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斎藤工、『麻雀放浪記2020』への思いを告白「社会に抗うことは、映画が持つ役割の1つ」

2019年3月24日 15:00

『麻雀放浪記2020』で主演を務めた白石和彌監督

常に志高く、映画を愛し、映画に愛されてきた斎藤工が、『孤狼の血』(18)の白石和彌監督とタッグを組んだ衝撃作『麻雀放浪記2020』(4月5日公開)。阿佐田哲也の同名小説を映画化した和田誠監督作『麻雀放浪記』(84)は、いまも語り継がれる名作だが、本作は同小説を原案に、“東京オリンピックが中止となった2020年”に舞台を設定したと聞いて戦慄を覚えた。公開まで試写は一切回さないということで、いまだベールに包まれている本作。その手がかりをつかむべく、主演の斎藤を直撃した。

2020年の東京オリンピックを阻んだのは、第三次世界大戦だった。そこに、第二次世界大戦後の1945 年を生きていた坊や哲(斎藤工)が、時空を超えてやってくる。彼が目にした未来の戦後は、相次ぐ政治家の不祥事に国政は揺れ、少子高齢化も進み、労働者は徹底した管理社会の下、過剰に搾取されていた。

ギャンブルに明け暮れていた坊や哲 | [c]2019「麻雀放浪記2020」製作委員会

本作の大胆不敵で、攻めた内容は、製作当初から物議を醸していたが、予想に反して仕上がりはとことん振り切った“ブラックコメディ”になったとか。斎藤は本作の企画が立ち上がった時点から参加している。

「“社会でいま起きていることを未来に向けて配信する”、“社会に抗う”というのが、本来、映画が持つ役割の1つでした。例えば、鈴木清順監督の映画や、黒木和雄監督の『原子力戦争 Lost Love』などもそうだし、従軍慰安婦を描いた映画がメキシコだけで公開されたこともあります。でも、いまはそういう露骨な映画は作られなくなってきました。そういうなかで、犯人が逃げる時、シートベルトをしない映画をいまだに撮れているのは、白石和彌監督だけではないかと」。

俳優というだけでなく、生粋の映画ファンでもある斎藤。「僕は映画が好きだからこの仕事を始めたので、どうしても観客側から映画を観てしまう。そういう意味では仕上がり至上主義です。上がりが良ければ、製作段階でいろんなことがあってしかるべきで、そういう大変な現場で命からがら産出された作品のみに宿るものは絶対にあると思うから。僕はそういう映画を観てきましたし」。

『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』(07)などの若松孝二監督に師事していた白石監督だが、斎藤は監督から、ひしひしと“若松イズム”を感じたそうだ。

「若松さんが描いてきたものは、商業映画の逆側に位置していると僕は思っていますが、おそらく本作のテイストも、少なからずその影響を受けているのではないかと。実はそこが大事で、日本映画のライフラインみたいなものでもあると、僕は考えています。それを白石監督は気負いしすぎずに背負っているところがすばらしい」。

ベッキーは麻雀クラブ・オックスのママ・八代ゆき役とアンドロイド役の一人二役に挑んだ | [c]2019「麻雀放浪記2020」製作委員会

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[c]2019「麻雀放浪記2020」製作委員会| [c] 2019「ひとよ」製作委員会