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『サスペリア』だけじゃない!ホラー映画の“リメイク”にも傑作はある

2019年1月28日 22:00

ここ数年に限ったことではないが、映画作品には、人気小説やコミックを原作としたものが数多く存在する。そして、次に多いのがリメイクやリブートと呼ばれる作品たち。『サスペリア』(1月25日公開)は言わずと知れた77年のダリオ・アルジェント監督による同名傑作ホラーのリメイクだが、ホラー作品のリメイクにはある種のパターンがあるようだ。近年、リメイクされたホラー映画を各ケースごとに見てみよう。


オリジナル版のバレエ学校という設定は舞踊団に変わっている | [c]2018 AMAZON CONTENT SERVICES LLC.


原作を忠実にリメイクすると…


リメイク版のキャリーで主人公を演じたクロエ・グレース・モレッツは『サスペリア』にも出演(写真は『キャリー』) | [c]2015 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved. Distributed by Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC.


まず、一番多いのが“原作をリスぺクトし忠実にリメイクする”というもの。恐ろしい力に目覚めてしまった少女が巻き起こす恐怖を描いたブライアン・デ・パルマ監督による名作『キャリー』(76)を、13年にクロエ・グレース・モレッツ主演でリメイク。彼女の熱演はもちろん、原作でも重要な役割を担っていたキャリーが追い詰められていくきっかけともなる母親を演じたジュリアン・ムーアの怪演も高く評価された。


ゴア描写てんこ盛り。いけるところまで行ってしまえ!


【写真を見る】リメイク版も怖い!傑作ホラーの数々(写真は『死霊のはらわた』) | [c]2013 Evil Dead, LLC. All Rights Reserved.


とはいえ、もちろんオリジナルを忠実にリメイクしても本家を超えるのは難しいというもの。そこでいっそのこと残虐な描写を突き詰めたのが、サム・ライミ監督の代表作である『死霊のはらわた』(81)をリメイクした2013年版。低予算ゆえのチープさが逆にいい味となっていたオリジナル版とは趣を変え、本物の吐瀉物や190トンにも及ぶ血に似せた液体が飛び散る(!)壮絶な描写が原因でR18+指定となった。


では、『サスペリア』は…?


1人3役の怪演を見せるティルダ・スウィントン | [c]2018 AMAZON CONTENT SERVICES LLC.


今回公開される『サスペリア』は前の2つのケースとは異なり、オリジナル版をリスペクトしつつも大胆に改変するという異例のケース。監督を務めた『君の名前で僕を呼んで』(17)のルカ・グァダニーノはダリオ・アルジェント版のファンだったといい、若きダンサーが体験する恐怖という大枠は変えずとも、初老の心理療法士というもう1人のストーリーテラーを立たせたり、東西冷戦下の70年代のベルリンの空気感を伝えることで観客の不安をあおる、単なるホラー映画ではないアーティスティックな作風に仕上げた。


舞踊団のカリスマコレオグラファーだけでなく、特殊メイクで舞踊団の創始者と心理療法士の3役を演じたティルダ・スウィントンの怪演をはじめ、オリジナル版とは異なった良さが必ず見つけられるであろう本作。“リメイクなんてどうせダメなんでしょ”といった偏見を捨ててぜひ映画館で観てほしいものだ。

文/トライワークス

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