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塚本晋也と俳優陣が激白「英語版『鉄男』はここが大変だった!」

2010年5月19日 12:13

長い撮影中にはクリスマスパーティも花見もした塚本ファミリー。左から、桃生亜希子、塚本晋也監督、エリック・ボシック

1作目の『鉄男』から実に20年、塚本晋也監督自身による英語版『鉄男 THE BULLET MAN』(5月22日公開)がついに完成! そこで劇場公開に先駆け、塚本監督と出演したエリック・ボシック、桃生亜希子のインタビューを敢行した。

塚本「最初にアメリカのプロデューサーから『鉄男』のアメリカ版を作らないか?って言われたのは『鉄男II BODY HAMMER』(92)の後の93年なので、それから17年ですね。前の2本の『鉄男』は都市を壊してなんぼというパンクのノリだったんですけど、現代は、都市を一回破壊したら、再生不可能という時代だと思う。だから今回の主人公アンソニーは壊すのか? 壊さないのか? で悩み続けるヒーローになりました。前みたいに、ただ壊せばいいという時代ではなくなってきちゃったんですよ」。

主人公アンソニー(=鉄男)役のエリック・ボシックとヒロイン・ゆり子役の桃生亜希子は、そんな塚本ワールドの9ヶ月間におよぶ苛酷な撮影に臨んだ。

エリック「やる前から大変なのは分かっていました。気持ちを作って演技をするのも難しかったけど、『鉄男』という世界中のみんなが知ってる凄い映画に参加できるなんて、こんな光栄なことはなかったです」。

塚本「よほど危険な撮影以外は、エリックはどんな変身シーンも『全部自分でやる』って言ってくれたのは頼もしかったですね。前2作で鉄男を演じた田口(トモロヲ)さんの時は、変身後は違う人が演じてましたから(笑)」。

桃生「今回の作品は女性がキーになっていると思うんです。私はまだ母にはなってないけど、もし自分の子供がいなくなったら、ということをずっと想像しながら演じてました。すごく辛かったけど、それをちゃんと表現できないと伝わらないと思ったので、そこは頑張りましたね」。

全編英語のセリフには、桃生も鉄男の仇役“ヤツ”を演じた監督自身も悩まされたという。

桃生「オーストラリアとアメリカの英語は微妙に違うし」。

塚本「そのことを知らなかったから、桃生さんは最初、オーストラリア人の先生に教えてもらってたんですよ」。

桃生「そしたら『今回の舞台はアメリカだよね』って言われて、また一から覚え直したんです(笑)」。

塚本「逆に僕はアメリカ映画をいっぱい観てたから、ニュアンスは分かると思ってたんだけど、全然分からなくて。ヴェネチア映画祭の後に編集作業と一緒に自分の英語を変えて、セリフもシンプルにしました」。

最後に桃生さんに「愛する人が鉄男になっても愛し続けられますか?」という究極の質問をぶつけてみた。

桃生「どうなんだろう?って思ったんですけど、この間ふと、でも愛するんじゃないかなって思いましたね」。

塚本「最初から好きな人だったら、鉄男になっても愛せるだろうと思うけど、最初から鉄男だったらどうなんでしょうね! そんな話も面白いかも知れない」。

『鉄男』はまだまだこの先も進化し続けるに違いない。【取材・文/イソガイマサト】

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