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『モンガに散る』ニウ・チェンザー監督「イーサンとマークは台湾映画界の新たなスーパースター」

2010年12月14日 12:00

主演の一人、イーサン・ルアンは本作で台湾金馬奨主演男優賞を獲得 | [c] 2010 Green Days Film Co. Ltd. Honto Production All Rights Reserved.

インタビュー1から続く

――イーサン・ルアンとマーク・チャオを使った理由を教えてください

「彼らは私の誇りです。とても愛しています。その愛は運命的な出会いとも関係がありますが、一緒に仕事をしてさらに深まりました。監督として彼らのような俳優に出会ったことは幸せです。素晴らしい俳優たちです。芝居が好きで、仕事に対する態度も真面目で、賢く、真摯な気持ちを持っている。台湾映画界が長いこと待ち望んでいた、アンディ・ラウやトニー・レオンに代わりうるスーパースターだといっても過言ではない」

「イーサンとは随分前からの知り合いで、7年前に彼がデビューしたばかりの頃、正直言うと視聴率もたいして良くないテレビドラマに出演していました。でも、その時の彼を見て、良い素材だと思い、誘い出して話をしたんです。すぐに彼を気に入って、今度一緒に仕事をしようと言いました。でも、私自身の監督作は少ないので、実現したのは2007年の『墾丁は今日も晴れ』というドラマでした。日本でも放映されました。とても良い仕事をしてくれました。そして、『モンガに散る』では一番最初にキャスティングした俳優です。ところが『モンガに散る』のクランクイン前には、台湾で最も人気のある男優になっていました。それまでの出演ドラマの成功によって。今回、一緒に仕事できて本当に楽しかったです。阿吽の呼吸で仕事ができたし、お互いによく理解しあっているし、撮影の初日から大きく成長したなと感じさせるものがありました。ものすごく役に没頭して、全力投入で、私とはまだそれほど親しくない俳優たちのリーダーシップもとり、現場を盛り立ててくれました。この映画の成功の大きな役割を担ってくれました。私と他の俳優たちとの関係にも大きく寄与してくれました」

「マークは、神様がくれた贈り物のようです。ずっとモスキートにふさわしい役者が見つからず、クランクイン直前になっても俳優が決まらなかった。ありとあらゆる役者を考えました。香港や日本の俳優まで考えました。とうとうもうすぐクランクインという頃になって、まだ悩んでいた時、脚本家のチェン・リーティンが『痞子英雄』というドラマに出ている俳優がなかなか良いけど、会ってみないか、と言ったんです。そこで、マークと会い、話してみて、彼のことをとても気に入ったのですが、私は彼に『次回、一緒に仕事しよう』と言いました。なぜなら、彼自身と役柄とがかけ離れすぎていたからです。モスキートは片親家庭で育ち、社会的には下層のいじめられている青年です。マーク自身は非常に恵まれた過程で愛情に満ちあふれた中で育ち、カナダで生まれ育ちました。80年代の台湾のような生活体験もない。ところが不思議なことに、彼が去って行ってから、脚本を読むと、モスキートとマークの顔が重なるのです。そんな経験は初めてでした。そこで、モスキートを見つけたのだとわかりました。一緒に仕事をしてみて本当に楽しかったです。マークは生まれついての俳優だと思いました。初めて映画に出るのに全く臆することがない。ものすごくのめりこんで、役柄そのものになっていました。撮影が終わり、ポスプロをする頃にはマークとの関係は、イーサンとの関係と同じぐらい濃いものになっていました。お互いのコミュニケートも言葉を必要としないほどです。それはとても素晴らしい体験でした。彼らは本当に素晴らしい役者です」

――日本に対する思い入れについて聞かせてください

「その質問は注意して答えないとね。日中関係が上手くいってないだけに(笑)。日本と中国の間には長い交流の歴史があります。唐の時代から始まって、ずっと続いています。台湾もまた日本とは深いつながりがあります。50年にわたる日本の統治を受けているので、社会設備だけでなく、風俗習慣のうえでも大きな影響を受けています。私自身も他の国の文化に対して盲目的な崇拝はないのですが、日本のものに対して、心の底から賞賛する傾向があります。日本人はやはりとても優秀で、真面目で、素晴らしい物をたくさん作り出しています。ソニーのウォークマンや任天堂のゲームとか、アイドルたち、ファッションも。私も日本のファッションが大好きで、裏原宿とか行きますし、この指輪もガーニーの物ですし、腕時計はセイコーだし、とにかく実用的で使いやすい。自分に合っているんです。日本の食べ物も好きです。日本食が大好きなんです。あっさりしたものが好きなので。握り鮨は大好きです。日本酒も好き。日本の女性も魅力的です。日本は非常に面白い所です」

――最後に日本の観客へメッセージをお願いします

「この作品は日本の皆さんに気に入ってもらえると信じています。今までの台湾映画とはかなり違います。製作もしっかりとし、物語も盛りだくさんで、俳優も素晴らしい。日本と関係のある風物も出てきます。日本との隔たりをあまり感じないはずです。新世代の台湾映画です。俳優をしていた頃から、私は監督になったら内容のある商業映画を撮りたいと思ってきました。言葉を変えて言うと、自分の人生を反映したドラマ性のある感動的な物語を作り、観客に主人公たちと共に泣いたり、笑ったりしてほしい。映画館を出ても、何かを自分の人生に持ち帰るような映画を撮りたいと思ってきました。『モンガに散る』はまさにそのような映画です。そして、女性の方も、少し年齢のいっている方も“なんだ、ヤクザ映画か”と思わないでください。細やかな感情も描いているので見ればきっと感動するはずです。イーサンとマークは本当にイケメンですしね。あまり映画を見ることのなくなった年齢層の方、この映画は私たちがかつて確かに持っていた純粋で美しい心を描いています。見た後はきっとかつての自分の青春を思い出し、今のしんどい人生に向き合える勇気を得るかもしれません」

行定勲監督が「俳優たちのスピード感と重みある演技。とにかくその顔つきが素晴らしい。台湾ニューウェーブの子供が逆襲の狼煙をあげる!」とコメントを寄せたように、本作は俳優陣の濃密な演技を、台湾映画として類を見ないスケール感で描き出した壮大な青春ストーリーだ。台湾の裏社会を舞台に、友情、裏切り、愛、夢など、多岐に渡る男たちのドラマは感動的でもある。ニウ・チェンザー監督が台湾映画の新たな礎を本作で作り上げたことは間違いない。【Movie Walker】


インタビュー1はこちらから

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