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リドリー・スコットがアノ人物に殺意!?「#MeToo」ムーブメントの渦中にあった映画を町山智浩が解説

2018年5月07日 19:53

『ゲティ家の身代金』の公開記念トークショーに、映画評論家・町山智浩が登壇!

世界一の大富豪ジャン・ポール・ゲティの孫が誘拐された、世界犯罪史に残る大事件を巨匠リドリー・スコット監督が映画化した『ゲティ家の身代金』(5月25日公開)。本作の公開記念トークショーが7日、東京・神楽座で行われ、映画評論家の町山智浩が登壇。本作の背景や裏話、そして前代未聞の再撮影の真相を解説した。

物語は1973年、17歳の青年ポールが何者かに拉致されることから幕を開ける。 ポールの祖父で“世界のすべての金を手にした”といわれる大富豪のジャン・ポール・ゲティは1700万ドル(当時のレートで50億円相当)の身代金の支払いを拒否。離婚してゲティ家を離れていたポールの母ゲイルは、息子を救い出すために誘拐犯と大富豪の両者と戦うことになる。

昨年11月、全米公開を直前に控えた本作に大きなトラブルが発生する。稀代の守銭奴ジャン・ポール・ゲティ役を演じたケヴィン・スペイシーが過去に起こしたセクハラを告発されてしまったのだ。それを受けてスコットをはじめとした製作陣は、名優クリストファー・プラマーを代役に立てて再撮影を行うことを決定。

「撮り直すだけで10億円かかっているんです」と町山が明かすと、会場の観客からは驚きの声が上がる。そして町山は「普通だったら公開できないか、延期になるかというところだったのに、見事に公開に間に合った」とリドリー・スコットらの英断を高く評価。

「でも元々プラマーで予定されていた役柄だったんです。プラマーが演じたことで、ゲティという人物がスペイシーの演じたゲティとはまったく違う人格になったそうです」と語る町山。前代未聞とも言える公開1か月前の再撮影で大富豪を演じ切ったプラマーは、のちに第90回アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされることになった。

そんなスコットにインタビューをしたという町山は、スコットが実際の事件の犯人組織から脅迫を受けたことや、ディケンズの名作「クリスマス・キャロル」やシェイクスピアの「リア王」と本作が共通点を持つことを代弁。さらに町山はスペイシーについてどう思うか訊ねたそうで「ぶっ殺したいよ!って言ってましたね(笑)」と明かし、会場の笑いを誘う。

さらに町山は、本作に起きたもうひとつのトラブルについて言及。それは再撮影時に明らかになった、ハリウッドの男女のギャラの格差だ。「マーク・ウォルバーグが1億6000万円もらったのに対して、ミシェル・ウィリアムズは主演なのに600万円程度。はっきり言ってマーク・ウォルバーグは演技派じゃないですよ!」とバッサリ。結局ウォルバーグはもらったギャラの全額を、ハリウッドでセクハラを受けた女性たちの裁判費用を賄う基金に寄付したそうだ。

「“#MeToo”ムーブメントの影響を一番受けた作品」と本作を形容した町山は「リドリー・スコットは、実はフェミニズム映画のパイオニアなんです」とスコットの過去の監督作を例に挙げて解説。「彼の映画は一貫して強い女性を描いてきた。それはこの映画でも同様で、スコット監督のお母様が強い人だったからなんです」と、巨匠リドリー・スコットの作風でもある“強い女性像”の真意を明かした。

取材・文/久保田 和馬

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