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祝パルムドール受賞!是枝裕和監督が“カンヌの是枝”になるまでをプレイバック

2018年5月20日 14:30

現地時間19日まで行われていた世界三大映画祭のひとつ、第71回カンヌ国際映画祭において、日本から出品された是枝裕和監督の『万引き家族』(6月8日公開)が最高賞であるパルムドールを受賞。日本映画がカンヌの頂点に立つのは今村昌平監督の『うなぎ』以来、実に21年ぶりの快挙だ。

『万引き家族』は6月8日(金)から公開!
『万引き家族』は6月8日(金)から公開![c]2018「万引き家族」製作委員会

是枝裕和監督といえば、長編デビュー作となった『幻の光』(95)で撮影監督の中堀正夫にヴェネツィア国際映画祭の撮影賞にあたる“金のオデッラ賞”をもたらし、つづく『ワンダフルライフ』(98)でもナント三大陸映画祭のグランプリ“金の気球賞”を受賞するなど、国際的な評価を勝ち取っていく。そして監督3作目の『ディスタンス』(01)で初めてカンヌ国際映画祭に進出を果たした。

『ディスタンス』が出品された年のコンペティション部門は、パルムドールを獲得したイタリアのナンニ・モレッティ監督や、グランプリと男優賞と女優賞のトリプル受賞を果たした『ピアニスト』(01)のミヒャエル・ハネケ監督といった伸び盛りの監督たちはもちろん、ジャン=リュック・ゴダール監督やマノエル・デ・オリヴェイラ監督、デヴィッド・リンチ監督など世界中の巨匠が勢ぞろいした年だった。

そして日本からも『うなぎ』以来5度目の出品となる今村昌平監督が『赤い橋の下のぬるい水』(01)を引っさげ、また前年に『EUREKA ユリイカ』(00)で国際批評家連盟賞を受賞していた青山真治監督が『月の砂漠』(01)を出品。結果としては是枝も含めた日本人監督3人とも無冠に終わることに。

5度目のコンペ挑戦で快挙達成!喜びの会見に臨む是枝裕和監督
5度目のコンペ挑戦で快挙達成!喜びの会見に臨む是枝裕和監督2018 Getty Images

そして、2度目の挑戦となった第57回、是枝裕和という名前がカンヌに絶大なインパクトを与える。『誰も知らない』(04)で、新人俳優・柳楽優弥が史上最年少で男優賞を獲得したのだ。その後も第62回の「ある視点」部門に出品された『空気人形』(09)を経て、第66回では『そして父になる』(13)で審査員賞を獲得。そして第68回では『海街diary』(15)をコンペティション部門に送り、翌年の第69回では『海よりもまだ深く』(16)が再び「ある視点」部門で上映と、すっかりカンヌの“常連”監督となった。

そして今回の『万引き家族』でついに栄冠を勝ち取った是枝監督。今年は例年以上に高評価を獲得する作品が多く、またキリル・セレブレニコフ監督やパヴェウ・パヴリコフスキ監督、ナディーン・ラバキー監督など“常連”ではない若手監督たちに熱い視線が注がれる年だった。その中で、自身とカンヌをつなげた「家族」をテーマにした作品で、“常連”監督としての威厳を見せつけた是枝監督は、名実ともに“カンヌの是枝”へと進化したと言ってもいいだろう。現在まだ55歳、今後もカンヌを驚かせつづけることは間違いない。

【写真を見る】カンヌ入りを果たした『万引き家族』チーム
【写真を見る】カンヌ入りを果たした『万引き家族』チーム2018 Getty Images

ちなみに日本映画が初めてカンヌの頂点に立ったのは半世紀以上前、第7回に衣笠貞之助監督が手がけた大映初の総天然色映画として知られる『地獄門』(53)のグランプリ(当時はまだ「パルムドール」の名称が付けられていなかった)受賞まで遡る。その後も黒澤明監督が『影武者』(80)、今村昌平監督が『楢山節考』(83)と『うなぎ』でパルムドールに輝いたことをはじめ、第2位のグランプリや、審査員賞など、様々な賞を日本勢がコンスタントに獲得している。

今年『寝ても覚めても』(9月1日公開)で初めてカンヌに挑戦した濱口竜介監督や、第69回「ある視点」部門で審査員賞を獲得し、まだコンペティション部門に出品経験のない深田晃司監督のような若手監督。そしてグランプリ受賞経験者である小栗康平監督や河瀬直美監督、3年前に「ある視点」部門で監督賞を受賞した黒沢清監督ら“常連”監督。彼らが是枝監督につづくことに期待したい。

文/久保田 和馬

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