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『万引き家族』で藤本賞受賞の是枝裕和監督、いまは亡きプロデューサーに感謝「墓前に報告に行ければ」

2019年5月31日 13:44

藤本賞を受賞した『万引き家族』の是枝裕和監督

映画製作者の功績を称える第38回藤本賞の授賞式が、5月31日にパレスホテル東京で開催。藤本賞を受賞した『万引き家族』(18)の是枝裕和監督は、監督なので最初は辞退することも考えたと述べ「ありがたく、プロデューサーチームを代表してもらうことにいたしました」と恐縮した。

是枝監督はデビュー当時を振り返り「映画が当たらないなど不安のなか、次の映画の準備をしているという時間が長く続きました。ようやくこの5年、僕を支えてくれるスタッフやプロデュースチームが、安定したというと変ですが、お互いに気心が知れて、わかりあえる形で映画を作る状況が作れてまして。映画は監督だけではできないものなんだなと、改めて感じてます」とチームに感謝を述べる。

新人賞には『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督が選出された

国内外で高い評価を受け、45.5億円の興収を挙げた『万引き家族』について「万引き、貧困というのが題材だから、今回は当たらなくてもいいかなという感じがプロデュースチームにもあり、僕も興行のことを考えず、やりたいことをやってみようと始めたのですが、スタートとゴールがこんなに違ってしまって(苦笑)。映画って本当に不思議な生まれ方と育ち方をするもんだなと思いました」と感無量の様子。

また、是枝監督が最初に藤本賞授賞式に登壇したのは、インディーズ時代を支えてくれたという『歩いても歩いても』(07)のプロデューサーである故・安田匡裕の代理だったとか。「いつも僕を励ましてくれていた。当時、映画を作る度に赤字でしたが、オリジナルにこだわっていて、作ることのおもしろさと尊さを教えてくれた人。こんなふうに僕がヒット作を撮る姿を見せられなかったのがとても残念です。墓前に報告に行ければなと」。

特別賞は『翔んで埼玉』のプロデューサー・若松央樹

『翔んで埼玉』(18)で特別賞を受賞したプロデューサーの若松央樹は、「3年前に企画が立ち上がりましたが、まさかの幸運が続く作品でした」と、自身もメガヒットしたことに驚きを隠せない様子だった。

「埼玉県民に嫌われたらおしまいだと思って作りましたが、観客の4分の1を埼玉県民のみなさまが占めていて、実に10人に1人の埼玉県民が観ていただけて本当にありがたい。みなさんの懐の深さを感じてます」と埼玉県民に心から感謝した。

奨励賞に『劇場版 コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』のプロデューサー・増本淳

興収93億円を挙げた『劇場版 コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(18)の増本淳は奨励賞を受賞。映画を手掛けたのは初めてだったそうで「『コード・ブルー』は絶対に当てろよという空気が社内ですごかったです(苦笑)。ヒットの定義もよくわからないなか、公開されたら「100億が見えたぞ」と、毎週目標が上方修正されていきました」とユーモアを交えて苦労を吐露。

また、ドラマの立ち上げ当初は、病院に泊まり込んだりもしていたそうで、当時を振り返り「僕は、プロデューサーにしては性能が悪い。時間がかかるし、泥臭い作り方をクソ真面目にしてきました。でも「いつかおもしろいものができたらいいよね」と、やらせてくれたフジテレビ、参加してくれたスタッフ、キャスト、映画化してくれた東宝さんに感謝したいです」と喜びを述べた。

また、『カメラを止めるな!』(18)で、社会現象的を巻き起こした上田慎一郎監督は新人賞を受賞したが、新作『イソップの思うツボ』のクランクアップ日ということで登壇ならず。代わりに市橋浩治プロデューサーが登壇した。

市橋プロデューサーはスタッフやキャストや映画を観てくれた観客の方々に礼を述べ「インディペンデント映画にもおもしろい作品があるということを、業界のみなさまにも評価していただけ、全員の活動が広がりを見せたことがうれしいです」と言ったあと、駆けつけた5人のキャストも壇上にあげ、喜びを分かち合った。

取材・文/山崎 伸子

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