• INTERVIEW

“女の子”と名指されるすべての存在を抱きしめたい。山戸結希×松本花奈の相思相愛インタビュー【前編】

2019年2月17日 19:00

「この作品にまつわるすべての時間が、映画館で過ごす118分のためだけにあった」(松本)

――松本監督はすべての作品をご覧になった感想はいかがでしたか?

『エンドロールアニメーション』(玉川桜監督) | [c]21世紀の女の子製作委員会(ABCライツビジネス、Vap)

松本「15本あることがとても大事なんだな、と感じました。それぞれが主役であり、存在している感じにぐっときて。最後のエンドロールの玉川桜さんのアニメーションで一番泣いてしまいました。14本に描かれた女の子たちを観て、ためていたものを一気に放出させてくれるような、許されるような感覚があったんです。もちろん、山戸監督の作品もすばらしかったです。語られていることの壮大さが、まずすごいですし。映画に対してここまでの愛情や深い視野を持たれているというのが、さすがだなと思います。あの、山戸監督は別のインタビューで『映画の女学校を作りたい』とおっしゃってましたよね?」

山戸「うん、うん」

『離ればなれの花々へ』(山戸結希監督) | [c]21世紀の女の子製作委員会(ABCライツビジネス、Vap)

松本「なんだか、今回の作品を観て、改めてその学校に入学したい。そこで学びたいって思ってしまいました(笑)」

山戸「そんな!いつか学校を創設できたなら、松本監督には、講師としていらしてほしいくらいです」

松本「いや、もう、山戸監督からは学ぶことがたくさんありすぎて。本当に死ぬまで作品を観続けていたいなと思わせてくれる映画監督のお一人です」

山戸「私は、松本監督の作品をずっと観続けられるように、頑張って長生きします(笑)」

――山戸監督はプロデューサーという立場でもあるので、客観視することは難しいかと思いますが、作品の感想を教えていただけますか?

山戸「そうですね。キャスティング段階から作品の成り立ちを見させていただいていますが…。15人それぞれ、テーマへのアプローチ方法が独立し、魅力がせめぎ合いながらも調和し、一つの生命体になっているような、あり得ないことが起こっているというか。この作品にまつわるすべての時間が、映画館で過ごす118分のためだけにあったのだと気付かされました。特別なオムニバス映画ですし、もう二度と創れない作品でした」

『projection』(金子由里奈監督) | [c]21世紀の女の子製作委員会(ABCライツビジネス、Vap)

松本「本当にそうですね」

山戸「公募で200人の中から選出された金子由里奈監督も、商業的な枠組みで撮影するのは初めてでいらっしゃいましたが、それを最高の形で作品に昇華されていました。彼女の到来を、確信的に感じられる作品だったんです。だから、今回の新人賞でもありますね。でも、本当に皆さん、スポットライトがどの角度から当たっても不測の事態はないほどに、一作一作に、かけがえのなさがある」

松本「かかわったすべての女の子が主役になっているんですよね。私の1本もそうだと思うし、ほかの作品を観ても感じたんですけど、語られていることがすごく普遍的なんですよね。これは、きっと22世紀や23世紀になっても、その時代に生きている女の子たちに響くものがあるんじゃないかなって思えるような。そうやってずっと残り続ける作品なんじゃないかなと思います」

山戸「松本監督に、そう感じていただけたことがうれしいです。21世紀の女の子はどこにも消えない、ですね。映画だけが描くことのできる真実を、スクリーンにも、劇場の暗闇にも、ひとつでも多く記録し、記憶してゆきたいです」

取材・文/梅原加奈

関連映画

関連映画ニュース