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享年48歳…映画に愛された作曲家が遺した、日本公開中止の問題作とは?

2018年4月23日 18:00

2018年2月、自宅アパートで48歳の若さで亡くなったアイスランド出身の作曲家、ヨハン・ヨハンソン。アコースティックな音色とデジタルな音を融合させ、クラシック音楽のような様式美で構築した“ポストクラシカル”の旗手として絶大な人気を誇っていた彼の訃報は、世界に大きな衝撃を与えた。そのヨハンソンが生前に音楽を手がけた日本未公開作品、『マザー!』(17)のDVD&Blu-rayが4月25日(水)より発売。それを記念して彼の功績を振り返る。

ジェニファー・ローレンス主演のサイコ・ミステリー『マザー!』
ジェニファー・ローレンス主演のサイコ・ミステリー『マザー!』[c] 2017, 2018 Paramount Pictures.

映画音楽で目覚ましい実績を残したヨハン・ヨハンソン

ヨハンソンの活動を語る上で欠かせないのが映画音楽での実績だ。2009年のドイツ=アメリカ合作映画『ラブ・クライム』を皮切りにコンスタントに劇伴制作に取り組み、『博士と彼女のセオリー』(14)ではゴールデングローブ賞作曲賞を受賞。彼の特徴とも言える、ストリングスや電子音を効果的に配した楽曲で、時に繊細に時にせつなく物語を盛り上げている。

【写真を見る】48歳という若さで亡くなった、アイスランド出身の作曲家ヨハン・ヨハンソン
【写真を見る】48歳という若さで亡くなった、アイスランド出身の作曲家ヨハン・ヨハンソン[c]Jónatan Grétarsson/DG

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督とのコンビでも活躍

特に、ヨハンソンの存在を映画ファンに知らしめたのが、鬼才ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督とのコンビではないだろうか?ヒュー・ジャックマン主演のスリラー『プリズナーズ』(13)、警察と麻薬組織の攻防を描いた『ボーダーライン』(15)、さらに謎の知的生命体と人類の接触を荘厳な音楽で支えたSF大作『メッセージ』(16)など、話題作を立て続けに手がけてきた。それだけに、作曲家としてクレジットされていた『ブレードランナー 2049』(17)を途中降板してしまったことは、多くのファンを落胆させたことだろう。

物議を醸した『マザー!』にも参加

『ブラック・スワン』(10)のダーレン・アロノフスキー監督がジェニファー・ローレンスを主演に迎えた『マザー!』は、郊外の一軒家を舞台に、詩人の夫と暮らす妻が、謎の訪問者たちに翻弄される姿を描いたサイコ・ミステリー。第74回ヴェネチア国際映画祭に出品されるが、そのあまりにショッキングな内容で激しい賛否を巻き起こした。本作でのヨハンソンはミュージック&サウンド・コンサルタントとして作品に参加。音楽をほとんど流さない斬新なアプローチに挑戦しており、時おり画面の奥から響いてくるようなスリリングで不気味な音が観る者の不安感を増長させている。

ハビエル・バルデム演じる夫は妻を大事にしながらも、訪問者たちを手厚くもてなそうとする
ハビエル・バルデム演じる夫は妻を大事にしながらも、訪問者たちを手厚くもてなそうとする[c] 2017, 2018 Paramount Pictures.

自身のオリジナルアルバムも高い評価を集め、今後さらなる活躍が期待される音楽家の一人だったヨハン・ヨハンソン。映画を通して彼の手がけた美しい音楽の数々に触れてみてはいかがだろうか。

文/トライワークス

『マザー!』
Blu-ray+DVDセット:3,990円+税 発売中
発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント

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