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のんの『この世界の片隅に』“すず役”はなぜ心を打つのか?結婚観も直撃!

2018年4月4日 08:00

のん、すずに憧れるのは「きちんと結婚生活を送れているところ!」
のん、すずに憧れるのは「きちんと結婚生活を送れているところ!」

2016年の日本映画界を席巻し、ロングラン大ヒットを記録している映画『この世界の片隅に』。いまも絶賛の声が止まらない本作だが、このほどNetflixでのSVOD独占配信がスタート。さらに多くの人々のもとへと届けられる。本作が傑作となった大きな理由のひとつは、主人公・すず役の声にぴったりとハマった女優、のんの存在だ。なぜ、のんが息を吹き込んだすずは人々の心を打つのか。「特別な作品で、代表作と言えるものになった。きっと今後もそれは揺るがない」と愛をあふれさせるのんに、本作を経ての変化と結婚観を聞くとともに、改めて“のん=すず”の魅力に迫ってみたい。

こうの史代の同名漫画を片渕須直監督が映画化した本作。第二次大戦下の広島を舞台に、呉へとお嫁にやってきたすずが懸命に生きていく姿を描く。配給物資が減っていくなかでも、工夫を凝らして食卓をにぎわせたり、家族と笑顔を育みながら生きるすず。プロモーションで各地をまわったのんは、観客から「毎日をしっかりと暮らしていくこと、日々の生活の大切さを感じた」という声を多くもらったそう。

「メキシコの上映でも、そういった反応をいただけて。世界中、どこでも伝わるものなんだと思うととてもうれしかったです」としみじみ。「本作を経て大きく変化したことはある?」と聞いてみると、「おうちでご飯を作って食べるとか、ひと息ついてほっこりする瞬間など、日々のことを幸せだと思えるようになって。洗濯物をたたんで、引き出しにしまうことにも達成感を感じるようになりました(笑)」と彼女自身も毎日の積み重ねを楽しく感じるようになったという。

ぼんやりしたところもあるけれど健気なすずは、のんのイメージにもぴったり。片渕監督が「のんさん以外のすずさんは考えられない」とその声に惚れ込んで主演にオファーした。オーディションの話を受け取り、原作とパイロット版の映像を見たのんも「すごい作品だと感じて、『絶対にやりたい!』と思いました」と相思相愛で、すずとのんが“奇跡の出会い”を果たした。

すずとして生きるために、片渕監督とともにひたむきに役に向き合った。「片渕監督を質問攻めにしたんです。監督は、いつも私の質問にひとつひとつ丁寧に答えてくださった。とことん付き合ってくださった」と感謝しきり。その一途さもすずと重なるが、のんが最も「似ている」と感じるのは、すずの“前進する強さ”なのだそう。

つらいことがあっても「泣いているのは、塩分がもったいない!」と笑顔で前を向こうとするすず。のんは「私も思いっきり泣いたり、くよくよしたりもしますが、それはあまり長続きしなくて(笑)。前に進んでいきたいタイプなんです。そんなところも監督は見てくださっていたのかなと思うし、私自身、すずさんと似ているのがうれしくて。私はやりたいと思ったことを見つけると、やらないと気が済まないところがあって。楽しいと思うものに突っ走りたいタイプなんです」と微笑む。

そして「すずさんはとてもチャーミングな女性。片渕監督も『すずさんは誰かを笑わせられる人じゃないといけない』とおっしゃっていましたが、私ももともと笑うことが大好き。これからも、笑いのある作品やコメディをやりたいという思いが強いです」と“笑顔の力”を実感。やわらかさのなかに、驚くほどの芯の強さを秘めている。この芯の部分が共鳴し合っているからこそ、のんのすずは人々の心を打つに違いない。

いま、すずはどんな存在になっているのだろうか?「片渕監督が『みなさんが、すずさんという人が本当に存在しているかのように思ってくださったことがとてもうれしい』とおっしゃっていて。私も、すずさんがこの世界を一緒に生きている仲間みたいに思えるんです。いまでもすずさんというステキな人と一緒に生きているような感覚です」と頼もしい仲間を得たような思いだという。

一方、すずに憧れるのは「結婚ができて、きちんと結婚生活を送れているところ!」とお茶目に告白。「すずさんと旦那さんの周作さんが、子どもっぽいケンカをしているシーンが大好き」というが、結婚願望については「タイミングがあったらしたいなと思いました」とはにかむ。「20代、30代もお仕事に打ち込んでみたいと思うし、私はすずさんに追いつけていないところがいっぱいあるので…。まだまだだと思います。いつか周作さんみたいな人が現れたらいいですね」。

「本当に特別な作品になりました。代表作と言えるものなんだと思います。これからずっと役者をやっていっても、それは絶対に揺るがない気がしています」と語るのん。「私はアフレコという形で参加しましたが、スタッフやキャスト、クラウドファンディングで参加してくださった方、劇場に足を運んでくださった方、誰もが『この作品をたくさんの人に観てほしい』という同じ気持ちを持っていたと思います。“作る側”と“観てくださる方”の思いが共鳴していく感じもあって、こういうことができる映画は本当にステキだなと思いました」。本作で得たものは限りがない。これからもすず、そしてのんの笑顔がたくさんの人々の心に灯りをともすことだろう。

取材・文/成田 おり枝

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