ。

斎藤工は北大路から監督作や主演作を絶賛され「恐縮すぎて言葉が出ません」

そんな北大路から、初監督作となった『Blank13』(18)や、10年の歳月をかけて企画段階から携わった渾身の主演作『麻雀放浪記2020』(19)について褒められた斎藤は「恐縮すぎて言葉が出ません」と喜びをかみしめ「僕は今だに映画少年の心を持ったままです。北大路さんが歩まれてきたたくさんの名作・傑作に憧れを持って、影響を受けたから今がある。北大路さんに(斎藤の作品を)観ていただけたことだけで光栄ですし、明日への活力をいただきました」と強い敬意を表明。中でも北大路は『麻雀放浪記2020』での斎藤の演技がお気に入りのようで大絶賛。「あんなに気持ちよく楽しそうにしていて、役者として羨ましい。『剣客商売』で息子をやってる人だとは思わなかった」と笑顔で語った。

最後に北大路は「きっとこの映画が再上映されることで、関わったみなさんは本当に喜んでいらっしゃるだろうと思います。思い出がいっぱい詰まった映画ですので、長く上映していただければ皆さん報われるような気がします」と撮影の苦労を改めてにじませると、斎藤も「今でこそいろんな“遭難”を描いた映画がありますが、この映画には本物が映っています」と、大きなスクリーンで本作を観る意義を熱烈にアピールした。

『八甲田山 4Kデジタルリマスター版』はGROUP A劇場では6月14日(金)から6月27日(木)まで、GROUP B劇場では6月28日(金)から7月11日(木)まで上映。「午前十時の映画祭10 FINAL」は全国58劇場にて3月26日(木)まで開催される。


取材・文/久保田 和馬

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