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ケイシー・アフレックやジョナ・ヒルら、俳優の監督作が話題に!第69回ベルリン国際映画祭トピックス

2019年2月18日 20:00

脚本、監督、出演の3役を務めたケイシー・アフレック | [c]yuko takano

虐げられた弱者の視点で社会を斬る、世界各国の新鋭監督、それも女性監督の問題作がひしめく年となった今年のベルリン国際映画祭。派手なハリウッドA級スターの豪華レッド・カーペットはなかったが、アメリカ合衆国の副大統領を務めたディック・チェイニーを描いた風刺政治映画『バイス』とケイシー・アフレックとジョナ・ヒルの監督作が上映となり、話題を呼んだ。


コンペ部門で上映となったアダム・マッケイ監督の『バイス』(4月5日公開)は、ジョージWブッシュ政権時に副大統領を務めたチェイニー副大統領が、政治家としてのしあがり副大統領の座につくまでの道のりを描きつつ、米国政治界の世渡りがいかなるものかを、裏側から、何人にも分かりやすく追うスリルあふれるエンタテイニングな映画だ。ブッシュ大統領との特別な驚くべき関係が暴露されるあたりが山場か。また主役クリスチャン・ベールの入魂演技も見どころだ。『マシニスト』(04)では55キロほどに痩せ、『アメリカン・ハッスル』(13)ではその倍へと増量した過去を持つベールは、肉体的変身で常に話題を振りまいてきた人。今回も進歩した特殊メイクと体形で、本人とは分からないほどに変身した。

クリスチャン・ベールは今回も本人とは分からないほどの変身ぶり! | [c] 2019 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All rights reserved.

パノラマ部門に『Light of My Life』がエントリーしたのは、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(16)でアカデミー賞主演男優賞を受賞したケイシー・アフレック。監督作としては2作目となるが、脚本、監督、出演と3足のわらじをはいた意欲作だ。映画の設定はとある未来。女性だけを襲う伝染病の流行でほとんどの女性が死滅したが、主人公は生き延びた思春期の娘と2人だけで生存しており、厳しい状況を生き延びようとするサバイバル・ドラマ。子役のアナ・パシオスキーとケイシー自身の父子役の共演が心を揺さぶる。上映会では観客を前に、ここ10年私生活問題が彼のキャリアに影を落としていた時の苦しさを告白。また日頃父親として責任を感じそれがインスピレーションとなり、子供との関係を描く本作の脚本を書くことになった、と説明した。

【写真を見る】伝染病から生き残った父と娘のサバイバルドラマ『LIGHT OF MY LIFE』 | [c]BBP LOML

味のある演技で、ハリウッド俳優としてコメディーからシリアス・ドラマへと転身、独自の位置を築きつつある『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』(13)のジョナ・ヒルは、出演したガス・ヴァン・サントの『ドント・ウォーリー』が日本でも5月に公開となるが、監督デビュー作『Mid 90s』がパノラマ部門で上映された。

90年代半ばのサブカルチャー・シーンを再現した『Mid 90s』

本作はずばり、タイトル通り90年代半ばのカリフォルニアを背景として、13歳の主人公スティーヴィーの思春期の成長を、当時のスケートボード・シーンを中心としたサブカルチャーのど真ん中にカメラを置いて描く。友情や、家庭問題といった、10代の少年たちが抱える問題を織り込みつつ、視覚的にはスケード・ボードの他にもビデオ・ゲームやファッション、インテリアや街並みなどを正確に再現し、これをノスタルジックな色彩の16ミリで撮影、正方形スクリーンで見せるこだわりぶり。加えて、ナイン・インチ・ネイルズのトレント・レトナーが音楽を担当し、彼の選択によるニルヴァーナやサイペラス・ヒル、モリッシーなど90年代ヒットが挿入され、こだわりのサブカル映画して大好評だった。

取材・文/高野裕子

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