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満席続きで大混乱!?“ミニシアター”が激アツだった2018年を振り返る!

2018年12月29日 17:30

日頃から映画館に行く習慣があっても、なかなか“満席状態”で観たことがある人は少ないように思う。しかし今年は「あの映画が“また”満席らしい」という噂をよく耳にしたのではないだろうか…?そんな2018年のミニシアターを起点にヒットした作品たちを振り返りつつ、その活況の理由を探ってみよう。


常連客も唖然…インディーズ映画の枠を超えてその勢いは全国へ

もはや「2018年を代表する1本」といっても過言ではないのが『カメラを止めるな!』(17)だ。本作をシネコンで観た人もいると思うが、公開当初は新宿ケイズシネマと池袋シネマ・ロサの2館のみで上映。17年のイベント上映時に満席回が続いたケイズシネマでは前評判も浸透していたようで、土日も平日も関係なく上映回が次々と満席に。その混雑状況がケイズシネマと本作のTwitter公式アカウントにより、さながら実況中継のように発信され、インディーズ映画好きで同館を訪れる(筆者を含めた)コアな映画ファンの間で「ケイズシネマでとんでもないことが起きている…!」とどよめきが走った。ちなみに同館での連続満席記録は、6月23日の公開から8月16日までで“82回”という驚異的な数字をたたき出した。


【写真を見る】各ミニシアターの常連客もあまりの盛況ぶりに驚嘆(『カメラを止めるな!』) | [c]ENBUゼミナール


異様とも言えるこの盛り上がりは、コアな映画ファンだけにとどまらなかった。指原莉乃や新海誠、斎藤工、水野美紀らが自身のSNSやブログ、出演したバラエティ番組で本作をベタ褒めしたりと、著名人にも熱烈なファンが生まれ、彼らが作品の魅力を語ったことでテレビなどのメディアも注目。あれよあれよという間に作品の話題が拡散された。その後、TOHOシネマズなどの大型シネコンでも上映される一方、ユーロスペースやアップリンクなどの渋谷のミニシアターにも上映されるという、これまた異例の拡大公開が実現。話題の熱は冷めやらず社会現象となり、『カメ止め』は流行語大賞にノミネートされ、興行収入が30億を突破するまでに至った。


興行収入新記録を2度も更新!新宿の活況は年頭から始まっていた

「『カメ止め』だけやけに盛り上がっていた」と今年を振り返る人もいるかもしれないが、そうとも言い切れないのが2018年の大きな特徴なのだ。ケイズシネマにもほど近い新宿シネマカリテでは、4月27日から公開された『君の名前で僕を呼んで』(17)が、9日連続で全上映回満席に。同館では今年3月に『勝手にふるえてろ』(17)が歴代興行収入の新記録を更新したばかりだったが、6月15日に『君の名前で~』がさらなる新記録を樹立したことが明かされた。


『君の名前で僕を呼んで』はシネマカリテほか一部劇場で字幕版と吹替版を上映した | [c] Frenesy , La Cinefacture


『君の名前で僕を呼んで』上映期間中の同館は、販売されたパンフレットが入荷してはすぐ品切れになり…という在庫状況を、Twitter公式アカウントでその都度報告。また満席になる前に残席数のツイートもするなど、来場を検討中の人にとって気になるポイントを細やかにフォローする姿勢が光っていた。同館で現在公開中の『メアリーの総て』や『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』もたびたび残席数や満席報告のツイートがされており、このようなサービスは今後も続くものと見られる。


エル・ファニングがイギリス人作家メアリー・シェリーを演じる『メアリーの総て』にも満席報告が! | [c] Parallel Films (Storm) Limited / Juliette Films SA / Parallel (Storm) Limited / The British Film Institute 2017

シーツ姿の幽霊と生き別れた妻とのせつないストーリーが展開される『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』 | [c]2017 Scared Sheetless, LLC. All Rights Reserved.


秋になっても熱気は止まらない!タイのインディーズ映画も1館での公開から100館上映に!

新宿武蔵野館や、アップリンク渋谷でも上映が続いている『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』も今年の注目すべきタイトルだ。9月22日の封切日には武蔵野館のみで上映されていた本作だが、“筆記試験の会場”という誰しもが体験したであろう緊張感あふれる場所を舞台に「いかにしてカンニングを成功させるか」というスリリングな物語が展開されることや、その中でのドラマ性が巧みに描かれており、“良質なタイ映画”として口コミがじわりじわりと興行関係者たちに浸透。公開後の10月4日に「news zero」で取り上げられたことで知名度が一気に上がり、各劇場で平日も満席回が続出。話題は都心だけでなく地方にも広がり、全国100館超での公開につながった。


ヒロインたちがチームプレイでカンニングしていく姿は圧巻!(『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』) | [c] GDH 559 CO., LTD. All rights reserved.


“にぎわい”と“おもしろさ”の相乗効果があってこその大ヒット

ここまで見てきたように、Twitterでの情報発信、口コミによる作品の評判、そしてテレビでの紹介がヒットの要素となっていることは間違いない。けれど今年爆発的にヒットしたのは、低予算で作られた日本映画や、ダークホース的な海外作品など、中小規模で公開された作品たちが中心だった。テレビCMなどで大々的にプロモーションされる大作映画ももちろん公開されたが、そういったにぎわいとはひと味もふた味も違う、“知る人ぞ知る良作”や“本当におもしろい映画”を厳選して観に行くというモチベーションが一般にも広く浸透したのかもしれない。そんな人たちがTwitterやリアルな口コミを参考に判断した結果が今年のミニシアターの盛り上がりにつながったのだろう。


あと数日で2019年がやってくる。来年も良い映画に出会いたいなら、まずは試しにミニシアターのTwitterアカウントをチェックして、年初めに観に行く作品を吟味してみるのはいかがだろうか?

文/トライワークス

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