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枝優花と松本花奈、20代女性監督2人が語る“自分の居場所” について

2019年1月27日 10:30

監督作『少女邂逅』が話題の枝優花に、松本花奈が“自分の居場所”について問いかける | 撮影/加藤孔士朗

注目の現役女子大生映画監督・松本花奈による、日々雑感エッセイ「松本花奈の恋でも恋でも進まない。」が、「DVD&動画配信でーた」で好評連載中。Movie Walkerの特別企画として、松本監督が”いま気になる人”に、質問を投げかけます。

今回は連載第5回のテーマ “自分の居場所” について、昨年、長編初監督作『少女邂逅』が話題となり、松本監督とともに参加しているオムニバス映画『21世紀の女の子』が2月8日(金)に公開を控える映画監督の枝優花さんとお話をしました。

「喫茶 宝石箱」は、映画『少女邂逅』アナザーストーリー『放課後ソーダ日和』のロケ地にもなった | 撮影/加藤孔士朗

松本「枝ちゃんとは何だかんだでもう3~4年位の付き合いになるね。出会いは中村祐太郎監督の映画『太陽を掴め』(16)の現場でお互いスタッフとして入っていて、そこで知り合って。その後、アイドルのライブ映像を撮りに一緒に台湾に行ったりもしたよね」

枝「したねえ。懐かしい」

松本「今日は改めて枝ちゃんの頭の中を覗き見出来ると良いなと思っています!」

枝「宜しくお願いします!」

「毎週日曜日の夜『サザエさん』の放送が始まると、母はいつも『あーまた明日から月曜日が始まっちゃう』と嘆いていました」

松本「映画『少女邂逅』のロケ地は枝ちゃんの地元の群馬県高崎市で撮影されたんですよね。幼少期はどんな子どもだったんですか?」

枝「両親が共働きでとにかく忙しくて。父は出張ばかりだったので年に2、3回会えたら良い方で、途中で顔を忘れそうになったり(笑)なので母がほぼ女で一つで育ててくれました。でも、私は家が本当に苦手で…。母は小学校の教員をしていたのですが、職場で子どもの相手をして、家に帰ってもまだ幼かった私や妹の相手をして、とても大変だったと思います。ストレスの逃げ場がないわけで。だから毎週日曜日の夜『サザエさん』が始まると『また明日から月曜日が始まっちゃう!』って感じで追い詰められている姿をみていました。今となっては母がどれだけ大変だったのか理解出来るけど、その時は家が窮屈な場所でした。祖父母が近くにいたので幸い寂しくならずに過ごせましたが」

94年生まれ、群馬県出身の枝優花監督 | 撮影/加藤孔士朗

松本「なるほど。私も家に居場所がないと感じることが多かったので気持ちがよく分かります。幼い頃から映画やドラマはよく見ていたんですか?」

枝「そうですね。学童保育に入っていたのでそこでの友達はいたのですが、近所の子たちとは中々仲良くなれなかったんです。土日とかは学童保育がないから家の前の公園で近所の子たちはいつも通り皆で遊んでいるのですが、私はその輪に入れずにいたので、そういう時に家でビデオをよく見ていました。

学校でも友達は皆前の日に見たアニメの話をするのですが、私はその時間学童にいるので話についていけず。帰ってきたら『とっとこハム太郎』はいつも終盤の日記を読んでいるところ(笑)当時は録画機能などにも詳しくなかったので、学校の友達とも話が合わなかったです。なので、自分の好きなDVDを繰り返し見ていました。そこから、テレビの中にいる人たちが羨ましいな、と思うようになっていきました。役柄ではありますが、主人公にはちゃんと家族や友達がいたりして最後はハッピーエンドだったりして。楽しそうに思えたんです。いつしかどうやったらテレビの中にいけるか、ということを考えるようになりました」

「居場所が変わったところで、お前が変わらないと何も変わんねえよ」

98年生まれ、大阪府出身の松本花奈監督 | 撮影/加藤孔士朗

松本「そこからどのようにして映画の世界に?」

枝「小5か小6の時に市のワークショップで、東京から演技のレッスンの先生が来るとのことで生徒募集をしていたんです。別に役者になりたかった訳じゃないんですけど、もしかしたら何か繋がるかもしれない、何かが変わるかもしれないと思って思いきって足を踏み入れたんです。親に相談したら「そんな地に足のつかないところは駄目」と反対されたので、それまで溜めていたお年玉で自分で申し込んで通っていました」

松本「お年玉で…偉い…」

地元・高崎市でのワークショップの経験が、映画の世界への入り口となった | 撮影/加藤孔士朗

枝「レッスン内容は演技のことはもちろんですが、芸能界という世界でどう生き抜いていくか、みたいなことも教わったりしました。で、その先生に言われたことでずっと心に残っている言葉があって。『居場所が変わったところで、お前が変わらないと何も変わんねえよ』という。当時は?でしたが、いま聞くと改めてその通りだな、と感じます。例えば田舎に住んでいるから映画が撮れない、と言っている子とかに対しては、いやいやそういう人は東京に言っても映画撮れないよって言いたくなります。“どこ”で生きるかじゃなくて、“どう”生きるか、なんだよって。

自分自身に対しても昔は家にも学校にも『居場所』がなくて息苦しいなあって思っていたけれど、結局は自分次第なのかなと思うようになりました。居場所が欲しいと思うんだったらいくらでも行動すれば良い。だから『少女邂逅』の感想でミユリや紬に同情していたりするものを見るけど、私はちょっと違って。ミユリは他人依存な人間で、自分で何もしないのに他の人のことばかり気にしている。最後東京に行くと言っているけれど、東京に行ったところで本人が変わらないと何も変わらない、と思っています。終始過去の自分自身が投影されているので、登場人物に対してもっと突き放しているというか…」

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撮影/加藤孔士朗| [c]2017「少女邂逅」フィルムパートナーズ| [c]2016 UNDERDOG FILMS| [c]21世紀の女の子製作委員会(ABCライツビジネス、Vap)| 撮影/編集部| 撮影/松本花奈| [c]2018 YU SUGIURA| 撮影/渡邊明音