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リスクは度外視?“大人向けアニメ”を実現したNetflixのすごさをティム・ミラーが語る

2019年5月06日 10:30

有名クリエイターを起用したコンテンツを多く手掛けているNetflix。3月より配信中の注目作「ラブ、デス&ロボット」は、過激描写やシニカルな笑いが満載の“大人向け”のアニメアンソロジーだ。そんな挑戦的な企画を、デヴィッド・フィンチャーと共にプロデューサーとして実現させたティム・ミラーに電話インタビューを敢行。本作へのこだわりから、監督を務める『ターミネーター:ニュー・フェイト』(11月公開)のことまで話してくれた。

SXSWに登場したデヴィッド・フィンチャー(左)とティム・ミラー

――本作の企画、制作に携わったきっかけをお聞かせください。

デヴィッドとは、古くからの友人なんだ。彼が『ゾディアック』(07)を作っていた時に、ゲームの企画があって、その映像を僕のブラースタジオで作っていたんだよ。その時に彼と会って、出し合った企画の1つがアニメアンソロジーものだった。デヴィッドも実験的なアニメが大好きだから「これならクレイジーなことをできるぞ!」って乗り気だったんだけど、出資者がビビリばっかりでなかなか形にならなかったんだ。そんな中、勇敢なNetflixの登場で、ついに作ることができたんだ。

――Netflixとのコラボレーションは初めてですが、ハリウッドのスタジオと比較して、どのような点がクリエイターにとって利点だと思いますか。

クリエイティブの自由というのがもちろんあるね。僕らがこうしたいって話をしたら、それをずっと支えて、行きたくない方に無理やり背中を押すようなことは一切なかったよ。あと他のスタジオや制作会社と違うのは、新しいことにどんどん挑戦するところ。ハリウッドのスタジオはリスクを回避したいから、他で成功している例がなければ怖くて新しいことに手を出さないことが多いけど、Netflixは逆で、どんどん試してみようっていう姿勢が最高だったよ。

ティム・ミラーのお気に入りだという「氷河時代」 | Netflixオリジナルシリーズ 「ラブ、デス&ロボット」独占配信中

――デヴィッド・フィンチャーとはどのようなディスカッションを行いましたか?

小説家にとって書き出す前の白紙が怖いのと同じように、僕らもジャンルもトーンもストーリーテリングのスタイルもなんでもいいと言われたら、逆にすごく怖くなったんだ。だから最初は何かパラメーターのようなものを設定するところから模索し始めたよ。でも途中で、それを取っ払った方がいいって気づいたんだ。美しいと思えればなんでも良いし、アイデアがおもしろければ、素晴らしければ、作り手は誰だっていいじゃないかってね。でも数を集めると質がバラバラになっちゃうから、そこのキュレーションはしたよ。全てが好みじゃなくても、クオリティという意味では、全作がある程度のレベルにあるというところを僕らは考えていたんだ。

――アニメーションで本作のようなバイオレンスや性的な表現をすることはかなりのチャレンジだと感じますが、クリエイティブ、技術双方で工夫した点を教えてください。

大人向けアニメを実現したNetflixのすごさとは? | Netflixオリジナルシリーズ 「ラブ、デス&ロボット」独占配信中

まず、暴力、それから性的表現、そういうものをやりたいと思って立ち上がった企画ではないんだ。大人向けというラインを守った結果、裸やセックス、暴力表現が出てくるような物語に、たまたまなっただけなんだよ。技術的な挑戦という意味では、例えば「スーツ」は僕のブラースタジオで制作された作品なんだけど、今回のカートゥーン的な表現に近いものは、それまでやっていなかったから、改めてパイプラインから、あのルックを得るためのものを開発しなければならなかったね。

ティム・ミラーのブラースタジオが手がけた「スーツ」 | Netflixオリジナルシリーズ 「ラブ、デス&ロボット」独占配信中

――読者がこれから作品を観る際に、一番最初に観るものとして、オススメのエピソードはありますか?

「ソニーの切り札」を最初にしたのは、僕のアイデアなんだ。SFの要素も物語も最後のひねりも写実的なものとは一味違う、CGアニメもすごく気に入ってる作品で、このシリーズがどんなものなのかを一番感じさせてくれるようなエピソードだと思ったから。あとはコメディからはスタートしたくなかったんだ。最初がコメディだと、期待してたのと違うっていう風に思われるかなと考えて。でもNetflixからもらったデータでは、意外と最初にコメディを観る人が結構多かったんだよ。

「ラブ、デス&ロボット」のオープニングを飾る「ソニーの切り札」 | Netflixオリジナルシリーズ 「ラブ、デス&ロボット」独占配信中

――現在、『ソニック・ザ・ムービー』のプロデュースも手掛けられていますが、監督が日本のゲームやアニメーションから影響を受けた部分はありますか。

そうだね『獣兵衛忍風帖』(93)は大好きだし、みんなそうだと思うけど、宮崎駿監督の作品は好きで『千と千尋の神隠し』(01)が一番好きだよ。ゲームは、実はあまりプレイしないんだよね。

――シネマコンでの『ターミネーター:ニューフェイト』のプレゼンテーションも大きな話題となりました。リンダ・ハミルトンの言う通り、原点回帰を目指した作品になるのでしょうか。

『ターミネーター』(84)、『ターミネーター2』(91)の直接的な続編になるし、リンダが戻ってきてることからもわかるように、僕にとっては、ジョンよりも、ターミネーターというアンドロイドよりも、未来の戦争よりも、サラ・コナーの物語だと思ってるから、そういう部分を期待してほしいね。いい作品になっているから。

構成・文/トライワークス

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