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『悪人』初日舞台挨拶で深津絵里「できすぎた初日」。妻夫木聡は涙!

2010年9月11日 17:03

初日舞台挨拶に登場した妻夫木聡と深津絵里
初日舞台挨拶に登場した妻夫木聡と深津絵里

深津絵里がモントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を受賞したことからも、一気に注目度を上げた『悪人』が公開初日を迎え、妻夫木聡、深津絵里らキャストが、李相日監督と共に舞台挨拶を行った。

ステージに登壇し、マイクを持った妻夫木聡だったが、なかなか言葉が出てこない。口を開くたびにあふれる涙を堪えた。「本当にすべてを捧げてきたので、この日が迎えられて嬉しいです。この作品は自分にとって転機となった作品。いろんなことに新しく挑戦した作品であり、ありのままの自分の姿と思っています」と話しながらも、途中、何度も涙で言葉がつまり、「ごめんなさい」と謝った。「僕らの熱意、日本映画の底力を感じてもらいたい」と言葉をかみしめるように話した。

本作は、殺人事件を起こした孤独な男と、彼を愛した女の逃避行を描いた同名小説を映画化。原作者の吉田修一と李相日監督が、映画用に脚本を書き上げた。李監督は、「人生経験も乏しい僕が、人の善悪や生きることを問いかけるような作品を監督できたのは、原作の吉田さんがいらっしゃったからこそ。素晴らしいキャストに恵まれ、スタッフの情熱に助けられ、すべての一人一人の思いがあったからこそできあがった作品だと思う」と話した。

モントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を受賞した深津は、「とんでもないご褒美をいただいた感じ。この賞は、最後まで一切妥協を許さない監督の演出と、その思いにどんなことがあっても応え続けたスタッフ、そして戦った証だと思っています。できすぎた初日、これ以上何かあったらバチが当たりそう」と笑顔で受賞の喜びを語った。

妻夫木扮する祐一の祖母役を演じた樹木希林は、「主演の役者さんがあんなに気持ちが入る仕事に出くわしたことがない。李監督は優しい顔してるけど、すごく粘り強い。とてもいい映画に参加させてもらいました」とコメント。一方、娘が殺された父親役を演じた柄本明は、「本当に監督がしつこくて、こっちが“こんなもんかな”と思って芝居をすると、必ず監督からボソボソ言われてもう1回。何回も言われたのでシャクにさわって、しまいには口をきかなかったんですけど(笑)。静寂の中でゆっくり近づいてくる監督は、役者として嬉しかった」と撮影中の様子を語った。

続いて囲み取材が行われ、妻夫木は、「頭で考える芝居でなく、心で感じる芝居だった。妻夫木聡をどこまで自分を押し殺せるかだった」と役作りへの思いを語り、深津も「妻夫木さんのお芝居が素晴らしくて、それが私に伝わってこの賞につながったんだと思います」と妻夫木の熱演を称えた。

最後に妻夫木は「僕ら一人一人の熱意と思いで作りました。この映画を見て何も感じない人はいないと思う。人間があるべくためにはどうしたらいいのか、ちょっとでも考えてくれたら嬉しいです」とメッセージを送った。モントリオールが認めた深津の演技はもちろん、主演の妻夫木が涙を流しながら熱く語った、映画の持つメッセージを劇場で感じてほしい。【取材・文/鈴木菜保美】

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